2003/10/24 天邪鬼、60代以上、自由業
貴兄の質問は多岐にわたります
一・拉致家族、消息不明な拉致被害者の帰還、帰国事業で北朝鮮に渡った日本人妻、韓国人帰国者の救出。
二・旧ソ連等「社会主義諸国」は社会主義であったか、なかったか
三・共産主義とは何か。資本家、労働者とは何か。
この三項に分けられると思います。各項は一つ一つ、一日で説明するのはとても困難ですから、何度にも分けて書いていくしかないのですが、わたしの独断も当然出てくるので他の人々も参加してほしいと思います。特に共産主義については進むべき目標、綱領問題の根幹と思うので共同の討議が必要です。この点に関してはマルクス「共産党宣言」、「ゴータ綱領批判」(いずれも岩波文庫にあるはずです)を元に討論できたらいいと思うのですが、お互いしんどいかもしれません。
まず拉致問題に絞ります。
曙光のきざしさんは
わたしが拉致問題を解決するためには次のように言ったと書いています。
「小泉首相が日朝国交正常化宣言を履行すればよいだけで、」と書き、続けて「このように拉致問題を討議することなど不要、かえって拉致問題の解決を遅らせる」と主張していると書いています。
それではまず平壌宣言の内容をピックアップしてみます。
前文の部分「両首脳は、二国間の不幸な過去を清算し、懸案事 項を解決し、実りある政治、経済、文化的関係を樹立することが 双方の基本的利益と合致するとともに地域の平和と安定に、大き く寄与するものになるとの共通の認識を確認した。」
一、双方は、この宣言に示された精神および基本原則に従い、国交正常化を早期に実現させるため、あらゆる努力を(略)
二・日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した。(略) 国交正常化ののち、双方が適切と考える期間にわたり、無償資金協力、低金利の長期借款供与および国際機関を通じた人道主義的支援などの経済協力を実施し・・・・(略)
三・双方は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動を取らないことを確認した。また、日本国民の生命と安全にかかわる懸案問題については、朝鮮民主主義人民共和国側は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることのないよう適切な措置を取ることを確認した。・・(略) 以下核とミサイルの問題(略)
だいたいこうです。このような宣言内容は前もって外務省の人間が行って細部までの打合わせを北朝鮮政府としているはづです。したがって三の拉致問題ですがもとより小泉は知っていました。
三の同意にしたがって拉致者の氏名などのリストが北朝鮮政府によって見せられ、すでに平壌宣言に金正日の署名を取った小泉はすでに知っているそのリストを見て絶句し昼餐会も断って機上の人となったのです。
つまりこういうことではないでしょうか。1945年までの植民地支配時代の賠償権を放棄させる見返りに経済援助をする、金を出すと餌で釣っておいて、署名を取ればもうこっちのものだ。拉致問題で徹底的に北朝鮮排外主義をあおり、朝鮮を攻めつぶしてしまうのだ。金正日はなにが何でも政権維持のために日本の経済援助がほしかったのである。その窮状を見越して平壌宣言に署名させた直後から排外主義を日本中に席巻させ、経済援助どころかアメリカとともに経済封鎖をしたのである。
それからあとはわれわれの知るように拉致非難の大キャンペーンがあらゆるマスコミによって繰り広げられ、異常な排外主義の嵐が日本全土に吹き荒れているのです。
これは完全にたった今調印したばかりの、平壌宣言の精神と基本原則を踏みにじる行為であり、植民地支配時代にしてきたと同じ詐欺と侮辱を朝鮮人に与えたのである。そのようなことをして拉致家族の子供たちやその他の人々を取り戻せる道理はないでしょう。小泉にとっては拉致された人々のことなどどうでもよく政治的に、朝鮮戦争のためにこの問題を利用したに過ぎないのです。彼のどこに植民地支配の反省や日朝国交正常化の誠意ある行動が見えるのでしょうか。なぜなら彼は平然と靖国神社の参拝に主将としていっているではないですか。
わたしはこの平壌宣言を読んだとき金正日が自分の政権を維持するために北朝鮮人民の本来持っている日本に対する植民地支配の賠償権を放棄する権限はない、と思いました。北朝鮮人民にはやはりなお賠償を要求する権利があるのだと今も考えています。
