韓国に約一週間行かせて頂き様々に学ばさせて頂きました。
その後も在日の方々の「統一マダン」の関係があり都合半月ばかり「さざ波通信」とはお別れしていたのですが、昨日確認させて頂くと何というかあまりもの変化のなさに、うんざりさせられてしまいました。
韓国の人々の日々の一秒一秒を競う様な激しく厳しい毎日,そしてマダンで出会った人々との生き生きした感受性とおおらかさと比べたら本当にこのサイトは暗く魅力がありません。
皆さん一度自分というものを全て疑い、放りだしてみませんか?
裸になれば隠されていた何かが見えてくる、おそらくもっと別のものが見えてくるはずです。
もつと新鮮な何かを見たいと思いませんか?
この情報化時代になぜそれまでに情報をシャットアウトして、自分の殻に閉じこもってしまうのですか?
「マダン」で韓国から来ている若い皆さんとの交流会で「日本では反米軍基地闘争は行なわれているのですか?」と尋ねられ私は返す言葉がありませんでした。韓国ではイラク反戦の闘いはもとより、イラク派兵阻止の闘い、米軍基地撤去の闘いが殆ど毎日国のどこかで闘われています、それも若い人たちが先頭を切って闘っている。
ご存知のように韓国には社会主義や共産主義を掲げた政党はありません。でも民主労総のような闘う労働組合のナショナルセンターがあり、その原則的な活動は世界でも最先端と言える「労働者の闘い」を行なっています。
日本ではフリーターとか派遣、パートとか不安定雇用の労働者が今や労働者の過半を占めていると思います。
しかし、奥田ビジョンが幅を利かし、労働組合は傘下労働者と同じ仕事を不当極まる労働条件で彼らがやらされているのに見向きもしない、闘おうとも反対しようともしない。
だが韓国では民主労総がはっきり自分のことだと捕らえ「不平等労働反対」を掲げ徹底的に闘い抜いている。
当然イラク反戦はもとより、イラク派兵阻止の闘いの中心も担っている。
ところが日本ではあいも変わらず、このサイトでもテレビ、新聞でも、「何が何でも拉致事件」、「北朝鮮悪魔説、金正日悪者説」がテープのように何回も何回も、四六時中報じられている。
しかし同じ被害者が何倍何十倍いる韓国で、それは殆ど取り上げられていない、なぜこんなに違いがあるのか?
逆に韓国では日本と違い、北との交流をもっと増やそうとしている、交流によって解決できると思っている。
韓国と北朝鮮では政治的交流・交渉が頻繁に行なわれ、経済的にも財閥系を中心に牛や豚を始め観光などの交流が続けられている。
そして国中のいい所が米軍基地として使用されているのに、誰も「もう同胞との戦争はしない」と言い切っている。
だからアメリカも仕方なしに在韓米軍基地の撤去に踏み出そうとしている、今のままでは、その肩代わりをするのは明らかに反基地闘争すらしない日本です、在日米軍が増強され、自衛隊も更に増強され、米軍負担金増は更に要求されてくる。
この国はかつての小沢一郎の心配をよそに、ますます軍事大国となっていく、このままではもう止めようがない。
このままでは「安保破棄」など遠い夢になってしまうのです。
「マダン」の交流会で在日二世の人から、「戦後、望んだわけでもないのにこの日本に生まれ、言われのない様々な差別、人を人と思わない排外主義の攻撃を受け、仕方なしに日本人になろう、なり切ろうと努力したが結局はなにも変わらなかった、祖国はこの生まれた日本なのにもうどうしていいか判らない、なぜ日本ってこうなのだろう」との涙ながらの話を聞きました。
彼はまた「在日のことも、拉致疑惑も殆ど全て日本に起因している、日本人はもう我々を頼らず、もっと自分たちの歴史を、過去を確認し検証してほしい、そうすれば何でも判る」と言いました。
それは私か短期間で極一部と言え、この間、訪韓の準備他で調べ、確認した「日朝」「日韓」の現代史の殆どで、彼の言葉が本当に真実であり、正しいと確認せざるを得ませんでした。
韓国の「独立記念館」に行かれた方もあると思いますが、あの展示は北でも南でも彼らが同じ民族として闘った事を、本当に公平に扱い展示しています。
日本の様に被害だけを強調し、加害にはほうかむりするなどの「ゆがみ」は全く見えませんでした。
徹底的に植民地被害を受け、未だなにも解決も回復もしていないのに、私たちを明るく元気に迎えてくれたハルモニ達の姿はもう忘れようにも忘れることは出来ません。
歴史は客観的に事実を確認し検証すること,出来ればその現場を見ることによってしか理解することは出来ません。
訳のわからぬドグマと、思い込みから解放され、もう一度自分自身を見直さないと、時代から置いてきぼりを食いますよ皆さん!
最後に韓国ではイラク関係の情報を殆ど目にすることができなかったのですが、イラク現地ではベトナム戦争的というか戦局はますます泥沼化しています。
ブッシュの戦闘終結などの発表の勝手さ、ご都合主義がますます露になって来たように思います。
挑戦半島が未だ38度線をはさんだ休戦状態であるように、イラクでは「戦争そのものが継続されている」と言うしかありません。
イラクの誇り高いイスラムの戦士が石油強奪の為の侵略戦争にやすやす屈する訳がありません。
ブッシュは全ての石油施設をイラク国民に返還し、トットと撤退すべきなのです。
ベトナム敗戦のような悲劇を再び米軍兵士に与えてよい訳がないし、侵略行為による加害の全てをイラクの人々に弁償すべきです。
そしてわが小泉政権はイラク特措法を撤回し自衛隊のイラク派兵をただちに中止すべきです、そうしないと自衛隊内の反乱は必ず起こる、自衛隊員の自殺の増加はその明らかな予兆です。
私たちも、もうイラクの戦闘が「テロ」などと言うべきではないのです。