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日本共産党と革マル派・JR総連との接近について

2003/6/20 赤旗記事研究分析員、労働者

 最近、各地の「平和」運動の集会などで、ひとつの変化が見られる。いわゆる共産党系の集会などで、革マル派の支配下にあると言われているJR総連(全日本鉄道産業労働組合総連合)が、正式な参加団体として登場するようになってきたのだ。

 40代以上の活動歴のある者なら知っていて当然だと思いますが、
このJR総連、総評時代にはその激しい闘争スタイルから「鬼の動労」と言われた、あの国鉄動力車労働組合・動労が母体になって組織された組合で、現在、組合員数約7万人。JRの旅客6社・貨物1社の内、北海道、東日本、貨物の3社で最大組合。ほかの4社は対立するJR連合(約7万人)が最大組合。これに国労、全動労(建交労鉄道本部)、動労総連合(千葉動労など)、東北鉄産労、
などが続いている。
 ナショナルセンター別では
連合  JR総連 JR連合 合せて14万人
全労連 全動労(建交労鉄道本部) 約千人
全労協 国労        1万8千人
となります。対立しているJR連合とJR総連が同じ「連合」に加盟しているのは、かつての総評対同盟のような、「たたかう路線対労使協調路線」による対立ではなく、労使協調組合同士の対立によるもの。
 旧動労は60年代に革マル派の松崎明氏(元日本共産党員)が青年部長の座につき、「機関助手廃止反対闘争」を指導するなかで松崎氏個人と革マル派の影響力が急速にひろがり、特に青年部は当時の学生運動の戦闘性の影響も受け、新左翼,なかんずく革マル派が
圧倒的な勢力を保持するに至り、70年代にはこの体制はほぼ完成されたものになった。動労内で革マルを公然と批判するのは事実上不可能になった。
 この70年代に、動労は大きな分裂を2つ経験している。「政党支持の自由」巡って、76年前後に共産党員や支持者が各地で動労を脱退、相次いで新労組を結成し、その後全国単一組織として全動労(全国鉄動力車労働組合)に合流していった。なお、全動労の拠点は北海道だった。
 78年(79年だったかも)には、動労千葉地本の青年らが中心になって、動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)を結成。党派的には中核派の影響下にあると言われている。
 これらの「対立」勢力の脱退により、動労内での革マル支配の純化は一層進行し、やりたいほうだい状態になる。
 79年は、もうひとつ動労を語る上で欠かせない重大なできごとがあった。この年動労は、国鉄当局と「貨物安定輸送宣言」を結ぶ。あの準ゼネスト規模といわれた75年の「スト権スト」からわずか4年たらずのことである。この「宣言」以降、動労は労使協調路線にむけて舵を切っていく。(実際,79年以降動労の争議行為は激減している)
 80年代になると、国鉄の労働組合は労働戦線問題と国鉄分割民営化と言う2つの大波にもまれることになる。
 当時の国鉄労働戦線の状況は、
総評  国労 17万人 動労 4万人強  全動労 2千人
同盟  鉄労 4万人前後
新産別 全施労 1万人強
その他の組合多数有り
 といったところでしょうか。当時の国鉄は「労働組合のデパート」だったわけです。
 国鉄分割民営化を巡っては、当初、同盟・民社系の鉄労(労使協調路線、階級闘争否定、改良主義的労働組合主義の右派)が真っ先にこれに賛成し、当局に協力する立場を表明。鉄労の当局奉仕路線は分かりきったことだったので誰も驚かなかった。
 一方の反対派は総評系の3組合はもちろん、中間的な新産別・全施労も素早く反対を表明した(このことは、その分野の最大勢力が
左派か右派かが中間派の動向を決める上で大きな意味を持っていると今日のわれわれに教えてくれている)。つまり、鉄労以外みんな分割民営化反対だったのだ。 
 ところが、政府・自民党と財界、そして国鉄当局は、国鉄の分割民営化を80年代の反動攻撃の最重要課題として位置付け、裁判所も含め国家機構を大動員して反対派に対する攻撃を開始した。
それと歩調をあわせるように動労は分割民営化賛成に転じることを突如として表明し、鉄労と組んで「国鉄改革推進労協」なるものを結成、明智光秀バリの大裏切り劇を演じ、当局と一体になって国労・全動労などの反対派組合に対する常軌を逸した組織破壊攻撃を開始した。それは裏表ありとあらゆる手段を講じ国労・全動労などの組合員を脱退させ、動労に加入させるというもので「国労や全動労にいると新会社にいけない。雇用を守る動労に入れ。」という、労働者を不安に陥れて勧誘?するという、まともな労組なら絶対にやらないことをやったり、組合員の個人宅に多数であがりこんで深夜まで「説得」し、本人が折れるまで連日連夜同じようなことを繰り返し、私生活を事実上破壊してまで自分たちの目的を達成しようとしたり、違法・脱法スレスレの行為が横行した。
        つづく