■北朝鮮問題から見えてきた「日本共産党」
1959年12月16日、新潟港から在日朝鮮人(ほとんど韓国出身者)が故郷でもない祖国 「北朝鮮」に向けて旅立った。これを帰国運動(北送事業)と呼ぶ。
「地上の楽園」「祖国社会主義の建設」「学校は全てタダ」「医療も全てタダ」 「能力のあるものは誰でもその能力を認められ、金日成大学に入れ、モスクワ大学に も行ける」などと、甘い言葉に誘われて、全ての財産を投げ打って祖国に帰っていっ た10万人に及ぶ在日朝鮮人と日本人妻(夫)たち。なぜ彼らは熱に浮かされたように北 朝鮮に帰ったのか。
かれらは、戦前強制連行された人々や、植民地朝鮮で食い詰めて日本に出稼ぎ・密 航してきた人、戦後は朝鮮戦争の惨禍を逃れるためにやってきた人と、そのほとんど が日帝時代の関わりを引きずって日本で生き抜いてきた人たちである。
しかし、彼らにとって日本社会のあまりにも厳しい差別によって将来を夢見ること が出来なかった。芸能界、スポーツ界、パチンコ業界、闇社会・暴力団、焼肉業界な どの商業と限られた世界にしか生きる糧がなかった。それは今も続いてはいるが・・・ 。
戦前・戦後の日本共産党には少なからず在日韓国人が参加していた。その中には非 常に立派な活動家もおり、「在日の星」といわれた金天海(キムチョネ)などは幹部 会委員を務めた人でもある。
しかし現在、10万人の家族の何分の1かは60年代の早い時期に金日成と金正日によ て粛清されてしまった。金天海などは真っ先に粛清されている。
粛清の嵐は、まず、
南労党員(南朝鮮労働党)から始まり、
第1次 ソ連派党員
第1次 中国派党員
金日成がともに戦った労働党員たち
在日の元日本共産党員たち
第2次 ソ連派党員
第2次 中国派党員
労働党(自らの党)の全ての反対勢力
そして、全ての北朝鮮人民への攻撃
へと拡大し、金日成と金正日に反対する全ての勢力を抹殺してしまった。その後に社 会主義を名乗る金王朝が出現。1967年頃のことである。世襲制も必然であった。
もはやどこから見ても社会主義ではないこの政権を長い間日本共産党は見抜けなっ かった。今も見抜けていないのかもしれない。
金王朝独裁政権は、その権力を傍若無人に人民にふるい、国土は荒廃し尽くしてし まった。産業という産業は崩壊し、残ったのは麻薬製造、米ドルニセ札製造、輸出用 ミサイル製造、核爆弾製造と20万人いるといわれる政治犯収容所と300万人といわれ る餓死者の屍である。
この国の政権はもはや正常な権力ではない。ナチスか暴力団・マフィヤ・山賊・海 賊が政権に座っているのである。この国と「国交正常化をする」「交渉ルートを開く」 ということは、どういうことなのか理解でいているのだろうか、日本共産党は?
北に帰った帰国者は、当時の日本共産党の影響も少なからず受けている(全てでは ないが)。今のような態度を取っていれば、もし北が崩壊や南北統一ができて帰国者 が日本に帰って来れば、日本共産党への猛烈な批判が巻き起こりかねない。
今のような態度を取っていれば、という事であって、正しい対処をすればこの問題 は解決すると思う。今からでも虐げられている人民の側に立って発言すべきだ。
日本に帰りたい日本人妻(夫)を即座に返せ。
日本に帰りたい在日帰国者をすぐ帰せ。
拉致被害者とその家族をすぐ返せ
政治犯強制収用所を解体せよ
なぜ、これくらいの当たり前のことを日本共産党は言えないのか? これは決して 内政干渉ではありません。ナチスを批判することと同じ問題です。
(次回は北朝鮮内部の問題に入っていきます)