2週間も前に学会のこの地域のボスと言われている人から公明党をよろしくと言う
手紙とパンフレットが送られてきていました。公明党は生活党ですなどと口当たりの
いい事が書かれていて、イラクへの自衛隊派兵や有事法その他戦争法案を与党として
成立させたことは一言も書いていません。だから創価学会員も公明党が戦争法を支持
したなんてまったく知らない人が多いのです。わたしは障害者の運動をやっていまし
たがその関係で親しくなった女性が居ます。 彼女の二十歳になる長女はまったく歩
けないほど身体が悪く知的障害もあります。その下に18歳と16歳の妹が居ます。18歳
の沙織ちゃんは高三で赤ちゃんができてしまい,三女の双葉ちゃんは中ニから登校拒
否のまま卒業しました。ご主人とは去年離婚されたのでお母さんは女手一つで生活を
支えねばなりません。
彼女は創価学会員です。やはり子供が障害者になると言うことは母親にとってつら
く悲しいことです。そのような苦しさを政治は解決できません。創価学会員を悪く言っ
てはならないのです。生きるために宗教にしか救いを見出せないない人がいるという
ことを私たちは理解できねばなりません。この間、彼女が長女を車椅子に乗せるため
に抱え上げたところ足首をくじいてしまったので私は毎日接骨院に彼女を車に乗せて
連れて行っているのです。投票三日前の車中での話です。
「今度の選挙はどうされるのですか」
と彼女が聞きました。
「棄権ですな。」
「もったいないわ。公明党に入れてもらえません」
「おいでなすったね。断りますよ」
「どうしてなの」
「公明党が戦争法案に賛成したからですよ。イラクに自衛隊がもうすぐ派兵されま
すがそれを推進したのが公明党です。しかも有事三法といって朝鮮戦争のための法律
やさまざまな戦争法を自民 党と一緒に公明党は成立させてきたのです。あなたは戦
争が好きですか。」
「飛んでもありません、戦争は絶対いけません。本当なんですか。本当でしょうか」
「そうですよ。おかげで自衛隊員はとても悩んでいますよ。イラク人を殺すことに
なるか、自分が殺されるか。仏教に「人を殺せ」の教えはありませんね」
彼女はショックを受けたようです。次の日彼女と沙織ちゃんと赤ちゃんが車に乗り
込みました。お母さんは接骨医へ、赤ちゃんは保育所へ連れて行ってくれと言うので
す。崎にお母さんを接骨医に送り込んだあと、沙織ちゃんが赤ちゃんを保育所に入れ
てからまた車に乗り込みました。少し時間があるのでイラク戦争の話をし公明党が戦
争推進者になっていると言う話をするとと、びっくりしていました。
昨日またお母さんを車に乗せてあげるとこんなことをいっています。
「沙織が昨日ものすごく怒ってたのよ。」
「どうして、ぼくにですか。」
「違うのよ。学会が戦争を支持してるって。戦争なんかになったらもう希望も夢も
ないじゃないのって。それに反対運動している人が一杯居るのをテレビで見たけれど
も戦争は止められないじゃないのって。ひどく荒れていたのよ」
「そうだったのですか。大変な時代になりました。
そうそう、あなたの小学校の昔の先輩が与謝野晶子だといってましたね。「ああ弟
よ、君死に給うことなかれ」あの時代に反戦歌を発表したんですね。すごい先輩がい
たのですから見習ってほしいですね。」
「みんなで世界反戦の日にデモに行きませんか。あ、そうか足が治ってたらね。」
投票の前日、やはり障害者の若い男がひょっこり家を訪ねてきて「何の用か」と聞
くと公明党に入れてくれと言うので、沙織ちゃんのお母さんに言ったと同じことをいっ
てやりました。「本当ですか」彼もびっくりしていたのです。
「宗教に俺は反対してるんじゃないのだよ。宗教は心の問題で政治に口出ししては
いかんのだよ。しかも戦争を創価学会が推進しているんではないか。学会も公明党も
僕の敵なんだよ。選挙運動をすぐに止めなさい。そういってやると彼は逃げるように
して帰ってしまいました。
学会員がこんな重要なことも知らないのは共産党がいかんのです。共産党はこのイ
ラク戦争の問題、自衛隊派兵、有事法、朝鮮戦争の危機こんなにわかりやすい問題を
正面にすえて各党を暴露し、宣伝しないからいかんのです。何を言っていたか、消費
税と憲法です。戦争の問題を選挙の争点に何故しなかったのか。議員が半減して当り
前なんです。ほんとはこんなに戦いやすい選挙はなかったのです。結局は本気で戦争
反対の大衆運動をしなかったつけを支払わせられたのです。議会主義が日本共産党の
命取りになります。
いま、若い人にこの情勢を訴えれば真剣に聞いてくれます。あすもう一人の若い女
性との短い会話を書きましょう。若い人の考えが五年前、二年前、一年前と変わって
きています。Good Night。