共産党の総選挙歴史的大敗の根本原因を探ってみた。政策と具体化方針のあいまいさ にその原因がある。日本武道館での不破演説を改めてなぞるとよく解る。
三つの経済対策
日本では働く者の暮らしや権利を守る
ルールが弱い。せめて、ヨーロッパ並みのルールある経済社会の実現。
税金の使い方の逆立ちを直し、社会福祉の充実。
アメリカに指図されている経済から脱却。
と言い、経済の上でも「国民が主人公」になる社会と結んでおり、全然具体性がない。 こんなことでは有権者は納得しない。今日的国民的関心事の、道路公団問題/郵政民 営化/三位一体問題/年金問題等に具体的にふれていない。それと対称をなしている のが、「マニフェスト」は野党の責任がおろそかになり、野党としては「邪道」とし ている。これでは、有権者は判断する物差しを持ち得ない。
次に外交は自画自賛のオンパレ-ド。例えば、マレーシア政府の幹部が共産党との会 談で「意見交換が自分の認識の視野を広げてくれた」と言われたとか。「サウジの高 い敷居に合格したんだ」と言われたとか。又、イスラム諸国会議機構の首脳会議に緒 方国際局長がゲストとして招待されたとか。肝心の国民的関心事、拉致はどう解決す るには触れていない。
不破演説は、「限られた支持者向け」から一歩も出ていない。広く無党派に呼びかけ る姿勢がそもそも欠落しているのではないか?少なくとも民主党は国民目線で活動し ていた。相変わらす、鳥かごの中で選挙をしている印象が強い。今の有権者は、具体 的に言わないと納得しない。大衆の皮膚感覚がなくなると、熱狂的支持者以外はソッ ポを向く、このような構図が見えてくる。
又、敗北の言い訳がおぞましい。毎度の「反共攻撃」に加えて、今回は「二大政党」 制を求める財界の呼びかけのもと、解散直前の時期に急激につくりだされた事も上げ ている。これでは、公明党が前進した理由が説明できない。
今後は、基本のところからの解党的出直し以外選択肢はない。キ-ポイントは、開か
れた党になりもっと国民・有権者の声を真面目に聞き、国民の共感を得ること。それ
なしには、少しも前進しない。
選挙には負けたが、主張は正しかった、なんて言う台詞は、世間では全く通用しない
ことを本当に自覚することを求める。赤字は出たが、営業方針は正しかったなんて事
はないのと同じ。あれば即倒産だ。共産党一流の甘えの構造をそこに見る。これも根
本原因の一つと見る。