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<帝国>を読んで感じたこと

2003/6/11 獏、50代、失業中

 確か去年の暮れに朝日新聞の書評欄で、この本の翻訳本が今年の1月か2月に出版されることを知り、読んでみたいと思っていたのですが、なにせ高いのでついつい手が出せずにいたところ、図書館から借りられる幸運に恵まれたのでした。
 さて読後の感想ですが、一言で言って難しい。わからない。これは中年のオッサンが読む本ではないなと思いつつ、煙草をふかし、焼酎を飲みながらそれでも1週間かけて一応読みました。途中、自分の無学を棚に上げて、翻訳者の無理解を疑ったり、著者(アントニオ・ネグり、マイケル・ハート)達は混乱しているのでは??と思ったりしましたが、やはりレーニンの『帝国主義』以降の現代資本主義のグローバル化、資本の展開に対する不勉強が理解できない原因だと悟ったのです。
 ただ救いは、半分以上ドロップアウトしている私でも、<帝国>のいうマルチチュードの可能性の中に主体性を持続させることによって参加できるという、力強いメッセージを受けたことでした。
 この本は学術書としてではなく、現に革命を展望し、活動している人々こそ読むに値する1冊だと思われます。