長い長いご返信(反論)ありがとうございます。最初に一点ご忠告申し上げます。言葉使いは慎重になさることをお奨めします。あなたからポンポン出てくる「フレ-ズ」は、書いている本人は、小気味良いかも知れませんが誤解を生みます。「ファシズム」「米国の犬」「恫喝」「排外主義・全体主義」……正確・適切とは思いません。もっと適切な言葉を、正確かつ丁寧に使われてはどうでしょう!今後、あたなが余計な誤解を受け、損をすると思います。今回私も完璧に誤解しました。
次に私の投稿は「誹謗中傷、個人攻撃的」なものとは考えておりません。ネット上で、いろいろな意見を交流する有意義な試みと思っています。多少の勇み足があったとしてもいろいろな意見交流が「さざ波」の真骨頂でしょう。あまり切って捨てるような言い方は慎まれた方がよろしい。
さて「拉致事件」ですが、私のとらえ方とあなたのとらえ方は次元が異なっています。あなたは、この事件を「米・日の政治がらみ、世界史的位置関係の中で」とらえようとしている。一方、私はこの問題を「日本の現実問題」から出発して考えています。認識の違いというよりも、目線の違いを強く感じます。
「拉致事件」を要約すると…….
〇無辜の人が国家暴力(犯罪)によって連れ去られた。
〇二十数年の時を経過して、時の総理大臣が訪朝するまで「公」にならなかった。
〇その間、すがる藁もない被害者の「絶望感」はいかばかりか?
「拉致事件」はその事件の重大さはさることながら、「日本人の基本問題」ともいうべきものを投げつけた。つまり、国家とは、政党とは、その有り様が根本から問われたものと考える。国民の基本的人権擁護に「国家」は対応してこなかった。政党として、この問題を真正面から、本気で取り上げたところはなかった。「公」になった後、やっと動きが出、多くの国民がマスコミを通じて知ることになった。一種のタブ-状態の継続。
日本人にとって国家とは何かを改めて考えさせられる又とない機会となった。今の政府の基本的人権への対応レベルから見ると、この問題のすっきりした納得のいくプロセスが見えるまで、相当な時間を要する。国民サイドで、しっかりと世論を作っていかないと、国によって「人権問題の基本」が葬り去られる危険性が大きい。本来、国が必死になってやるべきことを被害者代表の横田さん達が肩代わりしている。アメリカや韓国に出向いて世界の世論に訴えている。改めて国家とは何かが問われる。
政党はどうか? 国民が窮地に陥った時、救いの手を差し伸べられない、又相談相手にもなれない政党は、そもそも存在価値がない。政党はいったい、誰のために、何のために存在するのか? 政党・政治家にたらい回しにされた拉致被害者の悲劇の一つはここにある。何故そうなったのか? 理由の一つは、北朝鮮・総連から「献金対象」の外側にいたのが「小泉首相」と言われる。だから平壌宣言まで行ったとも。金丸信の「無刻印の金延棒」は、金日成の贈り物であったことが報じられている。国際的金権腐敗構造は「国の進路の歪曲」をもたらす。国を売りそうになった「宗男事件」も記憶に新しい。この構造には共産党は関与している訳はないが、では、何故、拉致取材に熱心だった記者を排除してまで、この問題に封印をしてしまったのか疑問が消えない。その延長線にあるのが、悪名高き「疑惑の段階」発言だ。共産党は理由と経過を納得いくよう説明すべきである。
政党は、国民の基本的人権擁護に対しては、ニュ-トラルでなければならない。基本的人権は利権の犠牲なってはならない。政党の存在価値と役割は何か? 「拉致事件」はそれを根底から問い直した事件と言える。
さて、日朝関係は今後どうあるべきか?北朝鮮は明確に国家レベルの犯罪を犯したことは紛れもない事。その不法・非道行為を糾弾するのは、受けた側として当たり前のことである。問題解決の順序として、罪を犯した側が心底から謝罪し、再発防止について誠意をもって対応する、そのプロセスが見えることが出発点である。先送りは、国民間の不信を助長するだけで、百害あって一利なし。つまり起きた以上、棚上げできないのである。又、何かと相殺することも、取引することもできない。現実に起きた問題は現実に則して解決するしかない。この問題がスッキリ解決しないと、国民レベルの友好意識は絶対生じない。長い目で見て真の日朝関係のためにも、今は踏ん張り時である。安易な妥協は禁物。筋論が大事。
もうひとつの問題が脱北者の問題。以前の「在日」の方も多い。海外の日本の学校等の施設に亡命を求めることが多発している。一旦、脱北してしまうと国際問題化する。いわゆる難民である。脱北者は経済難民(食えない)と、政治難民(戻れば処刑される)の2つの側面を持っている。今の「金体制」が続く限り、増えることはあっても減ることはない。事態が悪化すると、劇的に増えることが考えられる。これに我々はどう向き合えばよいのか? 日本には、数多くの救援センタ-が活動している。韓国側とも連携し進めている。NGOなので、できる範囲は小さいが、まさに、困った人を助ける草の根人道支援活動で、個人個人のできる範囲は、微々たるものだが、極めて意味のある活動で、後世ではこれは必ず評価されるだろう。私自身、条件の許す限り参画していきたいと考えている。根本解決は、大量の脱北者(難民)を送り出す側を止めること、すなわち「金王朝」が倒れることが、この不幸に終止符を打つものと確信する。
最後に「あなたは何ものかの質問」に応えます。私は基本的には共産党支持者です。しかし、今は分水嶺に立っている(是々非々の立場)。その理由は、アイデンティティを失った日本の政治に対して、原則的な筋論、科学性、先駆性、革新性、愛国心等に共産党は輝いていたが、冷戦終了後、特に外交では行く先を見失った、いや転落したためである。「批判」を展開するのは、一日も早く、正常軌道に乗ってもらいたいと思っているためである。民主集中制の同党のこと、ちょっとやそっとでは聞く耳を持たないのは百も承知。繰り返し繰り返し、主張を積み重ねていきたいと思っている。その視点で「さざ波」にも参加している。