有事関連特別委員会(NHK)にて
日本の歴史が変わったといえるこの日、議場では、いつものように、緊張感のない、漫画のような質疑応答がくりかえされた。弛みにたるんだ、程よい湯加減の中で、蠢くかえるの集い。否、言葉だけは、やたら重々しく、おどろおどろしいものがとびかってはいた。
以下、拾い観、つまみ食い。
自衛隊とは、
「国の平和と命をかけて、国民の平和と命守るということ」その心構えとはーー
石破 身を死生の闇におく。身の危険を省みず。
小泉 自らの任務を断行、献身的な活動をするのが自衛隊。国民から感謝と敬意の声がなくとも、「人知らずして生き残らず また君子にならずや」に敬意を表す。感謝されない状況こそ、国民のためである。
ーーこの自衛隊は、国民でなく、国軍であり、国の徴用であり、当然、志願制でなく、徴兵制となると思います。
戦前の軍と自衛隊との違いを明確に、
石破 旧軍との違いは、国会の民主的なコントロールの下にあるかいなか。侵略戦争を侵さない(?)、専守防衛のみ。
小泉 戦前の陸海軍、日本の帝国軍隊は抑圧されたという思い。諸外国は、解放してくれたという声が多いことの違い。旧軍のしごき、往復ビンタなどに嫌悪感が後を引いている。文民統制、シビリアンコントロールが必用。
国民の不安を問う、民主党議員の質問には、「もっと、早くできていたら、問題なかったでしょう。侵略されたら、という議論、最悪の事態を平和のときにかんがえることが必要。民主党も含めて、今回合意できたことは、喜ばしい」。
民主党議員の、シビリアンコントロールだの、公開情報だの、国民保護だのといった酒のつまみを、ときおり、口にいれながら、和気藹々と戦争法案への合議ができていきます。
イラク復興においても、過去のことは過去のこと、未来志向で、各国が一致して協力していくことが、大切・・
この発想です。これから死んでいくものも、すべては、その時点で、過去にさせられていくということです。
イラク・アフガンがいい見本。殺す側か殺される側かなんて、たいした違いではない。小泉らにとってみれば、日本国民を、駒に、ブッシュと連携することで、国内の失政をチャラにし、利権のおこぼれに預かれればよいだけのこと。自自公民も、同じ穴の狢です。
わたしは、ここまで、民主党議員が個々まで、腐りきったかとおもうと、唖然とします。政権離脱で、離反覚悟で、政治を担う気概がまるでありません。いえ、むしろ、人間としてのかけらもかんじません。菅氏にも、心底絶望・軽蔑しました。そのほか、注目していたかたがたにも。大橋巨泉氏が辞職したのが、うなずけます。
共産党の小泉議員に質問にも、のらりくらり、以下引用。
小泉 アメリカの先制攻撃戦略に、アジア、太平洋で、日本の自衛隊は巻き込まれるのではないか。
首相 日本は、先制攻撃はしません。
小泉 アメリカは、先制攻撃は武力行使をやると明確に宣言している。先のイラクでも、先制攻撃だった。
首相 あらゆる選択肢をのこしている。先制攻撃には、くわわらない。
小泉 米国の国家安全保障戦略は、先制行動である。敵が攻撃してくるかどうか不確定な時間・場所であっても、先制攻撃をやる。イラクでは、日本でも、兵站支援をやる、後方支援をやった。
首相 先制攻撃と先制行動をごっちゃにしないでもらいたい。米軍基地や日米安保も抑止のためのもの、行動。日米安保があったから、今まで平和にやれてきた。日米同盟が抑止力だった。
--ならば、いまもその抑止力だけでいいとおもいますが。論理をごまかすのが得意。
石破 アメリカが国際無視の先制攻撃をするとは、おもっていない。
--したのです。イラクでしっかりと、国連を無視して、世界世論を無視して・・今現在も、無法に無法を重ねて、石油利権・インフラ利権をぶんどっているではないですか。条約違反の兵器を使い、大量破壊兵器という口実もない、前代未聞の大量殺戮をしたという認識さえもないのですか。
