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3月15日付、朝日の社説ーー国連を破綻させるなーーを検証する

2003/3/15 長壁 満子、40代、金融

 相変わらず、こういったおためごかしの論調がつづいている。イラクに対する軍事力行使を容認するか否かーーといった前代未聞の問いかけが、大真面目に、国際社会の議論になっている。
 「各国それぞれの国益判断を込めつつ亀裂を乗り越え、安保理の権威と機能をまもれないかという、ぎりぎりの外交折衝が続いている。」ーーイラクの人の命ではなく、平和ではなく、ここでは、安保理の権威が守られるか否かが最優先ですって・・・
 「そんななかで、パウエル米国務長官が、米英決議案を{安保理にかけない選択肢}に言及、米国が独断で戦争突入すれば、国連を軸に多国間の協調でこの問題に対処しようとしてきた努力が水泡に帰してしまう。」と心配する。つまり、国連を通じた行動で、問題解決を探ろうとする見せ掛けの外交戦略が、無駄になるということだ。要は、国連のお墨付きさえあれば、堂々と誰はばかることなく、戦争OK!みんなで、仲良く、戦争しましょ・・が、本音。いままでも、こうして、理不尽な殺戮がなされてきた。コソボ空襲もそうだった。
 そうはいっても、「安保理が機能不全に陥った場合に、国連総会が肩代わりする{平和のための結集}を非同盟諸国が提案したのも、国連を破壊させまいという危機感の表れだろう」とし、「イラクが大量破壊兵器を隠し持っている疑惑はは晴れていないしそれを完全に破棄させることが国連の意思である」と、ぬけぬけと、書く。
 非同盟国の真実は、不公正な各国同盟国にまかせておけないので、”真の平和”にむけてぎりぎりの提案をしたのではないのですか?
 それに、イラク攻撃のための、残虐殺戮兵器の新商品を、同日付けで披露しておきながら、イラクの微力兵器にいつまで固執するのか・・開いた口がふさがらないとは、このことだ。
 さらに、「国連の査察に対してフセイン政権が少しずつでも譲歩してきたのは、いつまでも国連決議違反を続ければ軍事力を行使するという米英の圧力があればこそであろう」と、今までの、米英の武力をちらつかせた威嚇を賞賛する。
 国連憲章の精神の本質が何なのか、私には、よくわからないが、現実はどうやら、加盟国の大国のための大国による利益誘導の取り決めによって運営されているようである。
 そもそも、弱肉強食の話し合いを礎に、{法の支配}の網をかぶせ、見せ掛けの国際秩序を作っていく手段として、アメリカ各国が手にしたのが、国連である。
 ここには、国連憲章に明言されている「人民の国権及び自決の原則の尊重に基礎をおく」こともなく「経済的、社会的、文化的、または、人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人権、性、言語、または宗教による差別なく、すべての者のために人権及び基本的自由を尊重う・・」などの理念は、ひとかけらもない。
 よって、国際社会が、繰り広げている「化かし合い」は、明確な国連憲章違反である。
 国連は、アメリカの手先であるーーといったのは、かのウサーマ・ビンラーディンである。