有事法制問題では私の所属している組合では例によって反対しております。配られた組合ビラを見てみますと、アメリカの戦争への参加の道を開くとか、人権を侵害されるとか書かれています。組合の幹部役員が、今回有事法案についてマスコミがあまり問題視しなかったのはおかしいとか言っていました。
『正論』7月号に載っていた「こんな有事法制では国民は守れない」という論文には、マスコミ各誌の有事法制に対する論調が触れられていました。5月14日付読売新聞の社説では「旧社会党や共産党、一部マスコミなどは『戦争準備の法律だ』『人権が制限される』などとして反対しつづけた(中略)反対論の誤りは明白である。有事法制がなければ自衛隊は超法規的に行動するしかなく、人権侵害の恐れがむしろ強まる。それでは法治国家ではない。反対論の根底には、自衛隊の手足を縛りさえれば平和を維持できる、と信じているかのような単純な思考がある。有事法制の整備と同時に、いま必要なのはそうた『平和ボケ』の発想から政治が一国も早く脱却することだ」と書いています。私はこの社説はもっともなことを述べていると思っています。
かつては朝日新聞と一緒になって有事法制などの「反動」法案には常に反対の立場であった毎日新聞はどうだったのでしょう。今回の有事法案衆院可決を受けて、自民党が民主党の修正協議に応えたことを5月14日付社説で「今回の修正協議はこう着状態にあった政治課題を処理した点で意義がある」として法案内容には一部不満を残しつつ評価しています。日経も有事法案を支持し、産経新聞はもちろん支持である。かくして今回は朝日新聞を唯一の例外にして各紙がそろって有事法案を支持したとのことです。
共産党も急迫不正の侵略から国を守るために自衛隊を活用するとか言っていたでしょう。自衛隊を活用するには有事法制を整備しておかないと、いざという際には自衛隊は超法規的に働くしかなくなってしまいます。ですから共産党も有事法制に対して絶対反対ではおかしいということになります。自衛隊を活用するからには有事法制の整備はぜひとも必要となるのです。
このような有事法制賛成との論調が強くなったのは去年の9月17日の日朝首脳会談で北朝鮮が拉致の事実を認めてからであると述べられています。この日を境に日本の世論は一変したと言われていますが、私もそれは本当によく感じられます。こんな悪業を働く国家ですから、近隣国の日本ももっと警戒しておくべきだと多くの人が思うのも当然としか思えないですね。そしてかつて拉致疑惑を無視するかのように、北朝鮮に対して弁護的だった団体が信用をなくすのは当然でしょうね。そんな団体が有事法案反対とか言ってもあまり世論は振り向いてくれないでしょうね。