私は政治的浮動層の代表のような者で、票を入れていない主な政党は、新進党ぐら
いかと記憶するような浮気者です。属する社会階層の故、保守的心情を色濃く持ちな
がら、学生時代に民青の友達が多かったせいか、共産党には強いシンパシーを持って
います。毎年幾ばくかの寄付をしていた時代もあります。
ところで、最近の政治情勢が左翼にとってきわめて厳しいものになって来たのには、
強い危機感を感じざるを得ません。なんといっても、これまで共産党をはじめとした
左翼勢力が推し進めてきた、階層間・地域間の「再分配」主義、「平和主義」は、今
後もこの国の政治社会の状況を健全に維持するために必須の要素であると思うからで
す。
しかし、思い見るに、政治情勢をこのように厳しいものとしたのは、決して保守層・
右翼勢力の攻勢の結果では無いように思えます。一言で言って「自滅」では無いでしょ
うか。この自滅の原因は、遠くはソ連・東欧の崩壊、近くは北朝鮮問題でしょう。日
本の左翼勢力はあまりにもこれに肩入れしすぎたのです。いくら「自主独立の党」と
いっても、これらを弁護する姿を見れば、どちらの社会を目指したかと、有権者は判
断してしまいます。
北朝鮮については、もちろんこの掲示板でも議論の見られたように、共産党の姿勢
に古くから一貫性の無かったことは確かです。しかし、戦後の共産党の歴史から言っ
て、この点で同情できる面も無いとは言えません。しかし、拉致問題への対処を見た
とき、その姿勢への疑問は消えません。日本共産党は、古い昔はともかく、最近の長
い間、日本の政党の中では、北朝鮮にもっとも厳しい態度を取ってきた政党であると
考えます。私も朝鮮労働党の姿勢に関する党の印刷物を購入して参考としたことがあ
ります。拉致問題を熱心に取り上げたのも共産党であったと言えるし、大いに期待し
ていたのですが、なんと言うことか、あの9・17の暫く前から、志位さんの国会等の
発言「証拠のないものを」云々など。急に後ろ向きになってしまいました。あの変貌
はいったい何だったのでしょう。その後の9・17です。ソ連・東欧の崩壊のショック
をうまく乗り切ったに見えた共産党が、ここで躓いた、とも考えています。朝鮮問題
に関心の偏った者の偏見でしょうが。
アドバイスめいたことを言わせて貰えば、ともかく、今からでも遅くはないから、
日本共産党は、近代的な資本主義国における健全な社会主義政党とはいかにあるべき
かを、理論ではなく、政治的姿勢の表し方の面で、打ち出すことです。中世的・強権
的なアジアの社会主義国(中国も同じ事)とは一線を画した態度をはっきり示し、ス
ターリニズム的感覚からの決別(この板にもまるで創価学会信者もどきの熱誠女史が
おられますが)を図られるよう、移り気な一ファンとして期待するものです。