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あえて反北朝鮮論評を問う

2003/8/30 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

 この間の成立した「有事3法」、「労働基準法改悪」、「イラク特措法」等の成立はいくら国会が大政翼賛化傾向を見せていると言え少し前の常識ならまず成立しない、画戦後的な反動法案である。
 それがあれよと言う間に、殆ど抵抗らしきものもなく成立してしまったのは、辻元清美、田中真紀子と言う予測しにくい「出すぎた釘」を、抵抗勢力潰しより前に打ち砕いてしまった小泉の戦術的勝利と、共産党や社民党の自滅的弱体化もあるが、やはり何よりも「9,17日朝会談」で明らかとなり、この国に欧米のネオ・ナチ、右派勢力以上の排外主義の嵐を吹き込んだ北朝鮮「拉致疑惑疑惑」の凄まじいまでの反動の力と、小泉政権のその徹底的な取り込みが大きく作用した結果だと思う。
 これにより、この国で戦後50年以上「未来を見据えた憲法」と国内外から高く評価され、階級関係のバランスをどうにかを保ってきた「日本国憲法・平和憲法」に基づく政治理念や良識、そして戦前の誤りを反省材料として市井に草の根的に労働者・市民の中に培われてきた「反戦平和」を筆頭とした「戦後民主主義」が、殆ど骨抜きにされ、力を失い、以前には全く考えられない論評や情報が、さも当然のように語られ、ばら撒かれている。
 マスメディアをフルに活用し、転向させ巻き込んでしまったこの超反動は、おそらく、かつて中曽根康弘が強行した国鉄分割民営化・総評解体、連合による労働者の階級意識解体策動にも並ぶ、威力を残念ながら発揮している。
 インターネットには<おどろおどろしい非人間的な「北朝鮮バッシング」がさも当然の様に溢れ返り、この「さざ波通信」でもそれに類する主張を行なう人々も出て来ている。
 しかしほんの基本的な事実を改めて見つめたいと思う。
 今日の世界地図の上に同じ民族が朝鮮半島の様に完全に南北に分断され、それも核を含む軍事力で対峙したままの国、民族が他にあるのだろうか?
 いくら独裁的国家と言え、2300万もの人口を持つ主権国家と未だ国交をもち得ない日本の外交姿勢は本当に正しいと言えるだろうか?(世界の国の半分は残念ながら民主主義とは相容れない独裁国家・半専制国家が占めている、それも大半がアメリカのお墨付きの、北朝鮮が例外的な「悪国」なのではない)
 仮に一旦戦火が切られたら短期間で100万人もの戦死者が想定され、何百万人何千万の難民が発生すると言う戦争を簡単に起こしていいものだろうか?
 韓国が堅持するの「太陽政策」が本当に甘く間違っているのだろうか? 大邸のユニバーシァードでの韓国の人々の北の選手や「美女軍団」を見る目がとても温かい様に、韓国では同じ民族・同胞を見る人々の目は確かだ。
 「同じ民族が戦争するような誤りは絶対しない」、「南北仲良くしたい」と言う若い人たちが次第に社会の中心を担って来ている。
 確かに今の金正日体制は異様である、その抑圧的政治支配体制は許されるものではない,「核」を切り札とする外交姿勢も人々に犠牲を強いるだけの絶望的な瀬戸際外交でしかない。
 しかしこの体制を今日まで存続させたのは「東西冷戦」と言うファクターがあったとしてもこの日本にも大いに責任がある、あえて植民地時代やまた朝鮮戦争までの事に触れないでおいてもだ。
 よく「拉致議連」を始め右翼的な人たちは、かつて北朝鮮と国交回復の為の交渉を持った金丸信や野中広務、又旧社会党の村山元首相や土井たか子を口汚く非難する、確かに彼らの交渉が田中角栄による日中国交回復のように成功せず惨めに失敗した事、彼らが国対国の外交を余りにも知らず安易に北朝鮮と接触を持つたことも事実だし、そこでせっかく得た情報を公開しなかった事も事実だろう。
 しかし1965年朴独裁政権下に締結された「日韓条約」は冷戦下といえ朝鮮半島の現実を無視した、日本の資本の韓国への経済的再侵略を目的として「南北分断固定化」と朝鮮の人々の様々な要求を圧殺する為にこそ締結されたものだった。
 その後も歴代の日本政府は真に北に対する外交努力を怠り今日に至っている。(北朝鮮はれっきとした国連加盟国なのにー)
 この国に近隣友好を基本とした、真摯な対北朝鮮外交があれば、拉致問題が発生する余地もなかったし、南北統一を含む北東アジア情勢も今とは随分と変わったものになっただろう。

 少し前から企業では失敗から学ぶと言う「失敗学講座」が大流行だそうです、政治も政党もそして私達の様々な運動ももっと過去の失敗例を学ぶべきなのです。
 ともかく私達は過去をよく知り、学ばなければなりません、「戦争の世紀」と言われた20世紀からもっともっと学ぶべきです、目と鼻の先の朝鮮半島で「第二の朝鮮戦争」という悲劇を絶対防がなくてはなりません、もし核が使用されたらこの国も同じ被害を受けます、小泉による先制攻撃を、100万人も殺される侵略戦争を絶対起こさせてはならない。
 そしてイラクに人殺しの軍隊として自衛隊を派兵してはなりません。
 この秋から来春、外に出ましょう。この国でも世界の人々に負けない闘いの輪を作って行きましょう!

(追加)蓮池透さんの件、私は残念ながら「噂の真相」の読者ではないので確かめようがありませんが、彼が東電の社員である事は(出向も含め)もう常識であると聞いています。又御台場の「穴あき船」については北朝鮮籍であるという客観的事実は極めて不足しています。日本海や東シナ海(余り使いたくない表現ですがー)の海岸にはハングル文字の煙草の紙や箱は一杯流れ着いていますし、私自身ハングルのラベル付きや中国製の衣類の愛用者です、虐殺された人達が何人なのか政府も公表していないと思います。