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核兵器廃絶問題に関わるニュース 三つ

2003/4/25 菅井 良、50代、自由業

 東京から菅井です。核兵器廃絶問題に関わるニュースをいくつか紹介します。

その1
 共同通信(4月19日)によれば、ブッシュ米政権が、1993年以来、禁じられている爆発力5キロトン以下の核兵器開発に乗り出すため、国防予算案に、小型核の研究・開発を禁じた「ファース・スプラット条項」の廃止を盛り込むよう議会側に提案、開発費用の計上も要請していることが19日、分かったとのことです。
 共同通信が入手した米国防総省の「説明趣意書」によれば、「同条項が核兵器の性能向上を妨げている」と言明、条項廃止で小型核の兵器化に踏み切り、イラク戦争で多用した特殊貫通弾(バンカーバスター)への搭載も視野に入れているとみられると伝えています。。
 これに対して野党民主党(アメリカの)は強く反対しています。

その2
 共同通信(4月24日)によれば、アメリカはは24日、核兵器の最も重要な部品の一つで、爆発を引き起こすプルトニウム・ピット(塊)を14年ぶりに製造したと発表しました。水爆の核融合反応を引き起こす「引き金」として使われるほか、それ自体で長崎原爆と同様の原爆となる。ソフトボールほどの大きさで、アメリカでは1989年に製造を停止していたものです。
 ピットは、水爆に核融合反応を起こさせるきっかけをつくるための核爆発を起こすプルトニウム239が材料の球状の塊で、核兵器の先端部分に取り付けられるもの。
 米エネルギー省は、「今後シミュレーションや臨界前核実験などを通じて、ピットの性能を確認ができれば、2007年以降、年間10個、ピットを生産する。」と述べたということです。
 これは、アメリカが年間10発のペースで、水爆製造を積極的に進めるという意味です。
 ピットはニューメキシコ州の施設で生産されていたが、環境汚染が問題化して、生産を中止していたのだと共同通信は伝えていますが、もちろん、自然条件だけが中止の理由だったはずはありません。

 大量破壊兵器である原子爆弾、水素爆弾等の核兵器廃絶の世界中の運動の積み重ねの結果、2000年5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議で、アメリカをはじめ核兵器保有国も賛成して「核兵器廃絶の明確な約束」がなされていました。最大の核保有国アメリカのこれらの行動はそれに反するものであり、許すことはできません。

その3
 ロイター(24日)によれば、パウエル米国務長官は、朝鮮民主主義人民共和国の核開発問題を協議する米朝中非公開協議について、「強い意見が提示された。北朝鮮も、自国の見解を強く提示した。中国、米国もだ。協議は終わろうとしている」と発言した。
 同長官はさらに、「(各国代表団は)本国に戻り、各国が提示した案を分析し、次の対応を決めることになる」と述べた。
 北京の米大使館の広報官は、協議は予定通り25日も続けられる、と話している。
 パウエル長官は、協議が25日も続けられるかどうかについては、明言していない。
 また、米国務省のバウチャー報道官は、記者団に、「もし各国代表団が、さらに話をしたいと考えれば、25日も協議が続けられるかもしれない。その可能性は否定したくない」と述べた。

 多国間の交渉が粘り強く継続されていくことを祈らずにはいられません。