11月12日付で「党員用討論欄」に投稿した日本共産党員です。私は、自民党・民主党・
社民党など国会議員中心の意思決定システムをもつ議員政党や、公明党=創価学会よ
り、日本共産党のほうが遥かに民主的・大衆的な党運営をしていると考えています。
しかし、全会一致を美徳と考える「ルソー的な民主主義観」には違和感をもっており、
理論的に少数意見・異論を唱える人がもっと伸び伸びと発言できるリベラル(自由主
義的)な党運営をしていくにはどうすれば良いのか模索しながら、このサイトを見て
います。
先日、ある党員の発言に対して初めて投稿しましたが、11月14日付で他の非党員
(ecologosさん)からその投稿に対して意見を寄せられたので、今度は一般投稿欄に
投稿します。
ecologosさんの投稿に対する私の意見を列記します。
〔事実に反すること〕
1.イラク派兵に「共産党がこのままだんまりを決め込む」
共産党はイラク戦争、自衛隊派兵に一貫して反対しており、総選挙中も現在も、機関
紙、ビラ(支部や地方議員作成のものを含む)、写真ニュース(ポスター)、HP、
街頭・駅頭演説、国会・地方議会などでイラク派兵反対の論戦をはり、宣伝活動に取
り組んでいます。また、労働・教育・福祉・医療・女性・平和運動など大衆運動のな
かでも、私たち党員は「イラク派兵反対」を掲げて闘っています。「劣化ウラン弾」
の問題も『しんぶん赤旗』で今も取り上げています。逆に、私の地域の民主党・社民
党の地方議員などは「国政の問題だから・・・」と言って、ビラさえ撒こうとしません。
いったい何を根拠に「共産党はだんまり」と言うのでしょうか。
2.民主党は「護憲」という認識
自由党と合併した民主党は、マニュフェストのなかで「憲法改正」を明らかにし、改
憲の世論づくりに荷担しています。改憲論を掲げたマニュフェストを堂々と配布して
いるのに、いまだに「民主党と政策協定を結び、少なくとも護憲を勝ち取る」「民主
党を縛る」ことができる、「護憲などが達成され」ると考えるのは、事実誤認もはな
はだしいと言わざるを得ません。有事3法強行可決のときの民主党の裏切りを忘れた
のでしょうか。
〔いくつかの異見〕
1.民主党の評価について
民主党は(そして社民党も)多くの自治体でオール与党化しています。保守派・行政
側に立ち、地域における共産党員・地方議員や「民主団体」の運動に敵対的態度を示
すことも少なくありません。また、旧総評・連合系労組のダラ幹に抑圧された共産党
員の苦労は並々ならないものがあります。あまり強力に民主党批判を打ち出しすぎる
と「共産党は独善的」「なんでも反対の共産党」という烙印を押されかねない危険が
あり、一定の野党共闘は必要と考えますが、今回の総選挙では手を組める相手ではな
かったと思います。
2.小選挙区での候補者擁立について
ecologosさんほか、小選挙区での候補者擁立には批判的な意見が多いようですが、私
は基本的に賛成です。今の公職選挙法では、候補者を立てなければ、党名の入ったノ
ボリさえ合法的に立てられないという状況のもと、小選挙区擁立は戦術的効果があり
ます。ただし、費用対効果の問題で、供託金・宣伝カー運行費用を上回る宣伝効果が
あったかどうかは議論の余地があると思います。
この問題は有権者の意識調査など客観的な資料がないと水掛け論に終わってしまいま
すが、私の地域の有権者の反応をみる限り、小選挙区擁立をやめれば「得票が伸びる」
という感触はありませんでした。
ただし、土井たか子氏や川田悦子氏への対応では、立候補を取り下げることで「共産
党は変わったな」という印象を与えられたかも知れません。そういう政治判断も必要
という指摘は理解できます。
3.音出し宣伝とポスターの効用について
有権者と直接対話をしなければ支持は広がらないというのが、私や支部の仲間のすな
おな反省です。共産党の支持者がよほど多い地域でない限り、「日本共産党」と書い
てあるポスターを自宅や店の目立つ場所に貼ってもらえないのが日本政治の現実です。
電柱や街路樹に縛りつければ、町会ボスから「美観を損ねる」と嫌がらせをされ、狂
信的な創価学会員に破られます。そのようななか、ecologosさんの考えるほどポスター
は効果的ではありません(わかりやすいポスター作りの重要性は認めますが…)。
ecologosさんの言うように10~15分立ち止まって演説を聞いてくれる人が少ない
のも現実です。ですが、地元の共産党員や議員、候補者が身近なところで政策を訴え
ている姿を有権者に見せることは宣伝効果がありますし、窓を開けてこっそり聞いて
いる家、「共産党は名前の連呼ではなく、ちゃんと政策を言うから良い」と声をかけ
てくれる人もいます。音出し宣伝で党員の生の姿を見せ、ビラを読んでやろうかとい
う気持ちになってもらい、そのうえで電話や対面対話で相手の関心事に合わせて話を
して支持を約束してもらう。このような地道な闘い方をしないと支持者は増えません。
なお、今回の告示直前のポスターについては、「消費税増税反対」に「大企業減税許
さない」を併記、「憲法改悪反対」に「イラク派兵反対」を併記したほうがわかりや
すかったかとは思います。ちなみに「イラク派兵反対」を併記したポスターは告示後
作製されています(選挙法により「共産党」名は書けず)。
4.憲法改悪反対のスローガンについて
8月末に小泉が改憲案づくりを指示、民主党も党をあげて改憲派に寝返るなかで、憲
法改悪反対はタイムリーな政治課題であり、単に「理念・政策目標」を示したもので
はありません。また、「イラク派兵反対」は旧自由党を含む民主党候補者も言ってお
り、それだけでは共産党と民主党との違いを示せません。民主党の口先だけの「イラ
ク派兵反対」論と対峙するためにも、「憲法改悪反対」を前面に出したのは正解だっ
たと、私は考えます。
「護憲」を掲げる民主党候補者はきっぱりと離党し、「憲法改正」をマニュフェスト
に明記する政党を3分の2以下の勢力に押し留めるべきでした。民主党に幻想をいだ
き、政権入りのために「憲法改悪反対」をぼかして野合しては、旧社会党の二の舞で
す。
以上、長くなってすみません。これから年末にかけて仕事が忙しくなるため、年内の 投稿はこれで最後と致します。
(追伸)「さざ波通信」をご覧のみなさんへ
私はこのサイト以外に、ロゴスの会・村岡到氏のHPも見ています。村岡到氏の考え
に全面的に賛成するものではありませんが、新左翼運動の失敗を真摯に反省し、日本
共産党を支持しつつも同意できない点は筋道を立てて批判する村岡氏の姿勢には共感
を覚えます。ぜひご一読下さい。
http://www.nn.iij4u.or.jp/~logos/