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病院の株式会社化について

2003/4/25 ウナギ犬、20代

 先日テレビ番組で、医療制度の問題をとりあげていたんですが、かなりいかがわしい内容だったと思います。
 そのテレビ番組とは、たけしのテレビタックルなんですが、あの番組はやたら民営化を正当化する傾向があるように見えます。

 薬を使えば使うほど、病院の儲けになる制度は確かに問題があります。
 一部の医者の、横暴なハラスメントも問題です。
 しかしなぜそれが、病院を株式会社にすることで解決するのでしょう?
 何故この番組は、国の補助金カットという根底の狙いを明かさないのでしょうか?
 それを視聴者に伝えないのは、非常に悪質な報道だと私は思います。

 私は現在の、政治の作った借金がとんでもない額になってる状況、それを無視して民営化を論ずるのは、すごくいかがわしい論法だと思います。
 「民営化によって公共機関に金儲けさせ、その利益の分、国からの補助金をカットする」という狙いが、見え見えだからです。

 民営化そのものは、私は悪とは思いません。
 そのことが民営化論者の、より所となってるのだとも思います。
 しかし政治の作った巨額の借金が、民営化を補助金カットのための、トンネルに仕立て上げているのだと、私は思います。

 それに、民営化は悪そのものとは思いませんが、問題があるのも確かだと思います。
 それは、「採算の取れない部門は切り捨てられる」という問題です。
 民営化することによって、どんなものが切り捨てられる可能性が出てくるのか?
 それは果たして切り捨てて良いものかどうか?
 民営化するにあたっては、そこが真剣に議論されなければいけないと思います。
 借金の穴埋めに民営化しよう、などという現在の民営化論は問題外ですし、きわめて悪質だと思います。

 「病院を株式会社に」という話も、採算が取れなくなったとき医療現場で何が起こるか、それを論じなければいけないはずです。
 私が最も心配するのは、負担が人件費に跳ねかえってくるケースです。
 普通の企業がやってるように、「人数を減らして、一人当たりの仕事量を増やす」ということが、医療現場で行なわれたら?
 私は確実に医療ミスの増加を招くと思います。

 私は医療問題の解決は、大きく2つの方法論によってなされるべきだと思います。
 それは、
1:情報公開の徹底。
2:薬価中心の補助金から、診察・治療中心の補助金へと変える。
というものです。

 1の情報公開の徹底は、カルテの写しを本人に渡すことを法律化する、医療現場に患者側から記録機械を持ち込むことを許可する、それを促進するためのキャンペーンを行う、などです。
 2の補助金制度の転換は、治療に使った薬に補助金がつくのではなく、ケガや病気の種類に応じて補助金を払うというものです。

 これらは専門家の立場からすれば、不備のある方法論であるかもしれませんが、一方的な補助金カットの民営化に比べれば、ずっとましなものであると思います。