総選挙にあたって、民主党は、比例議席数を80減らすと公約しました。アメリカ
型新自由主義を目指す、かの党を甘く見て、擦り寄ろうとしたツケでしょう。
菅氏は、「党名変更もなされず、綱領も本質は何ら変わっていない。連立の相手に
はしない。」旨、遊説で述べました。当然の事です。
不破氏も志位氏も、「旗振り役は財界だ」などと今ごろ、寝とぼけたような事を
言っています。
財界を相手に講演して「大企業を敵だとは思っていません」などと、わざわざオベ
ンチャラを言ったのは、志位委員長、あなたではなかったのか。
誰に向かって呼び掛けているのだ!!
この党の幹部連中は、拠って立つ基盤である筈の人民や党員を蔑ろにして、財界に
おもねっていたのではないか?!
民主党は、先の国会で、労働基準法改悪に賛成し、解雇条件の緩和を進めました。
おりしも、ソニーは、3万人の首切りと30歳以上の早期退職等のリストラ策を打
ち出しました。
社員というのは、商法上、株主の事であって、決して、従業員の事ではありませ
ん。労働者の事ではないのです。守るべきは、株主の利益であって、労働者の利益で
はないのです。企業にとって、労働者は、できるだけ少ないほどいいのです。それ
が、資本の論理というものです。
「共産党は怖い。共産主義は怖い。社会主義は古い。社会主義は役立たず。」
そう思われている方々が、世間では、大半でしょう。
多くの国民が、そう思うことも仕方がない面があることは、私も、率直に認めま
す。ソ連・東欧の崩壊の事実。中国の文化大革命・天安門事件。北朝鮮による拉致事
件と国際法無視・人権抑圧の金独裁体制、等々。数え上げればキリがない。
「あんなものは、社会主義でもなんでもない。そもそも、民主主義のない社会主義
などあり得ない」と言っても(私も、そう考えていますが)、世間では、そう簡単に
受け入れられるものではありません。
日本共産党に限っても、「新日和見主義事件」と呼ばれる、監禁査問事件。「いず
み生協事件」と呼ばれる、大衆団体引きまわし等に対する無反省。そして、その根本
原因とも呼ぶべき、「党内民主主義」の欠如があります。
私は、この党に、根深い病巣があることを認識しています。そして、それを改めさ
せることが、如何に困難な事であるか、ということも承知しているつもりです。
しかしながら、この党が、戦前から一貫して、反戦、平和、労働条件の改善、生活
向上、政官財腐敗の追及、中小零細企業のための要求、等々について、率先して闘っ
てきたことも、また、事実であると考えています。
それは、党員だけではなく、後援会員、支持者、そして、一歩でも、半歩でも、日
本を住みやすい、暮らしやすい、平和な国にしたいと願う多くの人々との、連帯と共
同の行動であったと考えています。
私は、綱領改定欄に「不破氏の辞任を要求する!!」という一文を、掲載させて頂
きました。それほど、腹の中は、煮えたぎっています。
しかし、党は、彼の私有物ではない。決して中央指導部のものではない。40万党
員と200万の赤旗読者、後援会員、そして、支持者の方々によって支えられてきた
組織です。
1998年、せっかく、820万人もの方々に、唯一の革新として、支持を頂いて
おきながら、無原則的な右傾化を度重ね、非民主性を曝け出し、「小泉旋風」等もあ
いまって、先の参議院選挙では、390万人の方々の支持を失ってしまいました。
私は、最近になって、このようなサイトがある事を知り、この間、多くの党員や共 産党に関心のある方々の、生の意見を拝読する事ができました。編集部の方々の、精 力的な分析力には、敬服するとともに、これほどの指導部批判を行いながら、党に留 まり、党改革を進めようという方々がいることに、先の投稿においても、連帯の気持 ちを、表したものです。
さまざまな事を考えながら、ここで、皆さんに、もう一度、呼びかけたいと思いま す。
共産党は、「自由と民主主義の宣言」という今はやりの「マニフェスト」を30年
近く前に出しました。その後、改定はあったものの、国民に対する約束という意味で
は、その基本は、間違ってはいないと、私は、考えています。
共産党や「社会主義」に対する否定的な印象と実体については、党員自身が最も感
じている事であることは、ここに集う皆さんも、お分かりの事と思います。
しかし、私は、生産手段の社会化という道を通じて、搾取も貧困もない社会主義社
会とその高い発展段階である共産主義社会を目指す、ということ自体は、間違ってい
ないと考えています。
もし、お読みになられていない方々がおられましたら、共産党のホームページにも
出ていますので、ぜひ、お読み頂きたいと思います。
それをお読み頂ければ、他の「社会主義国」と呼ばれた、そして、現在も呼ばれて
いる国々と日本共産党の目指す社会との違いが、きっとお分かり頂けるものであると
考えています。
ちなみに、「共産党宣言」と題するマルクスの著作の英語名は、
