曙光のきざしさん、はじめまして。
私としては、割り込み論議、おおいに歓迎します。
ただ、議論の参加者が増えるにしたがって、返事が遅れる事はご容赦願います。
経済制裁の定義とは、との御質問ですが、私ははっきりとした定義はないのではな
いか、と考えています。
線引きが難しい、と言い換えたら良いのでしょうか。
「ここまでが経済制裁で、ここからはセーフ」というはっきりとしたラインは、無
いように思います。
ただ、曙光のきざしさんが提案された、覚せい剤や武器の密輸禁止は、私は経済制
裁にはあたらないと考えています。
私は、北朝鮮を経済的に解放させることで、北朝鮮をマシな国家に変える方法を望
んでいます。
裏の交易を禁じる事で、表の交易に積極的にならざるを得ない傾向が生まれると思
うので、その観点からも密輸禁止は進めてゆくべきだと思います。
私は、経済制裁の定義そのものよりも、経済制裁のむこうにある目的の方が、重要
だと思っています。
私から見て、がんばれない共産党員さんや、「救う会」などの求める経済制裁は、
「兵糧攻めで金正日政権を崩壊させる」という目的があるように思えます。
曙光のきざしさんは、「密輸禁止で圧力やその姿勢を見せる」とのことですが、最
終的な目的はどうなのでしょうか。
モンゴルに難民キャンプを作り、北朝鮮崩壊後はそのキャンプが暫定政権の前段階
的役割を果たす、とのアイデアについて。
私は、もし北朝鮮が崩壊したら、韓国が中心的にサポートして、ゆくゆくはひとつ
の国家に再統合されるのが、一番良い形ではないかと考えています。
ただ、「崩壊させる」という目的を持って圧力をかけることは、非常に危険だと考
えているのですけども。
だから、あくまでも結果論として崩壊してしまったら、ということで話しています。
この難民キャンプのアイデアで一番重要な点は、モンゴルの積極性なのではないで
しょうか。
私はどうも、あまりモンゴルは乗り気でないように思うのですが…
以前、モンゴルの駐日大使が「北朝鮮を支援しつつ難民問題を解決したい」という
談話をした、という報道がありました。
中国の、モンゴルに対する影響力はどうでしょうか(私は詳しくないのですけど)。
結果論、ということで申し上げるなら私は正直、「金正日がポックリ急逝してくれ
ないものか」と願っています。
他人の死を願うのは、胸を張れるようなことではないですが…
あまりに独裁者として振舞いすぎたために、残された権力者が「ぜんぶ金正日の責
任です」と、責任を被せやすい状況があると思います。
実際は金正日本人だけでなく、周囲の権力者たちも非人道行為の責任があるのは間
違いないですが、この際は救われる北朝鮮国民の数を可能な限り増やすことの方が、
大切だと考えています。
私が「崩壊させる」という意見に反対なのは、ひとつには軍事的な危険があるから
です。
そしてもうひとつ、「崩壊させた後の事」を懸念しているからです。
アメリカのイラク侵攻の場合もですが、侵攻を支持した人たちの多くは、「独裁者
を倒せばハッピーエンド」という甘い見通しを抱いているように、私には見えました。
実際は、「打倒した後始末」というものが、非常に大変で困難だということなのだ
と思います。
金正日政権は、確かに最悪な政権だと思います。
それだけに、この後の政権が比較的良い政権になること、そしてその政権交代がス
ムーズに行なわれること、この2点が重要だと考えています。
良心的見地から「金正日政権を打倒せよ」と主張する人の中にも、「打倒した後の
事」を無視している人が、少なからずいるように思います。
私が「打倒した後の事」で一番恐れているのは、「軍事力の統率が失われないか」
という事です。
北朝鮮の一般市民に武器が拡散してしまう可能性について、今のイラクを見ても、
無視すべきでないことだと思うのです。
「打倒した後の後がまが、金正日より性質が悪い場合」という可能性も、ないでは
ないのですけど、これはそれほど可能性が高くないように思います(甘い見通しでな
ければ良いのですが…)。
次回は、政権交代の事や総連のことについて、お答えしたいと思います。