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「イラク戦争」に思う。再度とどさんへ

2003/4/3 東、40代、公務員

 とどさんへ。
 下記の内容を含む投稿を読む前に、私は先のメールを出しました。再度、感想と意見を述べさせてください。

「昨日、ノーベル平和賞のとった人の反戦デモをみました。
 静かに抵抗もせず逮捕されていました。
 警官も静かに逮捕していました。あの姿が反戦デモの参考の一つにもなると思います。」

 私も見ました。また、開戦直前(のたしか17日)、9.11テロの遺族3人が、同様に反戦運動で逮捕されたのも、TBSの報道番組で知りました。そのとき遺族の一人の方は「弟の死が戦争に利用されるのは耐えられない」と述べていました。わたしもあなたと同じく、感銘を受けるとともに、勇気づけられました。しかし考えてください。日本でもアメリカでも、デモや集会だけでは逮捕されません(「親米国」で米軍基地もあるサウジアラビアでは即逮捕でしょうが)。日本やアメリカで逮捕されるのは「公務執行妨害」その他、「警察」(すなわち「体制」の意志)と「ぶつかった」からでしょう。私は彼らに勇気づけられる。しかし恥ずかしいことに、「逮捕される」までのことはできかねています。だから「イラクの人のことを考えていない」と言われるのかもしれません。しかし、反戦デモをする人も、戦争に反対したフランスもロシアも、またお友達が滞在していたというヨーロッパの他の国の人々も、あなたの言うようにイラク人の人のことを本当は考えているのではない、としたら、いったい一番考えているのは誰ですか。「イラク国民よ、解放の日は近い」とかっこよく宣言して爆弾を降らすブッシュ氏では、よもやありますまい。
 イラクが民衆を「疎開」させれば、あるいはイラクが「抗戦」しなければ確かに被害は少ないかもしれませんね。しかし、正統性のない戦争(アナン事務総長もそう述べている)を始めたのはアメリカであり、アメリカは、「イラク国民の解放」のために侵入したのではないですか。「疎開」が言われること自体アメリカの「誤算」ということになりましょう。ブッシュ氏のシナリオでは、イラク民衆は「解放軍」として米英軍を迎えるはずではなかったでしょうか。そんなシナリオどおりいくはずもないから、私は戦争に反対する。アメリカ軍すら食料その他の補給が苦しく、一日一食という報道もあった。イラク民衆はどこに「疎開」し、誰が食料を運ぶのか。可能性あるありようは、「疎開」ではなく「難民化」でしょう。実際、開戦直前、戦争が始まれば50万の難民が出るという予想も現にあった。
 この戦争はいずれアメリカが「勝つ」でしょう。しかし、イラク国民の「解放」も「民主化」も、私には実現されるとは考えられません。
 「解放」を言うなら、パレスチナ人の不条理な運命からの解放もまたぜひ望みます。「民主化」を言うなら、「ダブルスタンダード」のないように。(ダブルススタンダードの一例。アメリカはイスラエルに惜しげもなく武器を与え、それはパレスチナ民衆の殺戮に使われている。サウジアラビア、クウェート、ヨルダンほか「親米的アラブ国家」は例外なく、非民主的で議会がないか停止されている王制の国家だ。アメリカはそれらの王制を守るために、80年代、イラン・イラク戦争のおり、必死にイラクに肩入れした。イラクが毒ガスを使用していることも承知の上で。)

 付け足し。とどさんはおっしゃる。

「私は、すべての人のために祈ります(誰がなんといおうと)。」

 誰もなんとも言っていません。私も祈ります。今日の新聞に載っている、亡き子を前に呆然としている父親のために。またアメリカ軍兵士のために