ここはのどかな田園風景が広がる平和村です。子どもたちが花を摘み、蝶が戯れ、トンボが舞う自然村です。近くの蛙沼では、様々な生物とともに、この沼の主ともいえる蛙たちが、その快適な環境を思う存分謳歌しています。
早朝、小鳥たちのさえずりで一日が始まり、夕方は、真っ赤な太陽が山の端に沈む頃、森に帰るカラスの鳴き声で、夜の静寂がおとずれます。
さて、そんな日常の営みが永遠に続くとおもわれたこの村に、ある異変が・・・
いつのまにやら、近くのあぜ道はコンクリートの立派な道路になり、少し離れた通りは、今や立派な環状道路ができてます。田んぼはどんどん消え、蝶もトンボも最近はめったにみられない。カラスでさえ、森林の破壊とやらでいられなく、最近は、どこかに越したらしい。
それはさておき、肝心の蛙沼はどうか。蛙たちは村の主なので、近くの焼却場建設や環状道路開通時にもらった資金で、それは豪華なシャンデリア付きの蛙御殿が完成しています。自然の味はちと薄れたが、食べ物はたっぷりとあり、不自由しない生活にご満悦。この世の恵みを独り占め。
気になるのは、必要なものがぜ~んぶお金になったこと。ま、でも、そのお金もあるのだから、問題ないか。豪邸での生活は、蛙たちを快適にさせ、人口味になれさせ、食事のレパートリーも格段に増えていく。
ちと気になるのは、最近やたらめったら暑いこと。冬も暖かく、冬眠の必要もなくなって、寿命がのびたとよろこんでいたのだが、どうやら、暑過ぎるでないか。
かえるの主たちは、集まって平和村の村長に相談した。村長は、早速、国にかけあって、これまた、大型の原発冷風機なるものを導入。蛙沼は、またまた、絶好の心地よい環境に元通り。村の資金は桁違いに膨れ上がり、最近は、よそ村との合併騒ぎもおこっている。
それにしても、気になるのが、働き盛り世代の突然死。ここ10年、蛙の寿命は年々縮んでいるらしい。こどもも、生まなくなったのか、生めなくなったのか、蛙夫婦の出生率がぐ~んと低下。先日は、国の方から、赤紙ならぬ、黒紙がまわってきた。今後は、こどもを五人以上生むこと、生まぬのは、非村人として、この御殿村から追放する。猶予は10年とする。子どもを生めぬ病人・年寄りは、代わりに金10封を罰則金とする。
さて、さて、しばらく、すったもんだの蛙村での生活が続くとおもわれたのですが、ある日一斉にゲコッ!! と天地をひっくり返すような悲鳴がきこえ、御殿沼は白い腹を見せたゆで蛙で埋まりました。
私も、辞書を引いてみました。どこにも、載っていませんでした。蛙を水のなかにいれ、温度を少しずつ少しずつ、上げていくと、その心地良さにいつまでも、外に飛び出そうとはしないそうです。自分の体温を越え、さらに温度が上がり、そして、熱い!と気がついたときはすでに遅し、ということだそうです。むか~し、どこからか仕入れてきた知識だとおもうのですが、こんな認識でとらえています。
ゆでがえるのきちんとした文献等、ご存知のかたは、ご教示ください。
「明るい共産党」さんに質問されて、こちらが、勉強になりました。ふだん、何気なく使用している言葉も、受け取る人にとって、わかりにくいものが多々あるということでしょうね。共通認識をもつということは、討論するうえでとても大切なこととおもいますので、私も、心したいとおもいます。上記の「はなし」は、私の創作ですが、わたしにに絵心があれば・・とおもうばかりです。反小林よしのり版といったものが、余りに少ない。「戦争中毒」くらいでしょうか。今の戦争構造を正しく伝える、漫画や映像が徹底的に不足しています。インターネットがこんなに普及しているのですから、インターネット漫画でも普及しないのでしょうか。もちろん、戦争鼓舞論など、こまりますが。