お待たせしました、今回は私とがんばれない共産党員さんとの、意見の違いについ て書いていこうと思います。
がんばれない共産党員さんの意見を読んで、やはり北朝鮮への対応については、手
段が180度違う方向性だと感じました。
どちらが本当に正しいのか、絶対的なことは私には言えません。
私に言えるのは可能性のことで、より望ましい未来になり得る可能性を考えた時、
私は「北朝鮮を孤立させるべきでない」という結論に至りました。
がんばれない共産党員さんの言う通り、圧力をかけることによって金正日政権があっ
けなく崩壊してしまう可能性も、もちろんあると思います。
しかし一方で、圧力をかけることで軍事的暴発に至る可能性も、私は無視すること
が出来ないのです。
たとえば中国は核ミサイルを持っていますが、明日にでもそれが日本に打ち込まれ
ることはないでしょう。
物理的な可能性はゼロではないですが、私は無視してよい可能性だと思っています。
しかし、金正日政権を経済制裁で崩壊させようとした時、軍事的暴発が起きてしま
う可能性は、無視できるほど小さいものでしょうか。
私には、どうしても無視する事が出来ないのです。
確かに金正日は、自身が死ぬ事を一番恐れているでしょう。
しかし、自身の政権が潰されようとした時、本当におとなしく破滅を受け入れるの
でしょうか。
チャウシェスクが人民に殺害されたように、政権の崩壊で殺されるより、戦争を起
こしてプライドを満たしつつ死を選ぶ、ということは本当に無いのでしょうか。
私はどうしても、その危険性を考えてしまいます。
推察するに、失礼ながらがんばれない共産党員さん自身も、心の奥底では危険性を
無視することが出来ないのではないでしょうか。
しかし現実の、金正日政権の非道さを許すことが出来ず、「金正日政権を潰す」と
いう選択肢以外の手段を、許すことが出来ないのではないでしょうか。
私は、がんばれない共産党員さんの主張の中に、やや強引な部分を感じることがあ
りました。
それは、「金正日政権を許す事ができない」という結論に、反対する余地を与えた
くないという、姿勢の現れなのではないでしょうか。
例えば、がんばれない共産党員さんの、
金正日政権には国民的支持は全くありません。
タダ恐怖だけで支配をしているのです。
という部分は、私は事実とは異なると考えています。
私は以前ニュース番組で、韓国に脱走した元北朝鮮軍人(女性)のインタビューを
見たことがあります。
彼女は脱走する数年前までは、国家への忠誠を誓っていたそうです。
「北朝鮮の軍隊は最強」という情報も、それまでは信じていたそうです。
他にも、国際大会に出るようなスポーツ選手への扱いの報道なども、ただ恐怖だけ
で支配してるのでなく、「極端なアメとムチ」という感じでした。
北朝鮮国内では、金正日政権に対する不満だけが渦巻いているとは、私には思えま
せん。
優遇的な扱いを受けている階層も存在するでしょうし、平均的に、国家と政権への
忠誠心が弱いとは、私には思えないのです。
それと、中国やロシアの北朝鮮への対応も、私の考えとがんばれない共産党員さん
の考えとは、かなり違うと思います。
「金正日政権が世界のお荷物になっている」という見方は、多分正しいと思います。
しかし、それを改善する手段として、経済制裁をあえて選ぶとは、私には思えない
のです。
人間の良心という立場から、経済制裁を望んでいる人たちはおそらく、「一刻も早
くこの国を何とかしなくては」という感情に突き動かされていると思われます。
しかし現在の世界において、およそ国家や政府というものは、国益以外の見地から
「一刻も早く特定の政権を潰す」という立場に立つことは、あり得ないと思います。
アメリカのイラク侵攻だって、もしイラクに石油が無く、もしイラクがアメリカに
隣接していたら、あり得なかった事でしょう。
アメリカ本国に反撃が届かず、石油と中東への進出という旨みがあったからこそ、
成立したのではないでしょうか。
中国やロシアは、北朝鮮への対応を「急ごう」という必要性を、感じていないと思
います。
むしろ圧力をかけることの方が、リスクが高いと考えているのではないでしょうか。
ひとつには、やはり北朝鮮が暴発するのではないか、ということがあります。
もうひとつ、金正日政権を圧力で潰したとして、北朝鮮国内が、内戦状態に陥る可
能性もあるのではないでしょうか。
北朝鮮は、質はともかく量では相当の軍事力を持っていますが、その統率が失われ
ずに次の政権へと受け継がれるか、それも問題だと思います。
私は、経済援助の監視を強化するとか、そういう事では賛成の立場です。
しかし基本的な部分、「金正日政権を潰すことを目標に圧力をかける」という立場
には、やっぱり賛成できかねます。
今回は、がんばれない共産党員さんとの考えの違いに言及するあまり、かなり否定
的な内容になってしまいました。
次回は、立場の違いはあれども賛成できる部分、共同できる部分について書いて行
くつもりです。