有事関連法案が衆院を通過した。
国政選挙によって選ばれた圧倒的多数の議員が支持している。
大手各紙はそろって法案に好意的だ。
小泉政権の支持率もグンと上がった。
ちなみに私は反対派。
でも、私の知り合いの多くは有事法制の制定を歓迎している。
その中には会社の同僚もいる。
尊敬する先輩もいる。
私の家族にも、1人いる。
さて、どうしたものかと思うが、妙案は浮かばない。
ここは慌てず、騒がず、じっくり話しながら先方の心がコロリとこちら側に転がるのを、辛抱強く待とう。
なぜ、みんなは有事法制に賛成か?
突き詰めると、一つのキーワードに当たる。
それは「北朝鮮の脅威」だ。
飲み屋で知人はいう。
「俺も戦争は嫌さ。でも北朝鮮をどうするんだ?」
私は答える。
「有事法制を使っても、北のミサイルは防げないよ」
知人はいう。
「有事法制は、ないよりあった方がいいだろう」
私は答える。
「かえって相手を刺激する。マイナスだ」
知人はいう。
「だったら、どうしろというんだ?」
私はいう。
「外交努力。核査察と拉致救済の国連決議を目指す」
知人はいう。
「そんなことで拉致家族を返してくれるか?」
私はいう。
「国際社会の圧力が最も効果的さ」
知人はいう。
「向こうが突如、日本の原発をテロったら?」
私はいう。
「あっても防げんよ。外交努力で未然防止だ」
知人は答える。
「そりゃあ観念論だ。もっと現実を考えろ」
私は反論する。
「有事法制で何とかなるという考えこそ、観念論だ…」
大体、この辺で両者引き分け。
これ以上議論すると気まずくなるので、ここから先は、いつものように「今年の阪神タイガースは本物かどうか」が論点だ。
これがさらなる激論を呼び、今宵もまたまた更けていく…
孤立無援だが、めげない私である。