2003/10/27 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター
朝鮮総連や部落解放同盟への貴兄の見方を拝見させていただき、私の勝手な思い込みかもしれませんが、曙光のきざしさんをやっと理解出来てきた様に思います。
最初に結論を言ってしまう事になりますが私は、様々な討論とか論争には現場を確認することが一番大切だと思っています。
だから私事といえ、韓国の現代史調査訪問もそのひとつですし、イラク問題であれば、イラク侵略戦争前、中、戦後にイラク現地に行った人たちの講演や写真展に参加し話しを聞いてきます、そのため周りの人があきれるくらい私は何処でも行くし、顔を出し話しかけ問いかけています。
現在の情報化社会でも現場第一主義的でないと物事はよく見えないし、幾ら机上で書物やパソコンを覗いても限界があるからです。
現場を見て初めて真実が見えてくる、いやその糸口が見出され、想定外の何かが見えたり、拡がりが得られるから楽しくもあるのです。
だからこのサイトに投稿する場合、少なくとも現場または関連先を訪問し事実関係を確認して考え方を纏め上げたり、日常の生活の中で遭遇したことを整理して投稿しています。
そうしないとこの情報過多の中で、しかも基本的に情報そのものが資本や企業に支配され、権力に都合のいい意図的な情報が飛び交うこの時代では(その典型はアメリカであり、イタリアです、この国も限りなくそれに近づいている)余程情報を見極め、選択支し事実に照らし合わせ、十分に確認していかないと、自分が何を知ろうとしているのか、何をしたいのにか、何を訴えたいのかが、根本から歪められ判らなくなってしまいますし、とんでもない誤った情報に踊らされ、コントロールされてしまうことが多いからです。
まず、朝鮮総連の件です。
曙光さんはかつて、日本共産党が展開した北朝鮮非難の論理に殆ど疑いを入れず゜、そこから一歩も踏み出すことなく、それをベースにして、マスメディアが金儲けの為に(日テレの視聴率アップ工作はその極端なものですがー)、船団を組むかのように連日報道するあらぬ情報を付け加えて、総連や拉致問題を論じられている様に思います。
あの万景峰号事件が世間を賑わした頃、私は何のアポも取らず、初めて朝鮮総連事務所を訪問しました、残念ながらそこは東京の総連本部ではないのですがー。
そこで対応してくれた男性と色々な対話を行なったのです、私が関わっている事案について、東京の総連本部の課税問題、そして拉致問題や万景峰号問題について率直な意見交換をしました。
彼の対応は本当に紳士的で驚くほど率直でした、拉致疑惑についても「本当に知らされていなかった、申し訳なく思っている,9,17平壌宣言で拉致が事実として発表された時は驚き一瞬頭の中が真っ白になった、そして”なぜ祖国が”と悔やんだ」とまで言っていました。
彼らも同じ人間であり「人の子」なんです、拉致を正しいなどとは思っていません。
ところが後日、在日の友人から「貴方があったのは総連の支部長だよ、よう行ったな」と言われ初めて、私が会ったのがこの地区をまとめている支部長・総責任者である事を知らされたのです。
彼等の日常は、地区に住んでいる在日朝鮮の人々の支援活動や相談事への対応、広く市民に開放されている会館の維持管理、そして各種の催しごとの企画などのようです。
皆さんが恐れられているゴジラ的な活動などしていないし,その力もありません。
ところがこんな支部でも右翼から「爆弾を仕掛けた」との電話を掛けられたり、真夜中に事務所の正面に排外主義的な張り紙をされたりしたそうです。
相変わらず通学児童や高校生への嫌がらせもあるそうです。
そう言えばかつて市議会で、石原慎太郎のコピーよろしく「総連の不当な課税逃れの為事務所に行き調査した」と胸を張ったウルトラ右翼の市議は実際は事務所に来もしなかったそうです、右翼って本当にいい加減ですね。
