がんばれない共産党員さんの、10月4日付の投稿文を読んで、考えさせられることがありました。
それは、私の考えと貴方の考えと、どちらが早く北朝鮮をましな国家に変えられるのだろう、という事についてです。
がんばれない共産党員さんの文章の中に、
「座して死を待て」と言うのでしょうか?
という所がありました。
私が思うに、私と貴方の考え方のどちらでも、明日に北朝鮮で死んでゆく人々は助けられないでしょう。
しかし10年後、20年後の未来では、どちらかの考え方で助けられる人々がいるかもしれません。
また、私達の考え方とは別方向の、第3の有益な考え方があるかもしれません。
私は、貴方との議論を通じて、何が一番望ましい方法なのかを考えて行くつもりです。
また、がんばれない共産党員さんの文章の中に、
私は「金正日政権打倒」や「一刻も早く特定の政権を潰す」とは一言も言っていません。
ただ、日本人妻(夫)を帰せ、在日帰国者を帰せ、
拉致被害者を返せ、収容所を解体せよ、
核兵器を廃棄せよと言っているだけです。
という所がありましたが、この点については疑問があります。
私は、がんばれない共産党員さんの文章からは、北朝鮮への対応について、ただの「言論の圧力」以上の制裁性を感じています。
例えば、これまでの投稿文の中に、
この国と「国交正常化をする」「交渉ルートを開く」ということは、どういうことなのか理解できているのだろうか、日本共産党は?(9月19日付)
もしそれが出来なければ、援助はすべきでありません。
金正日を利するばかりか、延命させるだけです。(9月24日付)
という部分がありました。
これは「言論での圧力」という範疇を越えていると、私には思えます。
特に2番目の文章は完全に、金正日政権を潰そうとする領域に踏み込んでいると思います。
私が、がんばれない共産党員さんと共同することが出来るのは、「言論の圧力」というラインまでだと考えています。
言論やメディアで北朝鮮の非を告発する事については、私はそれほど危惧を感じていません。
拉致や粛清などの北朝鮮の人権に対する犯罪について、具体的な証拠を示したりすることを、さすがの金正日も戦争の契機にすることは出来ないでしょう。
国連などの世界機関において、北朝鮮の実情を告発することは、北朝鮮の正常化に効果的であると思うし、正しいことだと思っています。
私自身、テレビや新聞・雑誌などのメディアを通じて、北朝鮮の国情を知り、考える事が出来ました。
世界に向けて、北朝鮮で何が起こっているかを知らせるということは、非常に意味のあることだと思うし、解決への前進になると思います。
しかし、その解決手段が「兵糧攻め」なのか「国交回復」なのか、それはまた別の問題だと思うのです。
それとやはり、がんばれない共産党員さんとの食い違いを感じてしまうのは、「北朝鮮の軍事的暴発の危険性」「ロシア・中国などの対応」についてです。
まずは暴発の危険性について。
私は、金正日が保身に執着している事が、暴発しない保障になっているとは、どうしても思えないのです。
金政権は、あまりにも沢山の人を殺しすぎてしまいました。
また、政権が崩壊するまでに国情が追い詰められれば、金正日の神格化も破綻しているでしょう。
政権が崩壊した後に、北朝鮮の人民は金正日を生かしておくでしょうか。
「経済制裁で政権を潰され、人民の手によって独裁者として処刑される」という事と、「北朝鮮を守るためとうそぶいて戦争にふみきり、英雄を演じて戦死する」という選択の、金正日はどちらを選ぶでしょうか。
私はどうしても、楽観視することが出来ないのですが…
がんばれない共産党員さんの文章に、
金正日を正しく追い詰めれば暴発は防げると思っていますし、この道しか無いように思います。
とありますが、この「正しい追い詰め方」というものは、一体どういうものなのでしょうか。
なぜそれで暴発が防げる事になるのか、ここが戦争を回避できるかどうか一番大事な点であるだけに、詳しい説明をお願いしたいと思います。
次に、ロシアや中国の対応についてですが。
私はやっぱり、暴発や内戦の危険性を彼らは考えていると思います。
暴発については書いたので、内戦について。
がんばれない共産党員さんは、「北朝鮮国内がボロボロだから内戦は起こり得ない」との意見ですが、私はこれにも納得しかねます。
内戦が起こらない条件は、「武器・兵器そのものが少ない」か「軍事力に対する統率がしっかりしている」ということだと思います。
戦後日本で内戦が起きなかったのは、2番目の条件が保たれていたからではないでしょうか(武器そのものも少なかったかもしれませんが)。
無政府状態で市民の手に武器が渡れば、北朝鮮でも内戦は簡単に起こりえると思います。
わたしは、中国やロシアは北朝鮮の暴発をさせずに崩壊をさせるため知恵を張り巡らしていると思います。
という文章についてですが、私はここにも考え方の違いがあると思います。
北朝鮮を今よりましな国家にするために、中国やロシアは特に「崩壊」という手段にこだわっていないと思います。
「崩壊」という手段にこだわっているのは、金正日政権の非道さに憤慨し、罪の報いを受けさせたいと願っている人たち自身なのだと思います。
私の見たところ、中国やロシアは北朝鮮を孤立させるより、孤立させない方針を持っているように思えるのですが…
少なくとも、経済制裁のような孤立政策に熱心であるとは、私には思えないのです。
私は、「北朝鮮を孤立させる」という方針では、国際的な包囲網を作る事は、非常に難しいだろうと考えています。
むしろ「孤立させずに北朝鮮を正常化する」という方針の方が、ロシア・中国・韓国の同意を得られるのではないか、と考えています。
今回は意見の違いが多すぎて、共同できることについて書く事が出来ませんでした、すみません。
まだ意見の違いはあるのですが、それは次回にまたまとめておこうと思います。