わたしは、今年4月、この欄に「石原都知事がふりかざしたペットボトルについて」と題して、ユーザーにのみ負担を強いる「環境対策」の不当性についてのべました。
その後、5月末ころだったと思いますが、TBSラジオの朝の報道番組で、ある新聞が東京都の行政の成果として「カラス駆除対策と排ガス規制がある」と報じているとして、「なぜこれが同列か」と述べていましたが、「最近流行の・・」の筆者の文に接し、たしかに「悪を駆逐する」点において同列であることに気づきました。
しかし、わたしはここであらためて、ディーゼル排ガスの真の責任=悪は、規制を定めた国・国土交通省(石原都知事も大臣をつとめた当時の運輸省)とそのもとで車を製造してきたメーカーにあることを強調しないわけにはいきません。
くしくも8/14付毎日新聞は次のように報じています。
「ゼネラル・モーターズ(GM)、ダイムラークライスラー、いすゞの自動車メーカー3社は12日、米国で最も厳しいカリフォル二ア州の排ガス規制案の実施阻止を目指す訴訟を取り下げたと発表した。」
ところが日本においてはどうでしょうか。同じく毎日新聞4/14付は次のように述べています。
「トラック専業メーカー4社が、10月から始まるディーゼル車の排ガス規制強化による特需に対応して増産体制を整えている。不況で販売不振が続いてきただけに、各社は久々の追い風を逃さないよう懸命だ。」-と。
同じ車を作りながら、アメリカでは訴訟で対抗し、日本では自らの責任をたなあげにして「増産体制」でのぞむ、-これを「国に対抗する」「環境を守る」ことを大義名分にかかげた石原都知事が許しているのです。
わたしは、決して「同情」を求めているのではなく、ぎりぎりの選択をせまられている1都3県の100万台にものぼるトラック事業者・所有者とその家族の財産と営業、生活を守るために、「対決」をよびかけます。