きょう(10日)、読売系のメディア日本テレビが、反戦派を批判し、アメリカのイラク攻撃をはっきりと支持する報道をはじめたのを見た。国連の決議で化学兵器などを破壊した証拠を出すようにと、イラクは言われているがそれをしないそうで、イラクは国連決議に違反しているから悪い。だから、彼らに対して戦争をするのは正しい、というわけだ。
そして、その番組の常連コメンテーターの某氏は、自身、アメリカ新聞に意見広告を出したほどの平和主義者であるのに、他のことにはコメントしながら、肝心要のこの問題についてコメントしなかった。彼を評価している人はそれがなぜなのか、よく考えてみるべきだ。アフガニスタンに戦争をしかけて、まもなく、イラクに戦争をしかけているアメリカはまちがっていると何故いえないのだろうか。こんな戦争に軍費をだすことも、占領費用を負担することも、日本の利益にはまったくならないばかりでなく、莫大な負担となって、賃労働者層の生活に打撃を与える。日本政府は一刻も早くこんな戦争から降りるべきであり、それができない政府はやめるべきだと何故言わないのだろうか。
彼が日本テレビに金で買われているコメンテーターだからということではないのか。
もし、悪いのだとしても、だから、ただちに戦争をするというのは、おかしい話なのだが、日本の独占資本の既得権益保守派も、日本の独占資本の規制緩和派についで、戦争をはっきり支持し、また、それを認めるよう世論を誘導しはじめたということだ。そして、旧派の論理は国連をかつぐことのようだ。平和憲法を都合のいいように担いできた彼らの政府のやりくちと同じだ。
独占新派は、規制緩和によって既得権益に挑戦し、自分たちの影響力を強めたいのであり、旧派は規制、独占をうまく利用して自分たちの覇権を維持しつづけようとしている。その点で、日本に参入しつつあるアメリカ独占のある部分と新派は親しい。
旧派は、社会主義国との対峙が現実だったときには、高度経済成長もあって、福祉社会と終身雇用と年功賃金をもって、賃労働者の大きな部隊を懐柔することに成功してきた。そして、アメリカの核によって社会主義から守られていたわけだ。だが、ソ連と東欧で社会主義が敗北をすると、アメリカと利害が離れてきた。今度も、フジ産経グループの新派よりも戦争にやや慎重だった。(たとえば平和運動の扱いなどに違いがあった)だが、ついにアメリカ(国家)支持にまわったわけだ。
第二次世界大戦でアメリカに敗北した旧派独占は、アメリカに自力でさからう、気力も能力もない。だから、こうなることは予想された。賃労働者自体が自分たちの生活を守るために、反戦に立ち上がることでもなければ、彼らはひきずられていく以外にはない。
その点では、恐れず、アメリカ帝国主義についていって、最後は日本人を捨ててもよい、と考えるだろう国際派の独占新派とはちがっているかもしれないが…。
戦後半世紀以上にもわたる賃労働者階級ら人民の努力にもかかわらず、独占と保守政権によって凌辱されつづけてきた平和憲法は、汚辱にまみれ殺されようとしている。憲法は改正される以前にすでにその息の根をとめられようとしている。