米英日のイラク攻撃包囲網のなか、生身の生活者としての私は、次に狙われるであろう北朝鮮のバッシング世論誘導に、鳥肌の立つ思いがしています。正月の年賀ファックスには、そうした警告の意をしめしました。
そこで、逆に、鉄ちゃんにおききしたいのですが、今、日本の世論、マスコミ、著名な研究者、コメンテーターの方々は、この独裁者と人民を分けて論評しているでしょうか? ほとんど、まるごと、金イコール北朝鮮とし、差別・バッシングしているのではないでしょうか。
あるいは、脱北者をことさら擁護することで(見せかけることで)、金体制と金体制下にある人民をすべて、ある一色に染め上げていないでしょうか。
たとえば、拉致家族五人でさえ、そうでした。当時、蓮池薫さんの自立した言葉、人格を、一人の友人の方が肯定していましたが(とても、印象にのこっていました)、今は、その面影はどこへやら・・・です。肉声は、ことごとくセーブされる、日常の無難な言葉のみが、流布される。挙句の果てに、横田めぐみさんの子・へギョンさんの素直な言葉でさえ、無理やりフィルターをかけて、北朝鮮下の特殊なものとして、貶める。曽我ひとみさんの家族インタビューは、それこそ、右翼が大結集して、その正体を暴露しました。この件を、非難した人の一体、何人が、その取材内容をきちんと読み、建設的な批判をしたか、皆無といってもいいでしょう。
私は、最初、北朝鮮がどのような国であれ、体制がどうであれ、二十四年も生活し、家族とともに暮らしてきた五人に、日朝交流の先導役を期待しておりました。きっかけはどうであれ、不器用なドアの叩きかたであれ、ともかくも、国交正常化の入り口をひらいた小泉首相を、初めて、認めました。共産党もこの件では肯定していましたね。
問題は、そのあとです。「悪魔や狂気とされている」北朝鮮政府との約束「「十日間の里帰り」を反故にする日本、日本人は、いったい、何様のつもり・・・か。
鉄ちゃんが、「僕は、アメリカ・ブッシュの帝国主義的侵略もゆるしませんが・・・北朝鮮の金政権も許せません」といっておられますが、私は、金政権を一度も、賛美したり、肯定したりしていません。ただ、皆さんの多くが、どうして、アメリカの次でなく、まず、北朝鮮バッシングから始まるのかといいうことなのです。
おりしも、3月15日の朝日新聞は、七面に、史上最大の空中爆発爆弾MOABの実験成功を誇示するラムズフェルドの記事が掲載、重量は約9700キロ、アフガニスタンで使った気化爆弾の改良型であるそうな。高さ3千メートルのキノコ雲が生じるほどの強い衝撃で、地下施設も破壊できるーーとのこと。
こうした記事をよむにつれ、北朝鮮は、やはり、怖いですとか、ミサイル云々・・・が、日本に到着ーーなどなどのとこも2さんのメールなどに、大きな断絶をかんじてしまいます。北朝鮮が、刺激に反応した場合・・・などといいますが、ならば、刺激しなければいいわけです。北朝鮮は、アメリカの驚異的な力に、必死で捨て鉢なバランスをとっているにすぎないのではないですか。
うんざりするほど、くりかえしますが、アメリカこそが、今、狂気の戦争体系に世界を組み込もうとしているわけで、3割、4割の軍事費を国策に、軍産複合国家を地でいっているのです。
もっといえば、パレスチナや、イラク、北朝鮮こそが、このアメリカの狂気を暴き、警告してくれているのではないのでしょうか。あるいは、アフガニスタンは、祖国と命をかけて、アメリカの残虐性を世界にしめしてくれました。
「善意の鱗」なんてものでは、説明のつかない途方もない脅威に今、私たちは、直面しているのです。戦争に反対云々なんて言葉ではなく、ともかく、今も、将来も、人を殺す役割を、拒否しましょう。その最も有効な方法は、アメリカのプロパガンダに乗らぬことです。