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この激動期に勝利を勝ち取るには

2003/8/15 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

 この秋から来春にかけて、私達は間違いなしに戦後直後の革命的動乱期に匹敵する60年・70年安保を上回る様な厳しく容赦のない階級的激動期に突入すると思います。
 秋に予想される総選挙で情勢が劇的に変化しない限り(それは小泉自民党、小沢・管民主党の勝利のどちらも意味しません、劇的とはそれ以外の勢力の圧倒的勝利です)、イラクへの自衛隊派兵、その恒久法、国民保護法、教育基本法改悪の成立、そして改憲情勢が一気に加速します。
 その情勢下で、仮にイラクに派遣された自衛隊員が任務中に1人戦死し、自衛隊の反撃でイラクの若者が3・4人殺された場合、この国では皇居前や出身地を始め反アラブ熱が高まり「日の丸小旗」が配られ右翼街宣車が愛国をがなりたて、それこそかつての「南京城入場時」の日本国内を思わせるような興奮と高揚が国中を包む事になるでしょう。
 もうそれは拉致問題を契機とする「ブルーリボン排外主義」どころではない大規模な騒擾事件となり、在留するアラブ系外国人がリンチを受け、在日の朝鮮・韓国の人々も「次はお前らだ」との右翼の先導によってその対象になってしまうでしょう。
 右派勢力による物理的暴力を伴う反動は、既に広島の教職組合銃撃攻撃他によって開始されています。
 もう既に「外堀」は埋められつつあります、あの有事法制又イラク特措法審議で見られる通り、今や国会は正常な立法機関としての機能を失い、一時「第4の権力」等と息巻いていたマスメディアもほぼ総転向を完了し、連合を始めとする大半の労働組合はあの奥田ビジョンを容認する「産業報国会」に変質させられているからです。
 秋葉広島市長が8月6日の平和宣言で警告を発したようにこの国の戦前回帰的動きは確実に進行しています。
 もし、今画策されている北朝鮮核問題をテーマとする6ヵ国協議が破産するようならこの流れはさらに加速するでしょう。
 私達には夏の疲れを癒すだけの時間的猶予は与えられていないと思います。9月の自民党総裁選の結果を見てからでは遅すぎるし、
 ましてや闘いの放棄を繕うだけの11月共産党綱領の改定に全てをかけるなどは、とんでもない階級的裏切り行為となるでしょう。

 この前、ある市民グループ主催による「イラク人医師が見た戦争の傷跡」という催しがあり参加しました。医師によればイラク人にとっての「大量破壊兵器」とはトマホークやクラスター爆弾等アメリカ軍が湾岸戦争や今次イラク戦争で使用した劣化ウランを利用したハイテク兵器そのものであり、ブッシュや小泉が盛んに言い、国連で討議された有りもしないイラクの「生物化学兵器」などでは決してないのです。
 彼は広島の原爆資料館でヒロシマの被爆者、特に胎内被爆を受けた子供達の写真を見たそうですが、湾岸戦争での劣化ウラン弾による犠牲者と症状が非常に似通っていると話していました。
 又湾岸戦争以降イラクに民間支援のために再三訪問して来た日本人の支援者は、ここ数年国連の経済制裁下、サダム・フセインの経済的手腕は相当に優秀で(自信過剰で丸投げばかりしている小泉や赤字にがんじがらめのブッシュとは違い)イラク社会の民生は目を見張るように改善され安定して来たと言っていました。そこに米英は戦争を仕掛けたのです。
 これら現地の状況を十分に知っている人たちの話しは本当に貴重です、今更ながら一方的に捏造した情報を流し、「査察」を蔑ろにし碌な事前調査もせず何の裏づけもない「大義」を口実にして強引に戦争を開始し侵略戦争を行い、イラクをいま尚、蹂躙しているブッシュや小泉を決して許してはならないと思いました。
 しかし、この集いの参加者は50人にも満たない極少数でした、ピースウォーク等の参加者が少なく労組動員もなかったからです。主催者の呼びかけも不十分だったかもしれませんが、この大激動と情報化が進む社会にあって、もう労働組合や政党による動員主義は時代とマッチしていないと痛感させらたのも事実です。
 情報は呆れるぐらい溢れています、私達がこの激動期に勝利するには、どこかが保証してくれる「大義」や、どこかの大きな組織の動員力に頼り任せるのではなく、まさしく一人一人が情報を選別し必要な闘いの現場に手弁当で結集して行く、必要な闘いには何の制限も設けず仲間を誘い参加する、そのようなスタイルを確立して行く必要があると確信しています。
 そして溜まりに溜まっている労働者・市民の怒りを如何にそれと結合していくか、闘いはこの秋、これから本番を迎えます。