前略
Webにて「日本の労働分配率の国際比較」のことを、調べていたら、偶然このHPに行き当たりました。
このホームページを党員の中でも、責任感あり、かつ勇気ある方々が、党の現状を憂慮して開かれたことを知りました。
私は京都市に生まれ、学生時代から一貫してこの党を支持してきた者ですが、先ほど読ませていただいた党の現状については、かねてから深く憂慮していたところです。
今春の統一地方選挙、去年の参議院選挙でもそうでしたが、明らかに党の退潮傾向が現れている。 この傾向は、ちょっとやそっとで、止められるれるものではないだろう。やはり、根本的に党の長年の政治路線の誤謬、昔の言葉で言えば「日和見主義」が大きな要因でしょう。ソ連、東欧の社会主義体制の崩壊、米ソ両大国間の冷戦構造の解体、それ以前の1960年代の中国の文化大革命、その後の中国の政治、経済の体制の変化と言った大きな国際情勢の激動にさらされたなかで、党として理論的に相当しっかりしたリーダー、指導部が、この変化を厳しく受け止め、新たな党の前進への展望を党員と支持者に示して欲しかった。
この期待を裏切るたいへんnegativeな出来事が、中央委員会議長であり、参議院議員であった野坂参三氏の除名です。
どう弁明しても、日本共産党にも悲劇的なソ連のスターリン主義、文化大革命を発動し、中国革命の発展を頓挫せしめた晩年の毛沢東思想が影響し、投影していたと言わざるを得ない。そうでなかったら、野坂氏が除名されるはずがない。スターリン体制下で、卑劣な密告行為により粛清をのがれ、生き延びたとして糾弾された野坂氏だけでなく、野坂氏と歩みをともにした幹部会のメンバーも、同罪に等しいのではないか? 党は、厳しい歴史の審判に応えていない。頬かむりをして、生き延びようとして結局、現在のような展望のない袋小路にはまり込んでしまったと、私は見ています。
恐らくこのメッセージを読まれる党員の方々は、私の見解に同意されないかもしれませんが、忌憚なく私見を述べました。
長年の一支持者として、若い青年男女ににアッピールすることができず、硬直した組織、自己変革のできない中高年の組織に退化してしまっている党の現状を、ほんとうに残念に思います。
本当に困難でしょうが、日本の戦後史をトータルとして、きっちり見据えたなかで、今後の党の新展開を模索してください。
悪名高いかってのソ連の官僚主義、スターリン主義が、完全に払拭されていない、その残影がいまだ、日本の党内に根強く残っている、そんな印象を持っています。
これでは、とうてい若い青年男女を引きつけることはできないでしょう。また、広く市民の支持を得ることができないでしょう。
少数意見を大いに歓迎し、そこから創造的なアイデア、知見を生みだしていく、若い青年男女が運動に積極的に参加し、活気のある党に作り変えていただきたい。
上述のように、党の政治路線は、内外の戦後史(もちろん上記の社会主義体制の崩壊も含めて)を徹底的に、かつ実証的に研究、総括して、そこから導出されるものであると確信いたします。
党名の変更も、当然必要になるのではないか?
困難だが、挑戦するだけの価値のある創造的な仕事、運動であるとして、優秀な青年男女に強くアピールすることができる社会変革の展望、理論を導出することが、勇気をもって、このホームページを立ち上げられた党員に提起された任務でありましょう。
新聞に報道されているような、綱領の変更は、私にはまったく魅力がありません。未来社会に対する大した展望もなく、創造性が感じられません。昔の言葉で言えば「右翼日和見..」ではないか?
長々と私見を述べましたが、こんな政治的評論をするのではなく、自分の職業経験(大学における研究、教育)に立脚して、戦後教育を省察して、高等教育の再構築を論じた著書を近々に出版します。
皆様のご健闘を心から期待しております。
敬具