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12日のフジテレビ拉致問題ドラマに関して

2003/9/18 ウナギ犬、30代

 私はこのドラマを見ていなかったので、17日付の赤旗を読むまで、この問題を知 りませんでした。
 どんな問題かというと、元共産党の国会議員秘書で除名処分になった、兵本達吉氏 なる人物が、このドラマにおいては拉致問題をとりあげようとして共産党を除名処分 になった、という設定になっていることです。

 私は赤旗の反論文を読んでみて、明らかにこの設定は歪曲されていて、謀略的なも のだ、と感じました。
 それは決して私が共産党びいきだからではありません。
 少なくともこのドラマでは、明らかに「ノンフィクションドラマ」というジャンル の、基本的ルールを破っています。
 それは「事実認定されていない片側の主張を事実として描いている」ということで す。

 極論を言うなら、「除名は拉致問題を追及しようとしたから」という兵本氏の主張 と、「除名は就職あっせんを謀っていたから」という共産党の主張は、どちらが真実 かは分かりません。
 しかし「ノンフィクション」と銘打っておきながら、片側の主張を事実として描く のは、けして許されないことです。
 そして事実関係を見てみると、明らかに兵本氏の立場は後ろ暗いと言わざるを得ま せん。
 状況証拠からいって、兵本氏の主張が正しいとは私には思えません。

 兵本氏自身も認めている事実関係、それは「兵本氏が赤坂の料亭で公安警察と会食 をしていた」という事実です。
 共産党の除名通知では、この会食を職業あっせんの面接だったとして、処分に及ん でいるのです。
 「除名になったのは拉致問題を追及しようとしたから」という氏の『主張』を事実 として描き、「赤坂の料亭で公安警察と会っていた」という『事実』は放映しない、 というのは…(嘆息)

 私がこの記事を読んで、はたと気付いたのが公安の盗聴事件です。
 たいして詳しくもなく、記憶もおぼろげだったのでネットを検索してみたら、すぐ 見つかりました。
 そこのHPによると、神奈川県警の公安警察官が、共産党幹部宅を盗聴していたの が発覚したのは1986年のとのこと。
 そして1997年に最高裁判決が下り、警察官3人が職務で盗聴していた事実を認 定し、国と県の賠償を求めている、とあります。  (時間軸で参考に言うなら、兵本氏が除名処分を受けたのは1998年)
 複数のHPからも、1986年の共産党幹部宅盗聴事件についての情報を得られる 事が出来ました。

 赤旗記事では「公安警察は秘密政治警察の核心うんぬん」としか書いてありません が、こうした盗聴という事実を見てみても、やはり公安警察に対するダークなイメー ジは(少なくとも私にとって)根強いものがあります。

 兵本氏の除名処分において、少なくとも彼が赤坂の料亭で公安警察と会っていたの は、彼自身が認めている事実です。
 それなのに、その極めてきな臭い事実が放映されずに、彼の主張が事実として放映 されるのですから、本当に暴力的と言わなければなりません。

 今回の事では久しぶりに頭にカッとくるものがありました。
 母親が市議選に立候補したとき、謀略ビラがまかれたこと以来の怒りでしょうか。
 あまり感情的になると足元をすくわれかねませんが、これはあまりに悪質だと思い ました。