新潟を出向した「万景峰号92」について扇千景国土交通相は、5日の閣議後会見で「北朝鮮が万景峰号を在日朝鮮人らの人道的な往来に使うというなら、拉致された人の家族を最初に乗せてくれるのが常識」と述べ、北朝鮮の姿勢を批判。
この人のこれまでの発言には、度々笑わせてもらったが、ことここにきて、この発言。しかも、そこら辺のオバちゃんの井戸端会議ではないのである。
一、まず、万景峰号は、今や「犯罪船」としてブラックリストに載せられ、拉致帰国者サイドから、徹底的に糾弾されている船である。今まで行き来してきた定期便が、突如、犯罪船にしたてられ、9時間に及ぶ厳重な検査を強いられている。こうかくと、また反論がかえってきそうだが、ならばあえて問うが、今までどうして野放し?にしてきたのか。24年前後に、どうして、疑惑の船として国は対応してこなかったのか。その怠慢も徹底検証するべきでしょう。
一、そして、何よりも、北にいる家族は、何も、日本にいきたいと言っていないのである。へギョンさんだって、「おばあちゃんに会いに来てほしい」と涙でうったえたのである。この涙も、こころからの叫びも、拉致帰国者サイドは、冷酷に無視し、北にいわされているだの、演出だのと言いがかりをつけて抹殺した。それこそ、血のにじむ叫びではなかったろうか。これをさざ波のみなさんは、よもや、お忘れではなかろう。マスコミを頭から信じる皆さんは、あれほど、大々的に報じられた事実を、どう、解釈していらしゃるのだろうか。
日本にいる拉致帰国者だって、日本の地に足をふみいれるとき、10日の約束、里帰り?ということで、家族とわかれたのではないだろうか。それを、10日といってないだの、と川口外相でしたか、うそをごまかしたりしたが、本人から聞いたと、ひとみさん、夫から告白され、だんまりを決め込む。
ともかく、平壌宣言で日朝の歴史的な関わりも含めて、交渉されて、まず、「交流の窓を開けましょう」と、小泉氏はサインしたのです。その国家としての約束をホゴにして、「犯罪船なら犯罪船らしく、こっちのいうことすべてきけ」とは・・・・国会議員なら国会議員として、ウソでもいいから、建前は建前として、筋をとおすものです。
どうもこの人は、独特な感情論と近視眼的な発言がたびたび、顔をだします。お年のせいかもしれません。環境因子かもしれません。こんな人でも、国民の税金でのうのうとたべていけるのですから、たいした身分です。
あまりに、こちらサイドからのみの一方的な暴言・暴行が日本列島をおおいつくしていますので、私も、対抗的にならざるを得ないのです(当然、言葉はきつくなります)。そんなわたしに注意をしてくださる反長壁派の方々、ありがたくおききしますが、一方、わたしに賛同してくださるかたには、「そんな枝葉は問題でない」とエールをおくってくださるかたも、多々?いてくださるのです。わたしは、どちらの言葉も、ありがたく、おききします。
さて、視点を変えて(皆さんが苦手とする)、北からみてみましょう。まず、10日の約束もまもれない日本に、行きたがってもいない北の家族を強制的にいかせたくはないとおもいます。前向きに、今後、国交回復をして、拉致問題をはじめとして、徐徐に解決していこうとした矢先に、鼻先で、ドアをピシャリとしめられたのですから、たまったもんではありません。北は、拉致など、告白しなけりゃよかったとおもっているかもしれません。
ここで、日本のみなさんは、平壌宣言を境に言及するであろう「拉致」に、どう対処しようと、されていたのでしょうか。もっと、別な展開を期待してのことで、まったく、シナリオがくるったのでしょうか。ならば、そのシナリオを、教えてくださいませんか。また、北に対しても、そうした要求をかかげるべきです。国から、救う会から日本国民のみなさんすべてにいえることですが、いったい、あなたがたのやりかたは、北を追い詰め、報復感情をよりどころにして威嚇と経済制裁でぼろぼろにすることで、金正日を倒すーーという戦略しかみえてきません。
そして、それは、とりもなおさず、北の家族の首をじわじわと絞める行為であるということになるとおもうのです。こうなったら、自国民が飢えに苦しむより、敵視する国の人質?の分を減らした方がいいと思うのが、人情ではないでしょうか。金正日は、国民の飢えなど何とも思っていないといいますが、大樹の陰氏のいうように、北の国民(兵士)を大事にしているのです。国を守ってくれる兵士を最優先するのもまた、今の北の実情なのです。繰り返しますが、北の家族は、今、北にとって、本音は、負担なのではないでしょうか。
次に、私の素朴な疑問です。日々のマスコミ報道からうかびあがってきたものです。
「拉致」という犯罪がなされたであろうことは、事実であったことがわかりました。北朝鮮のかかわりであることも、わかりました。ですが、何の目的なのか、その目的はとげられたのか、他の拉致者も、どういう目的で、どういう具合に北朝鮮に利用されたのか。そうしたことが、わからなければ、真相の究明はなされないことになりますし、拡がりも深まりもなく、国交を閉じた窓から、双方が不信を増幅させるだけになりませんか。
