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一般投稿欄

有事法成立に向けてーー朝日新聞の役割と赤旗の記事

2003/5/12 長壁 満子、40代、金融

 5月12日付朝日新聞 社説「独り歩きさせぬために」ーー有事法制をめぐる先月27日付の社説「民主党案は土台になる」に対し、さいたま市の主婦の方から「声」欄に投書をいただきました。・・・そもそも有事法制がなぜ必用なのですか、と。
 戦後の日本は、国土が侵略されたり、テロ攻撃を受けたり、大災害に見舞われたりした場合政治や自衛隊がどううごくべきかを定めた法制を持たずにやってきました。国家総動員法で戦争に突き進んだ悲惨な体験への深い反省があるからです。(いままでのそうした実際の犯罪はどうしてきたのですか)
 しかし、いざという時は自衛隊に動いてもらわなければならず、何の決まりも無いままでは政府の勝手次第になります。4半世紀前「超法規的行動もありうる」と語った統幕議長が解任された事件がありましたが、こんな現実でいいのでしょうか。(今までかってに動いたのですか)
 日本は戦争をしない。それが憲法の精神です。そのための外交の重要性は言うを待ちません。
 それでも、いざという時は万一にもないと言い切れるでしょうか。とりわけ北朝鮮問題をかかえ、最小限の備えさえ必要ないとは考えにくいと思うのです。(万万万が一のために、先制攻撃を・・ということですか)
 --このみごとな話術で、どれほどの読者がだまされるのでしょう。わたしは、さいたまの主婦より、この朝日の論説委員より、もしかしたら、戦後の歴史や自衛隊云々を把握していないかもわかりません。
 ですが、この2年間、必死で、新聞・テレビ書籍等を検証し、同時進行した、残虐な殺戮戦争を目のあたりにして、まやかしを見抜く嗅覚だけは、するどくなりました。正直いうと、もう、いいかげんにせい! とお手上げの状態です。でも、だれも、声をあげないので、やはり、今日も、パソコンにむかってしまいました。
 まず、戦後、違憲の自衛隊を軍隊として容認しないと定めた憲法?は悲惨な体験の反省からでした。なのに、いま、どうして、いざというとき、自衛隊が動かなければならないのですか。にほんは戦争をしないという憲法の精神、そのための外交の重要性がいわれていますが、なるほど、今の外交は、米国の蛮行の尻馬の乗って、他国の侵略に便乗するばかりの戦争外交です。今までのイスラムの人々との熱い信頼を根こそぎに壊し、憎悪をあおりたて、戦争を、テロをおびきよせています。こんな外交しかできない今の政権をこそ、検証しなければならないのに、朝日社説には、有事法賛成に誘導する役目が振り当てられているようで、苦肉の言い訳でごまかします。
 言語道断なのが、「とりわけ北朝鮮問題をかかえ、最小限の備えさえ必要ないとはとは考えにくい」は、どういう意味なのでしょうか。北朝鮮問題は、それこそ、日朝正常化交渉を復活し、誠実な平和外交を積極的にすするめることが急務なのではないのでしょうか。拉致家族の問題を戦争外交に使い、日本の国民もわたしのかつての友人さえも、「一億総情念化」していますが、こうした、民度に迎合することが、朝日の体質だったのでしょうか。
 あらためて、最小限度の備えとは、北朝鮮の反撃を米国の核で押さえ込むということでしょうか。今まで、テポドンだのノドンだの、ミサイルの脅威を煽りたて、核保有を唯一の切り札にくちばしった北朝鮮を、いざという攻撃の口実に堂々と使う。そのためのしかたがない有事法制であると・・・
 みなさん、ほんとうに、冷静に考えてくれませんか。一寸でもいいです。ほんとうに、あなたが、北朝鮮の国民だったら、統治者だったら・・と。拉致帰国者の家族は今現在、北朝鮮の国で健在でいるのでしょうが。蓮池徹さんが、いうセリフのなかに、「北朝鮮を経済制裁で追い詰める、武力をちらつかせること」というのが、頻繁にでてきます。しかし、北朝鮮の国情の中で、そうするということがどういうことなのか、想像してみませんか。経済制裁をすればするほど、だれがこまるのですか。金は、国民のことなど、いっさい考えない狂人だと、いったのはだれなのですか。話し合いができないときりすてているのは、どこのにんげんですか。だから、武力行使ですか。テロリスト・テロ国家を根絶ですか。アメリカブッシュ戦略と一致させるための日本戦略ですか。
 拉致帰国者の家族のことを本当に考えているのでしょうか。拉致帰国者の日本の家族も、本人たちも。さらに、アフガンで、イラクでの惨状をみたでしょう。私たちが目にした報道は、1%以下の日米英のプロパガンダショーですよ。北朝鮮の核云々をいう日本が、あの地雷爆弾・クラスターを148億で購入し、アフガンで、イラクでつかっているではないですか。アフガンのときは、沖縄からクラスターを搭載した写真を、赤旗がすっぱぬいていましたね。
