共産党は、北朝鮮との国交回復に諸手を挙げて賛成し、「拉致問題」は国交回復後、話合いで解決というスタンスをとっている。北朝鮮との国交回復に条件なしに、推進の立場をとっているのは、利権まみれの自民党橋本派と共産党という構図になっている。その安易な流れに、「拉致被害家族の会」を頂点に、多くの団体が参加dし、ブレ-キをかける運動が盛り上がっている。
今回の共産党の「無原則」さ、あるいは節操の無さを指摘しておきたい。中国との国交回復時には、内政不干渉を基本原則に持ち出し貫いた。この時の態度は立派だった。翻って、今回はどうか、当時の内政干渉より深刻な「国家主権への侵害」である。これを国交回復の基本条件から外してしまっている。自民党橋本派のように利権まみれの輩の言い分なら解るが、何よりも筋を通す、共産党が何故ここまで転落したのか?このままでは、多くの良識人が離反していくだろう。
「誇りなしに日朝国交交渉はすべきでない(中西輝政)」「拉致を認めない国と友好関係は結べるのか?(櫻井よしこ)「安易な国交回復は自殺行為(橋爪大三郎)」これ等の主張が理詰めで、はるかに説得力をもつ。これ等の主張が日本国民の多くの意識と重なるだろう。
筋の通った理詰めの展開をしないと「国民意識」との乖離を重ね、破綻の道を辿ることになる。その大きな理由が無謬主義が足枷となっていること。無謬主義と決別することが必要だ。無謬に無謬を積み上げていくと、どこかで清算しない限り、論理破綻を来たす。今この状態に入っている。「疑惑の段階」も崩れた。拉致問題では「ダンマリ」以外選択肢を失った。拉致被害家族の会から相手にされなくなり、妨害者の存在価値しかなくなった。
「脱北者」の中で、以前党籍のあった人もいるだろう。体制が変わり、党籍のあった「脱北者」が大量に日本にきて、収容半島の未曾有の人権抑圧の事実を赤裸々に暴露し、当時の帰還事業推進の責任を問われたら共産党はどうするか? 謝罪できるか? ここでも無謬主義に固執すると、総連もろとも歴史の彼方に葬り去られることになる。