“Manifesto of the communist party”
であり、「マニフェスト」という言葉自体は、彼が、今から150年も前に使ってい
た言葉でもあります。
このサイト「さざ波通信」の開設趣旨で明らかな様に、残念ながら、現在の党指導
部は、「国の制度と一政党の制度は、異なっていて当然である」という一般論を「普
遍化」し、本来、普遍的であるべき自由と民主主義を、党内においては、極端に制限
し、歪曲しています。
私達は、このような党指導部に対して、あらゆる可能な手段で、批判するととも
に、改善を要求しています。しかし、残念ながら、中央指導部は、現在まで、基本的
には、無視する態度を続け、改善されていないのが、現状です。
私は、これからも、党の民主化のための行動を続けるつもりです。党内民主主義を
保障し、国民に開かれた政党に脱皮しない限り、この党には未来はありません。
しかし、それでもやはり、「だが、しかし」なのです。
そうだからと言って、その時まで、反動勢力が、その攻撃を待ってくれる訳ではな
いのです。僅か0.2%の大企業が日本の経常利益の50%を占めると言われる一方
で、中小企業は、貸しはがしの目に会わされ、先日のニュースによると、貯蓄ゼロの
世帯が2割を超えたとも伝えられております。
この総選挙の帰趨がどのようになるのか、二大政党化という中で、埋没してしまう
のか。それとも、憲法改悪を阻止し、自衛隊派兵に反対する勢力、暮らしを守る勢力
が、踏みとどまって、反転攻勢に出られるのか。それは、皆さんの、主権者としての
判断に懸かっています。
共産党のホームページに「総選挙にのぞむ政策」も出ております。
ここ「さざ波通信」での様々な発言、普通だったら、表に出したくないであろう発
言までも、曝け出して、真剣に議論している人々がいます。
私は、総選挙中であるからと言って、中央批判を控えた方がよいとは思いません。
先にも述べた様に、今頃になって財界批判を始めるなどという事は、中央指導部が、
如何に、現綱領を逸脱した感覚しか持ち合わせていないという事の証左であると思い
ます。
遅れ馳せであっても、財界の思惑とその後ろ盾を得た新民主党を、多くの国民の利
益に反する、一部富裕層のための政策遂行勢力であるとして批判する事は重要です。
しかし、そのことで、財界、独占資本の本質を見誤った党指導部の行動に対し、私達
が無批判でいるという訳にはいきません。
誹謗中傷や名誉毀損、プライバシー侵害にならない形での表現の自由は、最も尊重
されなければなりません。まして、公党の指導者に対する正当な批判を自粛するよう
な事は、民主主義の発展とは逆行するものであると考えます。
私達は、何が何でも反共という立場で、批判しているのではないのです。自由と民
主主義が最も大切な価値であり原理であると考えるからこそ、この場を借りて、発言
しているのです。
すべての事を考慮に入れて、ぜひ、投票に、行かれて頂きたいと思います。
その結果が、どのようなものであれ、党は、選挙制度が不公正なものと批判する必
要はあっても、厳粛に受け止める必要があると思います。
かつて、イタリア共産党は、30%以上の得票を得ていました。反共風土のある日
本において、「日本共産党」と書かれた820万の方々の支持を得ながら、さらなる
飛躍のバネとする事ができず、支持を失っていった事に対する、真摯な反省がこの間
あったのか。最も投票したくない政党として挙げられる多くの人々の批判の声を、真
摯に聴こうとする態度があったのか。様々な党側の要因を、私達は、炙り出さなけれ
ばならないと思います。
そして、もし、共産党とその候補者に投票してもいいと思われた方がおられました
ら、このサイトで読まれた、中央の非民主性と誤魔化しについても、是非、メール等
で、中央に抗議の一報を送って頂ければ有り難いと思います。
その、選挙における一票と抗議の意味の一報が、開かれた共産党にしたいと願う、
私達への、強い励みになるものであり、ひいては、少しでも住みよい社会にして子供
たちに伝えていきたいと願うことにも適うことだとも、私は、思っております。
本当に、厚かましい物言いで、申し訳ありません。
以上が、10・21の獏さんの「ところで、今度の衆議院選挙、党中央を批判して いる人達、どうされるのかな?私は迷っています。共産党に投票するか、棄権する か、で。 」について、真剣に考え続けた私の、結論です。
追伸。獏さん。
10・21は、「国際反戦デー」でしたね。
イラクに自衛隊が派兵され、戦闘行為が行われても、小泉政府は、「あれは、戦争
じゃない。イラク事変だ」とでも言うのでしょうね。私には、今叫ばれている「国際
貢献、国際貢献」という大合唱が、「大東亜共栄圏」という美名の下での侵略戦争合
理化と、どうしても重なってしまうのです。
私も、いつのまにか、オッサンになってしまったようです。