この投稿が載る頃には、もう既に自民党総裁が決まっているのでしょうか。
小泉現総裁の再選の可能性が大のようですが、「どの候補がどんな政策論を示して
いるか」ではなく、「誰が勝つか」ということばかり流しているマスコミの姿は、私
は歪んでいると思います。
先日のテレビ討論では、得票数の予想グラフまで示していましたが、これは許され
る一線を越えていると思うのですが…
小泉首相の支持率の高さの理由のひとつに、彼の民営化論があると思います。
「ばらまき政治」と批判される今までの自民党政治と、彼の民営化論は一見、対立
しているように見えるからではないでしょうか。
しかし私は、彼の民営化論には、国民の負担を増大させる危険性を感じてやみませ
ん。
あらかじめ言っておくと、私は、民営化そのものには反対していません。
しかし民営化は、やり方次第では増税のような負担増をもたらすものになる、大き
な危険性をはらんでいると思います。
その危険性を知らせないという姿勢に、私はとても胡散臭いものを感じるのです。
民営化のはらむ危険性とは、「税金を取っている以上は果たさなければならない責
任を、放棄する危険性」のことです。
社会が健全に活動するための、「ここに税金を注がなくては」というポイントがあ
るはずです。
私は、小泉首相の民営化論は、そこに削減のメスを入れる危険性が高いと思ってい
ます。
なぜなら小泉首相には、税金のムダ使いを生み出す「しがらみ」を断ち切ろう、と
いう姿勢が決定的に欠けているからです。
彼の、企業献金や天下りへの態度には、とてもしがらみを断ち切ろういう姿勢を感
じることができません。
また、隠れたしがらみを暴露する役割を果たす、情報公開にも熱心であるとは思え
ません。
わかりやすいように、例を考えます。
例えば補助金が大きい公立学校が「官」で、補助金が少ない私立学校が「民」です。
「官から民へ」という言葉を良いイメージで考えている人は、公立学校を減らし、
私立学校を増やすことをどう思うでしょうか。
民営化が良いものとは限らない、ということが具体的に感じられるのではないでしょ
うか。
公立学校そのものがムダ使いじゃなくて、そこでどうお金が使われているのかが問
題だと、理解できるのではないでしょうか。
また例を考えますが、公立学校が塾からリベートをもらって、テスト問題をその塾
に発注する、という問題があったとします。
その発注代金をお上に申請して、ということになればムダに税金が使われることに
なります。
しかしそれは、「公立学校の存在が悪い」ということではなくて、「学校の中でど
う税金が使われているか」が問題なのではないでしょうか。
民営化とは、あくまでも財政支出削減の一方法にすぎません。
その中身を吟味しないで民営化を押し進めれば、きっと国民に多大な負担が負わさ
れることになる、と私は危惧しています。