総選挙が近い。争点がいくつかあるが、その一つが「自衛隊のイラク派遣」問題となっている。元外務官僚や防衛庁OBまで反旗を翻している。いよいよ争点が明確になった。残る期間、「自衛隊のイラク派遣」ノ-を掲げて、国民的運動の高まりをつくれば、必ず追い詰めることができると思う。
対外問題では「拉致問題」がある。このさざ波で、金正日政権を支持する人たちは、「狂った個人が北朝鮮を攻め立てる」「国家犯罪であると、ブッシュのシナリオに乗せられ唱和する」「北朝鮮にたいする排外主義の報道が洪水のように流される」等々、国民的運動の高まりに対し、真っ向から対峙している。
選挙を真近にした今、何が認識上違うのかを考えてみた。金正日政権を支持する人たちは、拉致に対する国民運動に、常識では計れない「憎悪」をお持ちのようである。運動している人を「狂っている」とまで断言している。ちょっと待っていただきたい。他国によって無辜の国民が拉致され、覚醒剤を不法に持ち込まれ、不審船で領海侵犯され、それでもおとなしく黙っている「国民」は存在しえるだろうか?もし、存在するならば、「去勢された悲しき民の群れ」以外ありえないだろう。
特に、長壁さんのような「党員」の方は、国民感情を正確に受け止め、読み取っていただきたい。まじめに署名等運動している人に向かって、「あなたは狂っている」「あなた方の運動はブッシュの片棒を担ぐ戦争加担につながる」と演説したらどうなるか?票が減るのはもちろんだが、顰蹙を買う。つまり、金正日政権を支持する人たちは、今の「国民感情」とはかけ離れている。
私は、拉致の国民運動を絶対風化させてはならないと思う。風化するとどうなるか?外務省の官僚がボス公的水面下取引で済ませてしまうことは容易に想像できる。この間の経過から、外務官僚には、使命感、責任感は一切無い。あるのは、無責任と事なかれ主義だけであることが明快になっている。前任の森首相と政府首脳は、どこか第3国で偶然発見された形をとることを画策していた。「拉致問題の解決なくして国交正常化なし」と、小泉首相に言わしめたのは、国民運動の力そのものである。
共産党員の方々に言いたい。大衆運動は、右翼等が意図的に扇動するもの等を除き、大衆のエネルギ-の発揚の現れであり、本来共産党にとって「宝の山」のはずである。この国民運動に対して、どうすればもっと影響力を行使できるか考えてもらいたい。国民的拡がりを持つに至った運動の外にいるからと言って、その運動そのものを、忌み嫌ったり、敵視したり、蔑視したりするのは根本的に間違っている。