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一般投稿欄

日本軍国国家における拉致帰国者の役割

2003/9/27 長壁 満子、40代、金融

 9月25日、伝言板「阿修羅から蓮池徹氏情報」、みなさま、ご覧になりましたか。
 私はこの方がどうして、自分の姪甥がいる北朝鮮を異常に敵視し、金政権を倒すことより、北朝鮮そのものを崩壊に導こうとするかのような言動がめだつことに、どう考えても、納得ができませんでした。
 そして、拉致という被害感情のみがここまで日本列島を覆い尽くし、そのことが日本を軍事国家に仕立て上げるといった明確な構図が、どうして、多くのかたがたには、わからないのかと、とても不思議でした。
 救う会や拉致議連には、相当な金がながれているであろうことくらいは、想像していましたが、なによりも、当事者である方々、辛酸を嘗め尽くしたであろう方々が、可愛い我が子が暮らす北朝鮮にたいして、揃って、バッシングに甘んじるのかと、これまた、わけがわかりませんでした。
 日朝の歴史についてもそうです。北は、当然、生身の人間を拉致し、北で生き抜いてもらうためには、自分たちがしたことの一片でも理解してもらわねばなりません。そのためには、日朝の歴史を、北側の視点を、伝え、同情をかうことも必要だったはずです。
 そうした、諸々の思惑、24年間の人間の営み、拉致されたという憎しみと同時に、揺れ動く人間感情があって、当然なのに、日本に足を踏み入れたとたん、北朝鮮バッシングの檻の中で飼い殺しのような日々に甘んじると言う異常。
 胸中はどうなのかと、私はバッシング列島日本の中で、一人、身もだえ、焦り、彼等に思いを寄せてきました。彼等の当初の人間性は、日々、薄れ、不安とともにあった希望は次第に苦悩の表情と能面のようなものにかわっていきました。
 ただ、私は、こうしたことも、長くは続かないとおもっていました。戦争派はあくまで、固執するでしょうが、徹さんは、家族は、いくらなんでも、このまやかしに気づくはずだとおもっていました。北の家族をとりもどすには、北との交流しかないことは、こどもでもわかる理屈です。ものをとりもどすのではないのです。24年間も、普通の生活、北で生まれた子どもとの生活があったのです。このことを素直にかんがえれば、日本の世論がいかになにかを意図しているかぐらい、いくら、偏見だらけの人でも、わかりそうなものです。私は、そうした、ゆでがえるのような人の中にある、一片の良識を信じていました。
 ですが、日本が着々と武装し、アフガン、イラクで戦争をし、これまた、イラクでの無法占領に軍隊を派遣する。ここまできても、拉致帰国者、北朝鮮バッシング派は、目覚める気配もない。わたしは、つくづく、資質というものの限界をかんじています。それなりに、理論もくみたてられる能力がありながら、表現できる思考もありながら、なぜか、この軍国国家の流れの本質をみきわめられない。マインドコントロールされた日本国家の構図から、一歩も出ようとしない。目の前に、具体をつきつけられても、盲目となる。なんなのでしょうか。
 18歳になった男女に自衛隊から葉書がきていることくらい、こどもをおもちのかたはご存知ですよね。そして、いまなお、いえ、ますます、戦況激しくなるアフガン、イラクで、世界での戦争に、ブッシュのいいなりになることを日本は決定したのです。少子化の日本で、志願制では追いつかず、強制・徴兵となるのは、時間の問題ではありませんか。私の身内も、いくらいっても理解できません。このひとは、そうとう、レベルが低いので期待はしませんが。
 激しい訓練、人殺しのシュミレーション、戦場を想定した生々しい過酷な訓練が、毎年60人以上もの自殺者をだしていることぐらい、まともに考えれば、理解できます。自衛隊にはいったときの状況といまの状況が一変し、その乖離に悩むまともな多くの自衛隊員がいるであろうこともまた、自然です。かつて、自衛隊のなかから、異議申し立てがあがりました。大樹の陰さんの戦闘行動、頭がさがります。その自衛隊のかたは、きっと、あなたとの出会いをわすれないことでしょう。もしかしたら、戦場で思い出すかもわかりません。そこで、人間性をとりもどすかもわかりません。私達は、一見、マインドコントロール下におかれたようなゆでがえるにも、諦めず、語りかけていかねばならないのでしょう。
 それにしても、まだまだ、多くの方々が、ゆでがえるのまま、戦場に突っ込もうとしているようですが、この脳天気な根源には、「テロも戦争も」「北朝鮮バッシング」の理論が生きているからであることはいうまでもありません。このさざ波での討論者のなかに、いまだこの路線の危うさが理解できないかたがおりますが、自分の理論が、なにを支え、日本国家のどの部分にくみこまれているかということぐらい、なぜ、わかろうとしないのでしょうか。
 理論破綻の裸の王様を延々と演じているひとがいますが、こっけいです。哀れをかんじます。読む人がよめば、いずれがまともなのか、明瞭ですので、あえて、反論はしませんが。
 それにしても、原発というのは、日本の資本主義国家の命運を左右する、巨悪の巣窟ともいえる公共事業でした。一基の原発に群がる金、金、金。かつての恩師は、「日本を動かしている巨悪は原発であろう」といいました。
 米国がやっているように、軍需産業と核の処理場の一石二鳥を狙う巨悪公共事業=戦争が、日本でも、おおっぴらにその歯車をまわしはじめたということです。国内でや殺られている人命淘汰に飽き足らず、国外での積極殺戮と言う公共事業をひきうけたのです。このまま、国内の不平不満を増殖するより、戦争という方向に目をむけさせ、他国を収奪し、他国人の「テロリスト」を殺すと言う構図のほうが、権力者にとっては都合がいいのです。  「戦争で殺されるより、戦争に抗って殺されるほうを選ぶ」誰かの、こんな意味の言葉を思い出しました。
 今、日本は正真証明の戦争国家です。アフガンでの給油と称して、イラクへの給油をつづけていましたし、明らかに戦争中です。ここでの脳天気なかたに質問します。
 米国は戦争中ですか。
 米国の戦争に賛成し、後方支援をしている日本は戦争中で はないのですか。
 24年前の拉致が犯罪で、5,60年前の強制連行が、次元が違うと都合よく考えるその根拠をおしえてください。
 従軍慰安婦の方は、まだ、いきております。本人はもとより、そのかたの身内、家族なども。
 不審船の件もそうです。大樹の陰氏の見事な、論理にたいして、なおも、言いがかりともいえる陳腐な反論をくみたてるかたがおります。あまり、これ以上、恥はさらさない方がよろしいかとおもいますよ。
 アジアの中の日本、決して、いままでの行いは、アジアの民にたいして、誇れるようなものではありませんでした。
 ここは、潔く、真摯に歴史をふりかえり、人間的なまとも な視点をまず、日本人がもつことでしょう。北朝鮮云々を言うよりも前に、日本が人間としてやらねばならないことが、あります。優先順位くらい最低原理解しましょう。

   さて、「噂の真相」は休刊においこまれました。著名人のスキャンダル、巨悪を暴く急先鋒の月刊誌でした。かつては、桶川殺人事件、警察の腐敗を暴いたフォーカス、も廃刊になりました。創価学会の反共本、ビラ攻撃を告発ルポした「週刊宝石」も廃刊においやられました。
 そして、いまや、こうした悪事に歯止めをかける司法、弁護士界にも、圧力がかかりはじめました。
 何もかも、その名前、皮だけを残し、中身は得たいの知れないものにかわろうとしています。いえ、すでに、それは、変貌をとげているかもしれませんが。