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衆議院選挙について。政治に対するモノサシ

2003/11/7 ウナギ犬、30代

 この文章が載る頃には、もう投票は終ってしまっているんでしょうか。
 こういう言い方をすると、必死に頑張っている党員の方々の反感を買ってしまうかもしれませんが…共産党が勝とうと負けようと(報道によると苦しい情勢らしいですが)、私の選挙に対する考え方は変わりません。
 やはり、共産党は国民への運動について、大きな間違いを犯しているように思います。

 選挙に勝つために、「共産党の政策をもっと知ってもらおう」という方向性を強めるのは、私は間違いだと思います。
 国民の政治への責任感・関心を高めてゆくことこそ、結果的に共産党を発展させてゆくだろうと、私は信じています。

 「共産党の政策をもっと知ってもらおう」と呼びかけた人は良くご存知だと思うのですが、呼びかけられた相手の反応はどうだったでしょうか。
 「政治へのしっかりとした自分の意見を持っている」「政治について良く知っている」と感じる場合は、非常に少なかったのではないでしょうか。
 私は、現在の一般的な日本人の、政治への関心や知識などは、かなり低い方だと思っています。
 個人個人の「政治に対するモノサシ」が、貧弱である(平均的に見て)と思っています。

 ここで考えて欲しいのは、「政治に対するモノサシ」が貧弱な人に、「共産党は正しい」という情報を雨あられに流し込むことの意味です。
 これは、「相手のモノサシを育てる」ということには、絶対にならないと思います。
 ただ「共産党のモノサシを押しつける」という意味しか持たない、と私は思います。

 選挙戦になると、どの政党も「私こそが正しい」という宣伝活動を行います。
 しかしこれは、しっかりとしたモノサシを持たない人間にとってみれば、「モノサシのセールス合戦」という状況だと思います。
 しっかりとしたモノサシを持っている人にとっては、「自分のモノサシと一番合うモノサシ」の政党を選べば良いので、その場合には良いのですが。
 問題は、現在の日本には、しっかりとしたモノサシを持っていない人が、あまりにも多いことだと思います。

 この場合、「共産党の政策をもっと知ってもらおう」と躍起になればなるほど、相手からすれば「モノサシの押し売り」という印象を受けると思います。
 たとえ相手に分かりやすい話術で納得させたとしても、それは「刷り込み」であって、私は賛成できません。
 「私はこれこれこういう事で、日本共産党を支持しているけど、あなたはどう思う?」と、相手に考えさせる事が一番大事だと思っています。
 「これこれこういうことで共産党は正しいんだよ」「そうなんだあ」という会話になっては、断じていけないと思います。

 モノサシの押しつけや刷り込みを行っている限り、私は日本人の政治への関心・責任感は向上しないだろう、と考えています。
 政治について考えさせること、それも選挙戦だけの一瞬の思考でなく、永続的に考え続けさせることこそ、国民のモノサシを育てさせることになると思います。
 政治について考え続けるということは、けっして楽なことでは無いとは思いますが。
 しかし国民が、政治に対して「楽をしたい」と思ったときから、自らの首をしめる事になるのは間違い無いでしょう。
 そして現在、充分過ぎるほど首をしめている状況だと、私には思えます。