思えば、よくぞここまで復活したものだ。
言わずと知れた、民主党の話である。
民主党は昨年秋の代表選で、
鳩山由紀夫代表が自らのポストにしがみつきたいばかりに
同じく出馬表明していた旧民社党系の中野寛成氏と談合し、
当時の菅直人候補を僅差で制した。
これが有権者の厳しい批判を呼び、
民主党の支持率は一時、
公明党を下回る4%台まで落ち込んだ。
鳩山氏が小泉総理に擦り寄ったことも、
支持率凋落に拍車を掛けた。
しかし、なりふり構わぬ鳩山氏も、
党内からの「あんたじゃ党は持たない」という
激しい突き上げに抗しきれず、
再任わずか3カ月後に代表を辞任。
改めて行われた代表選では、
菅氏が岡田克也候補を破り
代表の座に返り咲いた。
それからわずか1年。
党解体も取り沙汰された民主党は今、
政権交代を訴えるところまで力を付けてきた。
まさに、奇跡のカムバックを遂げたと言っていい。
政権政党と互角に渡り合える挑戦者が、
国政の場にようやく登場したわけだ。
次期総選挙での与野党逆転を目指す民主党は、
合併した自由党と、
選挙協力を行っている社民党との
連立政権樹立を腹案として持っている。
自公保サイドは、こうした民主党の構想を
「政権ほしさの野合だ」と攻撃するが、
これほど的外れな批判も珍しい。
野党は本来、
「今の与党では国が立ち行かなくなる」として
時の政権与党打倒を掲げ、
一日も早い新政権樹立のために
全力を挙げることを使命としている。
そういう意味では
野党が「政権がほしい」と考えるのは当たり前で、
逆に「今は政権はいらない」と
のんびり構える野党があるとすれば、
その野党は「野党」の名に値しない。
現状肯定路線丸出しの「疑似与党」の烙印を
押されるだけだ。
政権交代を一気に実現するためには
野党各党は政策の違いを大胆に棚上げし、
「自民党政権打倒」の旗印の下に結集するしかない。
そう考えると、
有事法制に賛成し、「論憲」を提唱する民主党と
有事法制に反対し、9条護憲を訴える社民党が
「利権腐敗政治の一掃」を一致点に共闘するのは
決して不自然なことではない、と分かるはずだ。
もっとも、万年与党体質に慣れ親しんできた自民党議員には
永遠に理解できないロジックかもしれないが。
民主党が有事法制を成立させた時には
さすがに、暗澹たる気持ちになった。
しかし、その一方で
今の自民党政治が続いたら
内政も外政も立ち行かなくなる、との思いが私にはある。
「自民党政治の存続を認めるべきか、否か」
今回の選挙は、こうした観点から
候補者をじっくり選んでみようと思っている。
※久しぶりに当サイトを訪れた。
ややエキセントリックな投稿が増えたとの印象を受けるが
気のせいだろうか?