ご意見、拝見しました。
そして率直に思ったことですが、長壁さんの思いの方には共感できるのですが、論理には賛同できかねない部分があると、感じました。
社会が悪い方向へと傾いている、その危機感は私も持っています。
長壁さんがいくら声をあげてみても、社会が良い方向へと向かわない、その焦燥感には私も共感できます。
しかしそれは、正しい道理だと私は思っています。
皮肉で言っているのではありません。
個人の力というものは本来、「微力」であると私は考えているからです。
例えば選挙権がその一例です。
自分が投票した政治家や政党が当選しなかったら、残念に思うのは自然なことです。
しかし、自分の一票の多きさが、他の人の一票より大きければ良いとは思わないでしょう。
政治に対する意見というものも同じで、「一人の真剣さがどれだけ大きいか」ではなく、「どれだけ大勢の人間が真剣になれるか」で世の中が動くのだ、と私は考えています。
そして今の日本は、政治に真剣で無い人間が、圧倒的多数のように私には見えます。
だから、「日米英の戦略を、どうふうじこめるか、具体的・実践的な対案が共産党からきこえてきません」とのことですが、それは論理的に間違っていると思います。
少数派に多数派を封じ込める、実行力を求めているからです。
共産党の信条・政策が世の中に反映するのは、その信条・政策が多数派になった時でしょう。
こう書くと、「だから何が何でも選挙に勝て」という意見に繋がり気味ですが、私はそれも間違っていると思います。
自民党が滅んでも自民党的政治が残っては意味無いように、議会に届けなければいけないのは、共産党の看板ではないはずです。
私が「勝つ選挙」に反対なのは、「政策が違っても野党で統一候補を立てろ」という意見が根強いからです。
「政権を取った社会党が何故滅んだのか?」「与党に成り代わった海部政権は何故滅んだのか?」
これらの問いを考えた時、勝たせるべきは「共産党」ではなく「共産党的政治」なのだと、私は信じているのです。
「私がもっともいいたかったことは、共産党のダブルスタンダードです」とのこと。
もし共産党が、「住基ネットを活用・発展する」と言い出したなら、それは政党助成金を受け取るのと同様、裏切り行為です。
しかし前々回の投稿で、「共産党は決まった法律は守ると駄目押しされた」とのことですが、それは党の正式な方針なのでしょうか。
私も私的に、問題のある言動をする共産党議員を知ってますし、記事の文章を修正されたこともありますけども、それとダブルスタンダードの問題は、ちょっと質的に異なると思うのですが…
それが小さな問題とは思いませんが、私には論点をずらされたように感じました。
「消費税にしても、医療改悪にしても、反対はしてくれるけれど、きまれば、すべて、甘んじるじゃないですか」とのことですが、これも論理の飛躍だと思います。
「消費税を3%に戻せ」「医療費負担を減らせ」という政策を引っ込めたのなら、言われる通りなのですが…
私は党で見た場合、政策主張の一貫性はつらぬかれているように見えます(全部が全部、知っている訳ではありませんが)。
党員や議員の言動に一貫性があるかは、疑問があると思いますけども。
「党の戦争反対の根本が変わらない限り、有事法案は、つぶせない」とのことですが、私はそれにも意見が違います。
むこうの論理が勝ってるから有事法案が通るのであれば、国会を早く通過させる必然性は無いのではないでしょうか。
「国民に内容を知られる前に決めてしまえ」という行動は、議論になると、法案の正当性を示せないということを証明してるのではないでしょうか。
私はやっぱり、国民と政治の距離を問題にしたいです。
例え法案の中身を知らなくとも、「早く国会を通過させる」ということに、「中身を知られるとまずい法案なんだな」という危機感を抱かないというのは…やはり危険なことだと思います。
私が、「共産党が間違っている」と思うところは、「共産党は正しいから応援して」という広報戦略のあり方にあると思います。
例えば私の母は、国民の政治不参加を問題にするところは私と共通するのですが、その解決法が「もっともっと赤旗を読んでもらわなきゃ」ということなのです(ここでいつもずっこける…)。
私はそれでは駄目だと思います。
政治に参加してもらう時点において、政治的立場が中立でなくては、大きな運動に発展するとは到底思えないからです。
誰が共産党の自己宣伝と一体化した、政治参加運動に心動かされるでしょうか。
政治参加の気運が高まって、それで共産党より良心的な政党が躍進するなら、私はそれで良いと思っています。
しかし多くの国民が「一番税金をフェアに分配してくれるのは誰か」を議論したとき、間違い無く共産党が躍進すると、私は考えています。
アメリカの2倍以上の公共事業予算を浪費してる今の日本で、「公共事業予算を半分にして、その分を福祉と借金の返却に回せ」と主張している政党は、おそらく共産党以外にはいないはずです。
政治に参加する国民が増えた時には、後追いする政党が増えるかもしれませんが、それはそれで結構なことだと私は思います。