曙光さん、そんなに総連の存在が気になるのなら、是非近くの総連の事務所(タウンペーに載っています)に行かれて、思いの丈でも疑問でもぶっけられたらいいと思います。
大半の事は殆どすぐ解消してしまうと思いますよ。
嫌がらず是非試みて下さい、こんないい加減な私でさえ彼らはチャンとお相手してくれたのですから大丈夫です、もっとも食べ物は必ず割り勘とすること、ミイラ取りがミイラになったら困るからー。
次に部落差別問題、これについても曙光さんは柄にも合わず共産党中央が言ってきた事を100%根拠に展開されているように思います、今は懐かしい「正常化連」(今、何か活動されているのでしょうか?)への評価も同じです。
正直、部落解放の闘い、差別についての共産党の方針はだらしなく(ごめんなさい)為にする政策でしたから、自民党すら喜ぶ対応を行い、差別に苦しむ部落大衆から見放されてしまいました。
差別や貧しさに怒りを感じないように指導した共産党の責任は重いものがあります。
確かに同和対策事業によって被差別部落の住居環境はそれなりに改善されたかも知れません、しかし今、インターネットを見れば凄まじい差別用語が飛び交い、キャンパスや公共機関、便所などでの差別落書きは全く減っていないし、就職差別はより厳しく、結婚差別事件も頻発しています。
この前京都に行った時、乗っていたタクシーの運転手に聞きもしないのに「ここは部落だから家賃が安いんですよ」と案内され、部落差別の深刻さに唖然とさせられました。
「部落差別が解消した」などとんでもない事実誤認です、また部落解放同盟と「エセ同和」についてですが、「エセ」とは部落解放同盟と関係がないからそう付けられているのであり、混同すべきではありません。
しかし部落解放同盟もこのところすっかり力を失い、とうとう30年余り続けてきた「狭山中央闘争」も放棄するありさまです、最近は一般的な「人権」に部落差別をシフトしていますが、それは誤りだと思っています。
部落差別は天皇制が廃止され、現在の帝国主義的支配体制が根本的に変革されない限り解消しないし、差別事件に対しては継続した差別糾弾の闘いが必要だと思っています。
私の住む地区の近くにも被差別部落が存在します、そこでは行政による家賃値上げの攻撃が厳しく、月2万円も値上げされるところもあるそうです。
「年金が月10万円もないのに、この値上げで私たち部落民はどう生きろと言うのか」との声が充満しています。
60円のカップラーメンひとつで食事を済ませている部落のおばあさん、おじいさんにも心を馳せて下さい。
そして最後になると思いますが、お願いがあります。
曙光さん貴方が毎日どんな生活をされているのか知らないし、知ろうとも思いませんが、他者を批判するならそれなりの責任があると私は思っています。
「障害」を持たれている天邪鬼さんの貴方への回答に対する努力は大変なものだと思います。
おそらくこのサイトで真摯に投稿されている人たちは、情報収集他で大変な努力をされているのではないでしょうか?
それぞれの思いを大切にしてほしいし、受けとめる側もそれなりの努力をしてほしいただそれだけです。
つけ加えます、朝銀関係の公的融資の件について相当の批判があります、私も一部不明瞭なところがあったのかなとは考えています。
しかし本当、客観的に考えてみた場合、朝銀と言え在日や朝鮮、韓国関連ばかりではなく地域の銀行として、日本人の顧客も相当におり、また大手金融機関の貸し渋りや規制強化で中小企業は朝銀にシフトせざるを得なかった事もあるし、何よりも在日の人々も、その企業も(パチンコ店も焼肉屋さんも)この国の税務会計規則によって税金を払っており脱税した訳ではありません、もし仮に「総連を通せば税金が安くなる」などの話しは、あくまでもそれを査定する税務署に責任があるのでそれ以外ではありません。
そんなこと言ったら共産党関連の民主商工会も同じ疑惑を受けるのではないでしょうか、民商のメリットって何なのでしょう?
「脱税」はダメですが「節税」はいいことなんですよ、大手企業はそれこそ全力で「節税」に努めています。