今度の衆議院選挙において、共産党中央がどういう戦略(戦術?)的目標を持って戦おうとしているのかが見えてきません。
小選挙区の全選挙区に候補者を立てているもののどの選挙区で議席を獲得するつもりなのかがわかりません。(以前は必勝区とか重点区との区別がありました)はじめから小選挙区はあきらめて比例区で現状維持をはかるための守りの選挙なのでしょうか? そもそも委員長からして小選挙区に出ないようでは果たして本気モードなのかさえ疑われます。(負けたときに責任を回避するための用意なのでしょうか)
議会を通して日本の政治変革を実現する方向である以上、現在の選挙制度が続くのであれば小選挙区を勝ち抜く以外に展望は出てこないものと思われますが、民主党や社民党に選挙共闘を呼びかけるなり、努力をした形跡も見られません。(与党の側は自民、公明、保守新としっかりトライアングルを組んでいるのに野党がばらばらで勝てる筈がありません)
まさか、共産党は正しいと言っていれば、いつか赤旗読者が数百万になり、共産党の議席が100にでもなると思っているのではないでしょうが、このままだと民主連合政府も絵に描いた餅のような気がします。(一人の党員が1部の赤旗を拡大すれば拡大目標はすぐにも達成できる。などという高等な科学的理論がひところはありました。)
自由党の小沢一郎は「一兵卒でいい」と民主党との合併に政治生命をかけました。その覇気がひょっとして与野党逆転もあるのではないかと(政策的には色々不満があっても)何かを期待したい気持ちを呼び起こし、1プラス1が3にも4にもなって新民主党が息を吹き返しつつあるように思います。政治が人の手によってなされるものであるからこそ、指導者の決断は当然に人の気持ちを動かすのです。
そういう意味で、今が日本の針路を決める大事なときであるなら、薩長連合が幕藩体制を倒したように、今からでも共産党が率先して小選挙区における野党の選挙協力を提起するべきではないでしょうか。(与党側と議席が争える選挙区に共産党の候補者を絞って民主党や社民党に対案を提示する。それが拒否されれば堂々と第三局を宣言するなりすればいいのであって、はじめから独自性ありきで与党を利することになっては政治に何の希望も見出せない選挙民をいっそう白けさせることにはなりませんか。)
選挙に勝っても負けても指導部がいつも安泰であるならば、組織はいつしか緊張感もなくなって市場原理に淘汰される会社組織のように、選挙民の心も離れていくことを覚悟しなければならない筈です。