T・Kさんのこと、かつて韓国からの情報と言えば彼から来るものが多くよく見ていました。
朴独裁政権、パク・チョンヒは元日本関東軍の、それこそ親日派の忠実な将校でした、彼の軍事独裁政権によって韓国の人々は抑圧され自由を失い、KCIAによって散々に弾圧され、在日の韓国留学生でも徐勝さんを始め多数の若者が、北のスパイとして逮捕収監され拷問を受けました。
金大中前大統領も朴政権によって73年に「拉致」されています。
おそらくこれは現在の金正日体制が行っている事と、殆ど変わらないと思います。
しかし違うところは、この朴独裁政権と日本政府は「日韓条約」を締結し、植民地支配の償いとして名を変えて経済援助を行ないました。
その頃「韓国を経済制裁しろ」など誰も言いませんでしたし、日本企業はこれ幸いと韓国に進出し、それによって韓国の人々が「日本は韓国を第二の植民地にするのか」と思うような暴利を得たのです。
アメリカは東西冷戦の最中と言え、これも惜しみない経済援助と軍事援助を行い朴独裁政権を支えたのです。
しかし資本主義的経済進出ではあるものの、この事によって、様々な人、企業、物資の交流が進み、韓国の自由化と民主化は進行して行ったのです。
しかし今、日本は、私たちは、当時の韓国と同じ様な環境下にある北朝鮮に対し、「経済制裁しろ」「圧力をかけろ」「言う事聞かなければ戦争で金正日をやれ」等と言っています。
これが長壁さんが再三おっしゃっているダブルスタンダード的思考なのです。
私は確かにある投稿で「古米を倉庫で腐らすより北朝鮮に食糧援助したらいい、それで貧しい農家出身者が95%を占める兵隊が喜んで”この米はどこから来たのだろう”と考えるようになる」と書きました。いくら食い意地が張った金正日でも、腐りかけの古米を食べて出っ腹になったのではありませんし、古米が高く転売できるとも思いません。
この前テレビでも報じられていましたが、「NPOや国連の食料援助品の配付先管理は前より大分進んでいる」、「横流しは減っている」と言っていました、私たちは歪められた情報ばかり流され、「近くて近い国」のはずなのに一方的な情報に溺れ、事実が見えなくなってしまっているのです、今世界で北朝鮮に一番厳しい異常な態度で接しているのがこの日本という国なのです。
兎も角、形はどうであれ、人が行き交い、米や重油の物資が届き、万景望号等で在日の人たちの小さな荷物でも送られ、更にKEDO等が進めば、人の交流が進み、人々が餓死にさらされる事もなくなり、民主化は劇的とは行かないけど確実に進行します。そうすれば今よりずっと多くの情報が、北朝鮮の人々にも届きます。
その過程で、かつて韓国の人々が、学生や労働者がそうであった様に北朝鮮の人々も、今よりずっと金正日体制に疑問を持ち、闘いに決起する人々も出てきます、後は北朝鮮の人々がどうするかにかかってきます。
自分の国の事は、占領されたイラクの人々が闘っている様にその国の人に任せればいいのです、それは彼等の「事業」です。
今のように何でも閉じ込め、行うべき事も放置し、追い込んでしまったら「出てくる芽」も枯れて腐ってしまいます。
皆さんの内には「ええっ」とお思いの方もあるかも知れませんが、中国に於ける「人権」は北朝鮮とほぼ同じ様なレベルです。
アメリカが中国に何か言いたい時必ず「中国の人権」を取り上げるし、香港の民主派の人々もやはり「人権を守れ」と主張します。
しかし、それが余り表面化しないのは、中国が「世界の工場と」言われるように、経済的に解放したからなのです。人の交流が増え物資か流入し、当局が認めなくても情報が入れば、世の中変わって行きます。
誰か中国に真の民主主義があり、完全に人権が守られているとお思いですか?
確かに近年、複数政党制を認め、企業家の共産党加入も認めるようになって来ました、しかし基本的には中国共産党の一党独裁支配の国です。
正直言います、今北朝鮮が一番安定してほしいと願っているのは日本の企業、資本家です、なぜなら北朝鮮には2300万人もの、大人しくて忍耐強く、どんなことでもこなしてしまう優秀な人々がいます、中国でも徐徐ながら賃金は上がってきます、これまでのような低賃金では相当の奥地で工場を作らねば採算は取れなくなります、これはもう目に見えています。
つぎはそれこそ「近くて近い国」北朝鮮が「資本の論理」からすれば気になってしょうがない存在です。
T・Kさんの悩みは余りにも当たり前です。
しかし同じ民族を同胞を殺す戦争など、また経済制裁など、かつての独裁下の韓国民の苦しみを知っている彼が、許すはずはありません。
私は彼の悩みを解決するとすれば、やはり日本が国交を開いて経済的交流を深め、情報の交換を高めて行く事だと思っています。
そしたらそれこそ朝鮮評論家の皆さんの大半が頭がいい、回転か速いと評価する金正日は、どこか白頭山でも引きこもってしまうのではないでしょうか?
最後に私も「ちょこ&ちいた」さんの意見に大賛成です、ありがとう、頑張りましょうね。