お久しぶりです。お返事遅れました。このごろわたしは「なぜウナギ犬さんと意見がすれ違っていくのかと」思いをめぐらさずにはいられません。この差はどこから来るのかと?
まず思うに、北朝鮮への認識の差(量)から生まれるのだろうか?
2つ目はわたしとあなたの実践している環境の差から来るののだろうか?
または、もっと別の問題が存在するのか?
と、色々考えるのですが、まったく釈然としません。正直言って不思議な思いに駆られています。さて、
私は、がんばれない共産党員さんの文章からは、北朝鮮への対応について、ただの「言論の圧力」以上の制裁性を感じています。
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しかし、その解決手段が「兵糧攻め」なのか「国交回復」なのか、それはまた別の問題だと思うのです。
この「正しい追い詰め方」というものは、一体どういうものなのでしょうか。
上記の件ですが、わたしも最初からこんな立場ではなかったと思います。今でも日本共産党員ですし、以前はまったく日本共産党の方針通りに(まず交渉ルートを、国交回復を)と考えていました。
しかし、以前の投稿「北朝鮮問題はまず、現実直視を!」(2003/9/7投稿)に、『私はヒョンなことから北朝鮮から帰ってきた在日帰国者をたくさん知るようになりました。その人たちから北朝鮮の生々しい実態を多く聞きました』と、書きました。その人たちの身の上話を聞く中で「何とかしなくては」という思いが湧き、救出活動のお手伝いを始めました。
それから今まで数十冊の北朝鮮本を読み、関貴星著『楽園の夢破れて』を読むにつれ、私の考えが大きく変わって行きました。「自分は50を過ぎるまで、知っているつもりでいた北朝鮮のことを何も知らなかった」、「日本共産党は日本の中で一番韓国・朝鮮問題で民衆のために戦ってきた」「靖国・教科書・慰安婦などでも一番良く戦ってきた」という思い上がりがもろくも崩れ去り、非常に恥ずかしい気がしたのです。
私は、北からの帰国者(在日と日本人妻とその家族たち。外務省は隠しているが、すでに数十名はおられる)、日本にいる帰国者の家族(40年間、北に仕送りを続けてこられている在日)、脱北した強制収容所入所経験者(韓国人と在日)との出会いもあり、つぶさに北朝鮮の現実を聞く中で、「一日も早く北朝鮮の平和的崩壊を作り出さなければ」という考えに到達したのです。以前にも紹介したいろんな団体が協力し、それぞれの目的に合わせて活動をすればいいのだと思います。
このHPで、誰かさんが言っておられたような「右翼」的団体ではありません。確かに右翼的な人も多いのですが、左翼(日本共産党員、支持者)の人も結構参加しています(しかし公には活動はしていませんが)。みんなが「なんとかしなくては」と集まってきました。
私は北朝鮮の実態を日本人に知らせる活動。政府・外務省に、北朝鮮・中国と交渉せよと要求する活動。北朝鮮民主化闘士への支援。北朝鮮難民を政治亡命者として扱う運動。60年代に北に帰った在日帰国者の日本永住の保証。日本人妻(夫)の帰国など、ほとんど進展しないのですが細々と進めています。
そして、これらの運動を裏で支えているのは、日本にいる北朝鮮帰国者の親類縁者たちです。彼らは決して表には出てこられません。北に家族を残し何十年も仕送りに明け暮れています。もし北朝鮮に顔が知れれば、家族は収容所送りになってしまいます。いま在日で、表に立って運動している人たちの多くは、親・兄弟を皆殺しにされた方が立ち上がって戦っておられます。
政府やそれぞれの団体が自らの活動を強化し、運動を発展させれば必ず平和的崩壊の糸口が見えてくると思っています。
「崩壊」という手段にこだわっているのは、金正日政権の非道さに憤慨し、罪の報いを受けさせたいと願っている人たち自身なのだと思います。
私たちは「罪の報いを受けさせたいと願っている」のではなく、今現在苦しんでいる人たちを救いたいのです。
がんばれない共産党員さんは、北朝鮮で既に世襲が行なわれたことから、これからも世襲以外の政権交代はありえないと、考えているのでしょうか。
