2003/10/29 天邪鬼、60代以上、自由業
拝啓
貴兄のご指摘は日本の共産主義者にとって完全な、しかも重要な盲点だと思い背筋を正して考えています。
わたしは元日本共産党員でしたが、わたしの在籍した1960年から1974年までのあいだは党内に在日韓国、朝鮮人も他の外国人もいませんでした。だが敗戦後の日本共産党を再建したのは強制連行などで炭鉱で働かせられた朝鮮人が主力となっていたということを何かの本で読んでいます。また出獄した日本共産党幹部徳田球一、志賀義雄らを迎えたのもその人たちでした。わたしはいつから、何の理由で朝鮮人を党から排除したかわかりませんがまったく正しくないと今思います。日本共産党の歴史を改めて、党の排外主義の観点からもスターリン主義との関係からも研究しなければならないと、思います。しかしご指摘の「一国一前衛党」論は悪い意味で過去のものになったのは皮肉です。なぜならば日本共産党は労働者階級の前衛党規定を前党大会で捨て国民の党となったからです。この国に前衛は不在か、または別のところで成長しつつあるのかもしれません。そして本来のマルクス主義の党であるならばインターナショナルの立場から在日の方、日本国籍を取られた方と一つの党にならねばなりません。もし日本共産党がそのような党であるならば民族主義=排外主義の党に・・・(文字化け)・・・。
在日共産主義者の北朝鮮問題全般についての主張をぜひ教えてください。きっとわれわれの眼からうろこの落ちる思いをさせてくれると思いますので。
また別に日本国内における自主的な在日朝鮮・韓国人マルクス主義者グループが存在するならば私達はそれを守らねばならないし、結社の自由をもとめるのであれば支持しなければならないと思います。
国際主義についてはマルクス主義の根幹の問題です。コミンテルンやスターリン支配、中ソ対立などがあったのを口実に自主独立の党なる名のもとに国際主義に背中を向け日和見主義から排外主義に日本共産党は転落しつつあるとわたしは考えています。共産主義者は意識的に、国際主義をとらねばならないと考えます。なぜならば資本も国際的であるし「万国の労働者団結せよ」、「労働者に祖国はない」というのが原則的立場ですから。またその立場にたたない限り共産主義社会の実現はありえず、労働者階級は永遠に開放されないのですから。しかも韓国、朝鮮労働者と日本労働者はブルジョアの利益のために近い将来殺しあう必要はまったくないのですから。
在日問題にも深く関心を持っています。しかし今日はざっとこんなことを考えてお便りにさせていただきます。他の方々のご意見もほしいと思います。金産からも批判があれば忌憚なくおっしゃってください。私達が韓国、朝鮮人のことを考えるよりももっと深く鋭く在日マルクス主義者グループの方々が考えていると思います。
敬具