赤旗「潮流」は29日付で、次の総選挙小選挙区で共産党は民主に協力すべきだとい
う政治学者の朝日紙上での意見にたいし、「日本共産党に意見するより、細川政権の
二の舞を繰り返さない保証があるのか、民主党にただすのが先ではないか。」と反論
しています。
これはおかしい。民主連合政府ないし議会を構想し、イラク派兵を阻止したいのな
ら、「二の舞を繰り返さない保証」は、いま、共産党もその責任の一端を担うべきな
のです。まったく他人事です。
皆さんも、まだ迷っているのではないですか。自公の議席を崩さなければ、イラク
派兵阻止はおぼつかないのですよ。いま政権交代=民主連合政府を実現する大義があ
るのです。
有事法に賛成した民主とは組めないでしょうか?確かに法体系はますます戦争国家
に進んでいますが、いまは現実に、イラク派兵が溯上に上っているのです。まずはこ
の阻止を優先すべきです。有事法は、アメリカが次の標的を狙わなければ、発動され
ない。
前に書いたように、日米の先制攻撃を抑制するには、国際刑事裁判所設立条約を批
准することでしょう。イラク戦争に反対している日本人なら、拒むことはないと思う
のですが。同条約で管(首相)を牽制できるのです。
管だって、アメリカ言いなりに否定的な論調のはずです。同条約が呑めないはずは
ありません。加えて安保事前協議の実施も。北朝鮮問題を意識して安保維持すべしの
国民も、これらなら反対しないのではないか。
イラク戦争に反対する国民が過半数だとしても、いかんせん、安保・外交政策は国
民の優先事項ではありません。共産・社民への支持が増えても、自公を倒すことにつ
ながらなければ、事態は何も動かない。
共産・社民への支持を、民主・共産・社民の合計議席に反映させなければ、反戦政
策は実現しないのが現状です。
ところで、この選挙協力の是非の問題には、最近のテロをめぐるさざ波での論争と
共通の本末転倒構造があると思います。
つまり、「観念」(理念)的言説を「実践」(理念の実現)的言説に優先させるこ
とがもたらす理念の現実的否定です。この否定は世界・社会の現実的構造を考慮に入
れないことに原因があります。
N.K.さんは「観念」の世界で「無差別テロを非難すべきである」と理念を主張する
ことで、対テロ戦争を助長するという「意図しない」「実践」をもたらします。
選挙協力の問題でいえば、共産党の躍進という理念のみを「観念的」に追求すれば、
民主・共産・社民の共倒れという意図しない「実践」をもたらします。
N.K.さんは「無差別テロを非難すべきでない」というさつきさんの主張を犯罪的だ
と「観念的」に評価しましたが、「無差別テロを非難すべきである」との主張がもた
らす「実践」のほうが犯罪的です。
選挙協力の問題でも同様のことがいえます。
さらにいえば、わたしは以上の意味で、天皇制問題で「実践的」意義を主張されて いたはずのdemocratさんが、なぜ「あえて」「無差別テロを非難すべきである」論を 展開されたのか疑問でした。