「世襲以外の政権交代はありえない」と思います。
しかし北朝鮮が、自由経済を導入すればどうでしょうか。
私は現在の北朝鮮を、「危険で反人道的な国」だと認識しています。
しかし北朝鮮が自由経済を導入することになれば、必ず今より良い方向へと変化してゆくと考えています。
北朝鮮が孤立したままでは、貴方のいうとおり「政権交代のソフトランディングは無理」でしょうが、孤立させない政策では充分に可能性がある、と考えています。
これも無いと思っています。大変ツッケンドンな答えですが。そうしかありえないと思います。なぜかと言われると、なかなか難しいのですが、北朝鮮政権は史上まれなる個人崇拝国家です。これほどの完成された個人崇拝は歴史上無いでしょう。スターリン、毛沢東、チャウシェスクと比べても話にはなりません。あえて比較するならナチスや日本の天皇制に一番近いのではないでしょうか。金日成は祖国の英雄を通り越して「神」にまで成ってしまったのです。金正日はその「神の子」としてこの国を統治しているのです。次に来るのは神の末裔以外には無いのです。もしそれ以外の人が来ると言うことはすでに北朝鮮の崩壊を意味します。だから、世襲以外には道は無いのだと思います。
北朝鮮は今まで中国やベトナム、キューバのように自由経済を何度か取り入れようと試みていますが、ことごとく失敗しています。これはあまりにも完璧に国民をだまして統治していたからです。たとえば、「南(韓国)の人民は資本家に支配されボロをまといこじきのように生きている。もしわれわれ(北朝鮮)が助けに行けば全ての人民は蜂起し革命が起こる」「アメリカが北朝鮮を潰そうとわれわれを苦しめている」とほとんどの人民は信じていました。そんな所にアメリカや日本、韓国資本が入ってくれば金日成たちのウソはすぐにばれて国中に広まってしまいます。自由経済なぞ持ち込める余地も無いのです。だから、自分たちのウソがばれないように日本から渡った在日帰国者たちが真っ先に粛清されたのです。もう一度申しますが自由経済を持ち込むことはイコール崩壊になるのです。
次に食糧援助について。
北朝鮮で、外国からの食糧援助が回収されて、市場に高額な値段で売りに出されたりするという事は、私も聞いています。
しかし、がんばれない共産党員さんの投稿にあったような、
全てを回収するのです。(9月24日付投稿文より)
という徹底さなのか、私はそこまでの情報は得ていないのですが…
もし「北朝鮮に送られた食料の全てを回収した」というのが事実ならば、それは何処から得られた情報なのでしょうか。
本当に、援助を奪われなかった人間は存在しなかったのでしょうか。
食糧援助についても私と貴方との意見は違いますが、まず事実確認を先にしておきたいのです。
本当にがんばれない共産党員さんは、「食糧援助が全て回収された」という、信頼のおける情報を得られたのでしょうか。
議論する前提条件として、非常に重要な事なだけに、さけて通れない問題だと思います。
この情報は、98年に脱北され日本に来た在日の方から聞きました(この人たちは、日本からの仕送りが十分あり、北では相当優遇されていた人です)。94年~96年未曾有の飢餓が北朝鮮を覆いました。正確な確証は無いのですが、この3年間で300万人が餓死したと言われています。ちょうどこの時期にこのことを体験されたと言うことです。夜中の1時か2時ごろに私服の人が「飢えに苦しんでいる我が軍のために今日の配給米を供出してくれ」と言われたと言うことです。「これに反対することなど出来ないよ、だって、彼らは軍隊だもの」と言われていました。付近一帯の配給米は全て没収されたと言うことです。
今現在はどうなっているかは分かりませんが、人民が一番飢えに苦しんでいた時期に各国の支援米は完全に政府と軍隊に管理されていたのです。
また、もう一人の在日脱北者は日本からの仕送りも無く貧窮の生活をしていましたが、この94年~96年には米一粒の配給もなかったと言うことです。米国・日本・韓国3国合わせてこの時期に100万トン以上の米を北朝鮮に送っているのです。それはどこに消えたのでしょう。だから彼らは命からがら国境を越えたのです、生きるために。