ほんとうに日本政府が平壌宣言の精神と基本原則を守るつもりならば2002年10月中に行うと約束した日朝国交正常化交渉はやっていなければならなかったし、経済支援をやらねばなりませんでした。そして何よりも朝鮮の安全を脅かしてはならないのです。そのことが実際に北朝鮮に確実にわかるような行動を取っていれば拉致された家族は日本に連れて帰れたと確信します。しかし蓮池さん横田さんらの」一時帰国の約束も反故にしめちゃめちゃな排外主義の大合唱をやり続け、朝鮮侵略戦争のための、有事三法を成立させ、軍事的脅威をたえづ与え続けることでどうして拉致された家族を取り戻せるでしょうか。誠実に平壌宣言を実行しその上にたった外交努力がなされていればこんなことになりません。わたしは小泉首相に任せて黙って静観せよといってません。小泉に対して北朝鮮敵政策をやめよ、平壌の約束を守れという声ならどんなに大声を出してもいいと考えます。しかし反対に日本人拉致の問題であまりにも激しい排外主義を浴びせ掛けるならば北朝鮮は殺された同胞を返せ、お前たちのしてきたことの残虐さをどう弁解するのか、とこたえるでしょう。
それどころか今北朝鮮の置かれいる立場を自分が朝鮮人になって考えてください。ブッシュが大統領就任した頃にこういいました。イラク、イラン北朝鮮は悪の枢軸国である。必ずこの悪の枢軸国を打倒する。そして核攻撃の対象国に8ヶ国をあげました。そのとうりアフガン、イラクを攻撃しました。次はイラクか北朝鮮になるが北朝鮮に狙いが絞られてきたのは最近のニュースを総合すれば明らかです。日本帝国主義もそれはずーッと以前から読んでいました。 第二次朝鮮戦争で日本が積極的な役割、米軍に勝るとも劣らない攻撃ができないようでは帝国主義として生き延びることはできないそう考えていたのです。だから戦争法案をここ数年次々に成立させ、自衛隊=軍隊をイラクに派兵し、人殺しに兵隊の心を麻痺させようとしているのです。自衛隊=日本軍をイラクの復興に行かせるのでなくイラクの平定に行かせ、反抗すればイラク人を殺すために行かせるのです。話を戻して、アメリカ帝国主義と日本帝国主義の軍隊が競合して朝鮮になだれ込む日はそう遠くありません。そのために朝鮮人に対する差別と憎悪を徹底的に煽るために利用しているのが拉致問題なのです。金・・・(文字化け)・・・。
あなたはイラクに対する自衛隊の派兵に反対するのか、朝鮮戦争に反対するのか。それとも拉致問題の大合唱に率先して加わりいつかは朝鮮を倒せと叫ぶのか。 以上
追記
ここでは帰国事業で北朝鮮に行った日本人妻のことは書いていないし韓国の朝鮮に行った人のことも書いていません。日本人とかなんとかいうが彼女らは朝鮮国籍でしょう。北朝鮮の人々は全部苦しんでいます。しかしその論で行けば北朝鮮人民を全部救い出さねばならないから戦争しかありません。侵略戦争の口実はすべて自由と民主主義です。
それからあなたに共産主義を信奉してくれなどと爪の垢ほども思っていません。自分の人生は自分で選択するものです。わたしと宗教、わたしと創価学会をつなげるどんな細い糸も見つけられないでしょう。
訂正
気を悪くしないでください。わたしはあなたに厳しすぎたのかもしれません。あなたは拉致された人々を救うためには、悪魔に身を売ってもよいと言うほど拉致被害者に対する優しい心があることが今になってわかりました。しかしそのやさしい心を為政者は利用することをわかってほしかったのです。
わたしたちは心の底では同じなのです。「だまされるな!」わたしはあなたや他の人に言いたいのはそれです。一緒に戦争に反対するために闘いましょう。わたしは明日、反戦集会に行きます。今何もしなければ生涯に禍根を残してこの世を去らねばならない。
わたしは全世界のイラク戦争に反対して立ち上がった2000万の人民の叫んだ"DON'T WAR!”の声に唱和します。わたしは障害者です。年も66歳です。しかし命の続く限り帝国主義戦争に反対し、すべての人間が人間として価値ある人生を生き抜ける世界を築くために、僅かでもいい、この世に足跡を残したいのです。これいじょうあなたに言う言葉は何もありません。子供たちにこんなに悪い世界を残さないために! 若者たちの未来のために! わたしたちとともに! 反戦平和のために! 腕を組もう!
わたしの心にベートーウ゛ェンの「第九」が響いています。では