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「拉致」問題を整理する

2003/10/4 おくびょうもん、60代以上、ペンショニヤ

 「拉致」事件が一段と複雑化する。共産党がフジテレビをこの問題に関して訴えに出、これを創価学会がその機関紙で取り上げたからだ。学会は、これを来る選挙の目玉にしかねない。
 「拉致問題」は、外交を含む政治問題にしてはならない。そうすればするほど、被害者は浮かばれず、この問題に対する日本の政府・行政当局の責任回避が進むからだ。そこで、この問題を次のように整理すべきである。
1  この問題は、犯罪と考えるのが一般であろう。これは半面で正しいが、もう一方の面では正しくない。もう一方とは、「北」国家からの見方だ。彼らから見ると、「拉致」は、犯罪にあらず、だ。それが証拠に、キムガンスなる人物は、「拉致」にかかわった人物は、「北」では英雄である。犯罪論に照らしても、この見方はなりたつ。なぜなら、犯罪の認定は、国家がするものだから。易しい例で言えば、たとえば、殺人は、一般には犯罪だが、戦闘行為での殺人は、犯罪にならないどころか、奨励されるべき行為だ。国家がそうするのである。
 では、犯罪ならざる面を持つ「拉致」問題の解決は?ずばり言って、これは「人質」、解放金獲得狙いの誘拐事件である。同種の事件は、南米、ヒリピン、チェチェンなどですでに発生し、政府は、「金」で解決している。この場合、政府は、建前上‘手は汚せない‘から、プロのブローカーが受任者になる。石原氏が攻撃した「X」もこの手合いなのだろう。要するに、この問題は、水面下で‘実弾‘で解決せざるを得ない問題である。もちろん、政府は、「北」に圧力をかけるべきだ。水面下での交渉を有利に実現するためである。この場合の圧力は、次に述べることとかかわるが、政府ができることであり、国民に対する責務でもある。

2 自民党政府は、この問題について、過去にもなすべきことをせず、今も口実程度にしかしていない。「拉致」は、わが国内では、犯罪であること、もちろんである。わが警察は、海岸付近での「蒸発」、これは被害者の親族から届け出があったから、犯罪の疑いを持って、徹底的に捜査すべきであった。また、不審船の度重なる出没にも、海上保安庁は、厳しく対処すべきであったことは、当然であり、国民に対する責務である。が、つい最近までしてこなかった。米の援助についてもしかり。石原氏によれば、相手は、ただ取りした米の一部を日本の商社に売って現金化していたという。しかも、これに関して、自民党の有力議員が口利き料なるものまで取っていたという。マツタケをもらって帰ってきた馬鹿もいた。
 マツタケをもらうもらわない、こんなことは、自分しだいで決められることだ。犯罪の取り締まりも日本政府の決断しだいだ。要するに、政府ができることをしてこなかった、今もしていない。逆にこの問題を核問題とからめて、いかにも問題を複雑化して、責任のがれをしている。

 以上をまとめると、私は、「拉致」問題は、X氏は北の身内なので、これに任せず、イギリスにあるという民間会社にこの解決を委ね、わが政府は、これを側面・間接支援すべく、今すぐできる圧力手段をとるべきだ、思うのだ。