また、視点の低さということは、事実に即してものを見ることからしかうまれないとおもいます。一方の壇上から、一歩も降りずして、足下をいくらみても、それは、視点が低いということになりません。
私が仮に、金正日であったとして考えた場合ですが、金の独裁といってみても、2300万人の国民一人一人の動向をすべて、把握できはしないでしょう。一人の人間のやることは、限界がありますし、日本人も絡んだ拉致問題でしょう。いくら、独裁体制でも、いくら金政権が有能でも、それは無理です。だから、困難な中、脱北者もでるのですし、金体制批判の落書きもトイレのあちこちにかかれているわけですし、北朝鮮の隅々まで、マインドコントロールされているわけではないでしょう。テレビに映る洗脳美女軍団は、一種のパフォーマンスであり、政策であると私はおもってみています。つまり、戦意高揚のための演出です。日本を覆うファシズムとたいしてかわらないとおもいます。違いは、日米中心にいつ、攻められるかとぴりぴりしている北朝鮮と、米国の意のままに戦争に突き進むだけの、ゆでがえる国民のちがいだけです。
金正日が果たして、どこまで、この拉致にかかわっていたかも、疑問です。金の部下であても、一部はねっかえりもいるでしょう。軍出身でない金正日は、軍部にせっせと、媚をうる必要があります。自分と近い北朝鮮の組織がやったらしいということで、追い詰められた金正日が、経済支援などの狙いもあって、自国の政策上、「拉致を認めた」かもわかりません。日本のテレビにでてくる元工作員とかの話をきくと、彼等がいかに、自立していたかおわかりですよね。ぞろぞろいるではないですか。金のためであってもです。
ですから、本当の行方不明者のことは、もしかすると、わかっていない可能性もあります。「何十人かの生き死にを即、把握し、帰せ」ということが、いかに乱暴なやりかたであるかわかりませんか。あるいは、みなさんがおっしゃるように、強圧政治のもと、弾圧で殺されたり、気候風土、食料事情など、もろもろの死があるかもしれません。病死、洪水などを含む事故死、もろもろあるでしょう。日本でさえ、毎年、三万人以上の自殺、過労死、病院・警察、国家権力の殺戮(短絡的に判断しないでいただきたいが)など、隠蔽された死も含めるとどれほどの残酷な殺戮がなされていることでしょうか。今後、小泉が派遣する自衛隊諸君の死は、明らかに、国の死刑執行ですよ。
民主主義国家である、日本の首相が、果たして、これら、日本列島の各地で執行されている殺害及び死を、どこまで、把握しているでしょうか。刑務所ないで皮手錠、消防用高圧放水で虐殺された人の死でさえ、森真弓どのはご存知なかったのですから。
これほど、監視カメラやらコンピューターやらで治安管理する日本が、自分の所属ないの権力犯罪さえ、おぼつかないのです。一方、警察の検挙率は、3割以下だとか。人の国のことをいうまえに、自国内のいい加減さを検証しましょう。他国の人にたいする、犯罪的行為を反省しましょう。すべて、こららは、通じているのであるということを、認識しましょう。そうそう、みなさんは、住基ネットが兵籍簿であることは、ごぞんじですよね。
情報がもれるだの、プライバシー云々だの、こうした、おためごかしで、妥協しているメディアですが、チャンチャラおかしいとはこのことです。漏洩もなにも、一番怖いのは、わたしたちのプライバシーが(思想、病歴、健康体か否か、身長、体重、年齢、税金関係、貯蓄・財産・・・)、国につつぬけ、真っ先に、管理され、戦争動員簿となるということなのです。
共産党も田中さんも、この辺の認識はまるで、うといとおもいます。
話がどんどん拡大してしまいましたが、とにかく、金正日に一挙に一方的な解決をせまっても、物理的にも無理であるということなのです。理理不尽な死なら言いにくいでしょうし、攻められたら、逃げたくなるでしょうし、なにしろ、拉致を告白したばかりに、帰国させたばかりに、国交断絶においやられているのですから。日本がどうでてくるか、疑心暗鬼の塊になっているのではないでしょうか。だから、日本を相手にしても拉致があかないと、北はおもいはじめているのです。
どうであれ、相手の真意をひきだし、相手にまともな拉致究明の施策を呼び起こさせるには、日朝交流して、民間交流もしながら、国としては、相手のこともききながら、気長に、真実を追究していくことしかありません。北だって、構えなくてもいいと思えば、核発言だのはしないのです。日米露中韓もすべて、不可侵条約を結ぶこと。とくに、アメリカは、その大量破壊兵器と核製造を即刻、中止。日本も、ハイテク兵器部品の製造をたの平和産業に転換することです。
何食わぬ顔で、人類の殺戮に加担しながら、「テロリスト」の断末魔の叫びさえも、きこうとしない冷酷無比な日本人になることだけはよしましょう。
最後に、根源・真実を避けて、烏合の衆の集まりで、この世界戦争が闘えるものではありませんよ。今日までなされた反戦運動が、現実の戦争法案に何の効力もなかったことが、それをしめしています。まだまだ、戦争の本質をわからない人がほとんどのようです。9・11から2年もたつというのにです。よほどの、国策プロパガンダが功をなしているということでしょう。