本投稿時点において、統一地方選挙後半戦だけでなく多数の衆院議員補選(茨城、東京等)が闘われている。しかし、この国政レベルの選挙の情勢は十分取り上げられているであろうか。気がかりなのは、個人情報保護法案、有事立法の行方である。前者は衆議院委員会を通過してしまった。後者については、民主党が与党案と大差ない「対案」なるもの、を示し国会修正通過の道筋がついてしまった。残念ながら、これらの法案に関し、国政レベルの選挙が行われているにもかかわらず、力強い反対意見が各選挙でも示されていないことである。
共産党についていえば、一般的にイラク戦争反対等を訴えるが、選挙の争点としてこれらの法案の問題を国民に明らかにする努力がなされているとはいいがたい。各地の前半戦では選挙公報で「米軍基地返還」すらふれられなかった。そして、心配なのは、これほど重要なテーマへの鈍感さである。その根底には、共産党22回大会で決まった「自衛隊活用論」である。自衛隊を活用するような事態を想定する限り、国民への統制に関する法規が必要となろう。22回大会の問題性はじわじわと及んでいる。
アメリカの攻撃的な帝国主義が誰の目に明らかな今、口先だけでない反帝平和の政策が日本に住む勤労人民とその家族には必要なはずである。
むしろ今こそ、草の根から「米軍基地返還」・有事法制反対を、その反人民性を明らかにした上で広げるべき時なのではないであろうか。その意味でも22回大会決定の害毒は許し難い。