7月15日いえ、昨年以来あなたのことはずっと気になっておりました。返事を書く書くといながら、なぜか、実行できなかったのは、あまりの認識の違いに、無力感が先にきてしまったからです。
本日の刺激的な恫喝ともいえる文章を拝見して、早速パソコンにむかっています。
その前に、あなたが私のすべての文章に目を通してくださっているかどうかということは、考えないことにします。で、あなたの文章に基づいて、同じ論調でのべさせていただきます。平成のご意見番さんに返事したのと同じ方法で。売り言葉に買い言葉になってしまうのですが・・・
一、 ファシズムとは急進的な国家主義・軍国主義。排外的な政治思想、運動、体制、全体主義。
全体主義とは、個人の自由・権利は、全体(民族・国家)の存立・発展のためにささげられるべきだという考え。
平成のご意見番さんをファシズムと称したのは、相変わらず、一つの方向からみたのみの、つまり、拉致された犠牲者の側からだけの視点に拘泥した物言いだとかんじたからです。そうした考えが、日本列島をおおい、今の日本の国家主義つまり全体主義を醸成していることは、事実ではないでしょうか。「今の日本人のオピニオンを反映している真っ当な主張」と感じるのはあなたの自由であり、それを、わたしのように、ひとつのファシズムと判断するのもまた、自由なはずです。現実に、日本の国家はそうなっていませんか。
一、万景峰号について
事実は事実としてものをいっています。工作戦でミサイル部品を運んだことが公の場で証言されているなら、同時に、今現在、200万の在日と北に飢えて待っている家族との命の航路であることも、事実なのではないのですか。あなたも、私も、この件では、一方的な方向でとりあげています。弁解ではないのですが、私は、つねに、バランスでものをいっています。一方のみがとりざたされるとき、もう一方の声がとても気になるのです。
一、今の拉致問題に対する世論を、あなたは、正常だとお考えなら、それでいいではないですか。なぜ、ここさざ波にまで、参加して少数者の意見を恫喝するようなことをされるのですか。意見というのは、8,9割がAだと言う声があれば、それが正しいと考えるなら、そちらの意見は圧倒的優位にあるのです。むきになる必要はないのでは。
そして、私は、拉致家族のかたの感情をことさらとりあげないのは、私が冷酷でもなんでもなく、個人の悲哀をこえているところに問題があると考えるからです。国家間の問題であり、歴史の問題です。平壌宣言に基づいて今の流れはあるわけですから、それを履行するのが民主主義ではないのでしょうか。私はこの観点にたって、考えているのですが。
拉致家族の方々のことは、最初から、新聞社、テレビ局等にうったえてきました。彼等の人権を真っ先にかんがえてあげるべきだと。今までの一連の動きを、正義味方さんが、全て納得されているなら、私の疑問にもこたえてください。
救う会とのつながり、105台の街宣車とのかかわり、すべてのメディアが朝昼夜独占状態になることの異例さ、北朝鮮問題が浮上するごとに、有事法案等、戦争法案が通っていったこと。
あなたがいくら否定しようが、この間、この拉致問題は日本の軍国家の流れに、大きな大きな役割をはたしているのです。このことを、歓ぶ立場の方なら、もはや、これ以上の討論は無意味です。
また、日本および日本国民を「盲目、恥知らず、米国の犬」として、蔑んでいる。いったいあなたは「なに人か?」とおっしゃっる。
人の言葉を、このように、文脈を無視して、とりあげられれ、「なに人か?」といった言葉をなげつけられる。これで、あなたがたの排外主義・全体主義の側面が露になりました。愛国心は、私はあなたと同じくらいあるとおもいます。
わたしは、日本人であり、日本に誇りをもちたいとおもいます。他国からうらまれたり、軽蔑されたりしない国であってほしいし、仮にも、「米国の犬として」他国へ人殺しにいくような国になってほしいとは金輪際おもいません。過去に盲目となり、恥を恥ともかんがえないで、在日の方々を傷つける暴言を吐き続ける政府代表を、ゆるしたくありません。正義味方さんの正義は、こういう問題をどう処理されているのですか。お尋ねしたくおもいます。愛国者であれば、拉致帰国者の方をおもうきもちが純粋であるなら、こうした問題に、もっとも、敏感になるのではとおもいます。だから、私は、拉致帰国者家族のかたのことを、悲しみのあまり・・・と(やむをえない?)といったのです。
一、現実にもっと、真面目に・・・このことばは、返上します。これいじょう、どう、真面目にむきあえばいいのか・・・また、金政権のおどろおどろしいさまをどうして、あなたは、知る立場にあるのですか。あなたこそ、なにものなのですか。私は、何度もくりかえしているように、北朝鮮のことは、ほとんど、しらないのです。最近、ようやく、金政権のこと、日朝の歴史を学習し、包括てきにものをみることができるようになったばかりです。先日の朝日新聞の「北朝鮮核容認論」の記事、よまれましたか。どう。おもわれますか。感想をおきかせください。
また、あなたがたこそ、どうして、米国の桁違いの殺戮をいうまえに、米国におどらされている北朝鮮のことばかりいうのでしょうか。北朝鮮の政治状況は、日米韓中露とのせめぎあいのなかでのことですよ。金個人の資質とか、独裁性というまえに、米・日の政治がらみ、世界史的位置関係のなかでものをみるべきです。
一、あなたに共産党員と名指しされたくありません。あなたは、なんなのですか。公明党なのですか。自民党なのですか。また、共産党をおとしめるために、さざ波に参加しているのですか。
最後に、私は、あなたがたのいう北朝鮮を追い詰めるやりかたで、拉致問題が解決できるわけないとおもいます。共産党のいうように(無条件のでないですよ、平壌宣言なりきちんとよんでください)、まず、国交回復、日本だけが国交回復しないという異常な状況を撤回し、交流の窓をあけ、自由に行き来をする。へギョンさんもおじいちゃんおばあちゃんにあい、ひとみさんも蓮池さん池村さんも、すぐ、北に帰って、家族にあう。そして、なにより、24年前にしなければならなかったこと、自分たちの拉致問題を家族にはなすこと。考えること。このことから出発すべきです。なにもかも、曖昧なまま、こちら側だけの考えでつきすすんでいても、展望はひらけないとおもいます。日本の軍国化を手助けするだけで、最後は、北の家族どころか日本の存在もあやうくなります。正義味方さんは、現に、拉致帰国者の大切な家族が、健康で生きていらっしゃることを念頭にありますか。あなたの言う、金政権なら、これほどのふくざつな状況下で、殺されても不思議でないのではないですか。私は、あなた方の理論が今一、よくわかりません。人間なら人間として、国家なら国家として、あ・・・(文字化け)・・・。
そして、こういう誹謗中傷、個人攻撃的なものは、これで、最後にしたいとおもいます。個人攻撃でなく、その思想の背景にある包括的な問題をはなしあいたいとおもいます。拉致問題は、今や個人感情の域を越え、世界史的な領域に突き進んでいます。
参考文献;関東大震災時の朝鮮人虐殺(山田昭次)創始社、
関東大震災と戒厳令(松尾章一)吉川弘文館
検証「拉致帰国者」マスコミ報道 社会評論者
日朝関係の克服(Kang Sang-jung)集英社新書