アメリカは、先制攻撃を発動した。イラク攻撃のために、周辺の基地を使ったのです。こうした恐れを追求する、小泉(共産)議員に、「仮定の議論で決め付けないでもらいたい。アメリカは、日本を守るために、なにかするでしょう。日本一国では防衛が不十分だから、日米連携で・・」
何が何でも、アメリカの戦争に加わりたいようです。アメリカのやることは、なんでもあり、OK。もはや、日本国内の諸問題を解決する能力も、気概もない与党軍団には、戦争が、人殺しが手っ取り早いのです。
北朝鮮バッシングも、国民の非主体性のおかげで、思いのほか、うまくいきました。自己を検証するよりは、他を誹謗・中傷するほうが、簡単です。血みどろの川も、みんなで渡れば怖くないのです。
メディア規制もさらに威力を発揮、都合の悪い言説は、どんどん、排除できます。首根っこさえおさえればいいのですから。
地方自治体、指定公共機関などの強制動員を追求する共産議員に、「米軍とこれから協議していく」(石破)。
首相 会社と従業員との雇用関係の問題でしょう。それは。会社には、お願いをするだけです。
--労基法改悪は、このためだったのですね。なるほど。
こうして、国民の無知につけこんだ、国民殺しが、手をかえ、品を変え、蔓延していきます。それにしても、日本人は、いつから、こんな、奴隷根性になりさがったのでしょうか。侵略の意味もわからぬ人間が跋扈し、恥という感覚さえもない人間的欠陥者があふれかえっている日本です。
最後に、社民党の田英夫氏。
田 自衛隊は、今後、我が国の平和と独立を守る「軍隊」として、憲法を変えていくことになる。過去、特攻隊という若き、貴重な命を散らしたのは、軍隊をもったからだ。特攻隊の体験、広島、長崎、外国諸国民のことを信頼して、軍隊を持たないと思い決意をしたのだ。
戦争体験者もだんだん死んでいき、そろそろ、戦争をしてもいいでないかといった、風潮を危惧する。ならば、特攻体験者の私は、ますます、死ぬわけにはいかない。戦争体験者、犠牲者のことをもっと、大事にしいていただきたい。
首相 非武装から平和が守られる。諸国民の公正と信義、その公正と信義が無い国もある、イラクもくクウェートを侵略した。(首相譲りだったのですか。相手国の非のみをあげつらい、自国の非にはふたをする。米国は、何十回、他国へ侵略したか。)
日本だけが、軍隊をもたない、なにもしないというのは、ひとたび、全体主義、独裁主義になったら、ロシアのように圧政になる。奴隷の平和は選べない。
田 犠牲者の悲哀がわかっていない。にんげんの歴史は戦争の歴史。核兵器、原子爆弾ができた今、考えをかえなければならないというのが、幣原外交だった。こうした思いをもっともっと、大事にしていただきたい。
ポイントはは二つ。
過去日本は、アジア諸国に侵略し、ぬぐいがたい傷跡を残し、いまだ、償いも道義もかんじていないこと。
米国も同じで、自国のためには、なんでもあり。殺戮兵器ナンバーワンの独裁・恐怖国家であるということ。
この米国が世界制覇のために、中東地域をまず、手中にするため、独立心の強いフセイン政権・タリバン政権を殲滅。アジアにおいては、属国日本をさらに奴隷化するため、日本の基地化を推進する。
ハイテク兵器の核のゴミ捨て場も、確保する必要から、地球どころか宇宙にも、拡げることが必要。米国内の軍需産業は、今からが、更なるピーク。日本も同じ。失業率をふやし、落ちこぼれをつくり、行き場ののないところへ、軍事という毒えさをばら撒く。アイデンティティーの曖昧な日本人に、教育の軍国化は、思いのほか効果あり。
近くの園芸店には、日の丸という名の花が登場。
ファシズムをファシズムと気づくこともなく、人殺しを認知することもなく、一億総湯で上がった日本国民は、公園墓地にむかって邁進する。