 北朝鮮は、一度も、核実験をしていません。アメリカは、これまで、何回やったか。人体実験も何回か。気化爆弾なる未曾有の兵器、最近は、あまりおおげさとおもったか、使い勝手のいい小型核なるものをコマーシャルしています。劣化ウラン弾しかり、学校に、病院に、商店街にばらまいているではないですか。
 もう、ほんとうに、いいかげんにしてください。マスコミも戦争好きな権力者も、感性の麻痺した日本人たちも。結局のところ、たとえ、あなたが、生きのびられるがわだったとしても、目のまえで、劣化ウラン弾やら、放射能やらが飛び火したり、在日の方々の更なる恐怖や、絶望や怒りを増幅させて、本当に、安心できるのですか。ちょっと、想像してみれば、わかることです。アメリカの兵器のすさまじさ、いい加減さは、北朝鮮の隣国である日本にかならず、大影響しますよ。ボタンのちょっとした誤作動で何百メートルの誤差につながるそうですし、今回も「命中誤爆」なる、どれほどの犠牲があったことか、マスコミはほとんど、つたえませんから、まともな集会にいって、検証してみてください。それに、日本は、原発列島ですよ。
 さらに、朝日は、「法律を政府や官僚機構の独善を許さない内容とすること、国民と国会がその運用を厳密に監視することが絶対にかかせません」と、かくが、反吐がでます。
 そもそも、戦争するための法案を、国民が監視したり、できるのか。戦争というのは、いつでも、基本的人権は、まもられず、真っ先にぎせいになるのが、こくみんの主権や民主主義である。言論の自由や集会の自由、反戦の意思表示や異議申し立てができないようにして、戦争がはじまるのだということくらい、朝日の記者なら、わかっているはずである。
 こうしたことにすっとぼけて、口当たりのよい、しかも、主婦に応えるかのような民主的な振りをして、社説で有事法を援護するのだから、あきれ返るというものです。産経や読売の汚さとはまた違った汚さがある。
 民主党の岡田氏、基本的人権の保障についてーー「戦争遂行という「公共の福祉」に反すれば、デモや反戦平和の集会も制限されるというのが有事法制の法体系」だと指摘。こんなまやかしを最低限の基本的人権といいません。民主党の汚さと朝日の汚さは、通底しています。さすがに、赤旗は、この点を指摘しています。
 個人情報保護法なるもので、一般の国民の異議をふうじこめ、権力者の保護をし、有事法案で、戦争遂行に向ける一切の障害物をなくさせ、国民を総動員させるのです。
 朝日は、はっきりと、今日、社説で、有事法成立に加担しました。この記事を書いた論説委員は、戦争犯罪者として、わたしは、記憶します。
 最後に、戦後の日本と今と大幅に外部から攻撃を受ける情況がかわったというなら、どうして、どこが、かわったのか。あるいは、かわっていないのなら、今まで不作為が検証されねばならないはずです。総括し、今現在の政権は、退いてもらってから考えるのが筋というものです。
 記憶に新しい、オーム事件(国内テロ)をはじめとする国内の「テロ行為」、これらも有事法の口実に、菅さんもいわれましたが、国会論議をみていても、関係ないようですね。
 また、石原都知事が好きな、災害救助のための自衛隊というのも、戦車で救出のイメージがいかにも漫画チックです。シャロンがだぶってきます。災害には、クラスター爆弾はいりませんし、イージス艦もいりませんね。いつの間にか、自衛隊は立派な軍隊に昇格、イラク殺戮戦争で、アフガン攻撃で、広報支援という軍事の要役をひきうけたのです。
 ブッシュと同じで、ただただ、米国と一緒に、戦争国家につきすすみたいだけの、「まやかし有事法論」に、私たちは、だまされないようにしましょう。そして、まさか、選挙権はのこっているでしょうから、来年のそのときは、戦争推進勢力を、根こそぎ、政権の座からひきずりおとしましょう。次々と、抗う力は、せばめられていくでしょうが、屈したら終わりです。
 ここまで書いて、前回、makkieさんへ書いた原稿ですが、足りなかったかとおもうようになりました。
 やはり、今、このとき、いかにおかしな風潮であれ、人権や、世情にうとすぎるひとの原稿をのせているような、悠長な場合ではないのではないか、と。過去、幾人の優秀な論客が、絶望して、やめていかれたか・・とふと、おもったのです。いつか、資本主義と戦争を論じられた、施設職員のかたの投稿や、内容の濃いいくつかのものものが印象にのこっています。ある基本的な価値観、侵略戦争はぜったい許さない、これを良しと考える意見などは、やはり、さざ波の性格からいって、論外ではないのかとおもったりします。もちろん、本人が、それなりに、考えようとしている姿勢があれば、また、別の展開もあるのでしょうが。
 長く、なりました。今日は、仕事をすると硬く決意したのですが・・・
 菅井さんや、プラムさんの闘いを拝見し、はげまされます。