総選挙の告示が目前となっている。しかし、マニフェストばやりの反面、本質的な相違(どんな人々の利益につながるか)は残念ながら不明確である。(前回私は、消費税率に関する政策上の選択肢の不在を述べた。)
私の意見掲載の同日滋賀県民O様から、長浜市長選挙での共産党の決断について肯定的なご意見が掲載された。私は半分賛成で半分反対である。賛成とは力量(宣伝費や供託金等の資金も含め)の蓄積をはかれる点、よりましな選択肢を消極的に選べるようにできる点である。これは本年の札幌市長選挙で共産党が候補者を立てたが、同党中央の支持で運動はしないという「決断」をしたことにみられよう。
逆に反対の点は、政策上の選択肢が選挙民にとってより狭くなることである。また、国政選挙の場合比例代表部分の集票にも否定的な影響を与えることである。
政策と実行力(候補者個人の力量と組織的力量、資金等)によってやはり勝負すべきではなかろうか。つまり、2大新自由主義的「改革派」どうしが、旧保守支持層の票を食い合い、革新的候補が旧保守層以外の票を小選挙区でもさらうような闘いをすることである。
この場合、革新的候補は当然ながら共産党とは限らない。例えば古くは東京都知事選挙で米原候補をおろし美濃部氏を当選させたり、無所属革新共同の候補を衆議院に輩出させ共産党と同一会派を形成したり、近くは前回東京21区で同党候補をおろし川田悦子氏を当選させ(今回は田川某なる人が同党候補としてたち滋賀県民O様の懸念が理解できる)、長野知事選挙で田中康夫氏に対し初回は対立候補を立てたが2回目は政党としては唯一公然と支持して当選させた例がある。さらに、従来の選挙では同党は各選挙区に立てても必勝重点区と躍進区にわけて力の配分をおこなっていたようだ(今回はどうなのかわからない)。
私は滋賀県民O様と同様の懸念もあるが、むしろ政策およびその実行可能性について、同根2大「改革」派との違いを有権者に鮮明に分かりやすくアピールできていないことの方を心配をする。