わたしの次女はいつの間にやら29歳になっています。近所のコンビニに五年前から勤めに行っていたのですが時給は最初の年は700円、年に10円上がって今年の春は750円になっていました。親の家にいつまで居てもらっても困るので近所の文化住宅で自立するようにさせたのが去年の秋です。ところがコンビニのパートは一日5時間しかシフトに入れてくれないので生活できません。(750x5)x25=93750円で社会保険も退職金もありません。家賃4万円を払うと食べていけないのです。生活保護では家賃扶助あわせて月12万円ぐらいです。これが国民の最低の文化的生活を営むための金額です。働いてそれにも達せられないことでいいのでしょうか。娘は生活するには最低13万円が必要なので経営者に8時間働かせてほしいと頼みました。経営者は「うちはそんな金ない」というのです。そのくせ他のパートを募集します。
娘は仕方なく金融会社の、まー言えばサラ金会社の電話催促のバイトにしばらく行っていました。
わたしは電話恐怖症です。なぜなら若い女の声で電話がかかればアコムだからです。
「それではいつ入金していただけますか」
「すみません、すみません。いつと言っても入金の予定がないので,はっきりいえません」
「それでは困ります。xx日までに入金してください」
「すみません、何とかします」
「間違いありませんね」
「ええできるだけそうします、すみません」
自分の娘のような女に受話器を持ってぺこぺこ頭を下げるのです。だからそんな会社にアルバイトに行く娘に腹が立って、
「苦労して大きくしてやったのに金貸家の手先になるのか」と怒ったことがあります。なんだシャイロックの手先になって。
妻は
「そんなこといっても良子は労働者なのよ。わたしだってゼネコンで働いてるけど会社は談合や裏金を使ったり悪いことばっかりしてるけど給料を貰わなければ食べていけないでしょう。金融関係で働く人が何で悪いのよ。みんな厭な仕事をしてるのよ。」
「フーム、お前は娘に甘い」
ところがサラ金会社の電話係のバイトをしていた娘が2ヵ月後に
「やっぱりあんな仕事厭だわ」とやめてしまいました。
「当たり前だ。電話の向こうに俺が居ると思わなかったか」
「お父さん、借りてるの」
「いいや、でもなー、長い人生には高利と知っててもどうしても 金を借りねばならないときもあるのだよ。
娘は掛け持ちの仕事がなくなったので、もとののコンビニもやめてイズミヤに仮採用されたので、勤め始めたのですが健康診断でひっかかって身体がよくなってからこいといわれたのでした。
途方にくれて娘は5年間働いたあのコンビニの店の前を行ったりきたりしてい多層です。するとそれをガラス越しに見つけた経営者に呼び止められて、相談に乗ってもらったのです。結局一っか月13万円になるようにシフトを増やしてもらってそこに戻ることになりました。
4月のある夜、娘は十時までの夜勤を終わって帰ってきて私達の枕もとに座って泣き崩れるのでした。
私達はどうしたのかと、心配になり問いただしていくと、こんなことが解りました。つまり親子3人の家族経営のコンビニなのですが経営者が良子のシフトを増やしてやったり、やめた良子をまた雇ったりしたことに奥さんがやきもちを焼き、異性関係があったんでしょうと、疑われシフトをまた5時間に減らされたと言うのです。それも一回や二回でなく何度もあたら散らすので娘は精神的に異常な感じになってしまっていたのです。
「それはセクハラじゃないか。よし、俺が行って話をつけてやる。そんな目に合わされて黙ってるちちおやはいないからな。」
わたしはその次の日にそのコンビニに行って直談判をしました。
「まず第一に人を雇って飯も食えないような無責任な経営者でいいのか。生活保護基準でいっても家賃扶助とあわせて月12万は出るのですよ。本人が一生懸命働きたいと言っているのに月8万円でこいというのはどういうわけだ。
次にわたしの娘に経営者とのあいだに異性関係があったかのように言いふらすことは人権問題だ、謝れ。」
経営者と奥さんと息子三人を前にしてそういったが、賃金とシフトの問題はうちではそれ以上出せないので他の店と掛け持ちしてもらうより仕様がない、セクハラなんてそんなことはしていませんと言うので物別れになったのです。
仕方がないので県庁の労働センターで相談をし、セクハラ問題で調査してもらうことにし、一方で知り合いの個人加盟の労同組合に相談し娘を組合に入れました。組合は早速団体交渉の申し入れをしてくれたのですが相手は硬化するばかりです。娘はそのままコンビニに毎日5時間働きに行っていたのですが経営者はわざとに「パートタイマー募集」のビラを貼ったり、奥さんは娘のそばにくると手をひっぱたいたり、便所の掃除が汚いと」といってやり直しを命じたりしたのだそうです。、息子は「おやじは手がはやいからなー」といって娘が関係あったとばかりに言ったりしたそうです。
そんな2ヶ月をよくも娘はガンバリとうしたなーと思っていた時、娘からはげしいむせぶような泣き声の電話がありました。娘はその夜も嫌がらせを受け、ついにレジの下にしゃがみこんで這うようにして事務所に行きわたしに電話をしたのでした。わたしは車ですぐに飛んでいくと経営者は困ったような顔でわたしを見ていました。
「良子先に車に乗りなさい。」
そういってから経営者に
「おい、この恨みは晴らすから覚悟をしとけ」
そう啖呵を切って家へ娘を連れて帰ったのです。
その日から私達夫婦には良子の精神状態が異常になりかけているのに心配しどうしになったのです。それでxxクリニックに行くとうつ病の診断でした。
その日から娘は仕事に行けなくなり、妻が3ヶ月間、月に十万円を娘に渡してともかく組合が勝つまで我慢させることにしました。そして組合と労働センターにはっぱをかけ一ヶ月間前についに謝罪文を取り、休んでから解決までの休業補償金30万円と慰謝料30万円を支払わせました。
しかし娘の心に残った傷は深くものをいっても返事もしてくれないほどに落ち込んでいる日々が続きます。わたしは三日も良子の顔が見れなければ、「自殺」と言う二文字が頭をかすめるのです。
わたし自身は障害者なので差別に対しては反射的に憎悪を感じるのです。戦時中の障害者に対する差別は幼い子供にすら言葉に表せません位露骨だったので深く心にインプットされているのです。今はそれではどうかと言えば本質はおんなじで陰湿になっているのが違うところです。その根底があるから抑圧民族として自覚できない日本人にも牙をむきます。
セクハラ問題を最初に組合に相談したとき組合の人は賃金のことは交渉するがセクハラはどうしたらいいのかなーと逡巡していました。わたしは組合の人ですらセクハラとはたんなるエッチな問題として避けようと言う無意識な気持ちがあることを知りました。そうではないのだ、セクハラは婦人労働者に対する差別の問題でしょう。その差別は深くその女性の心に傷をつけ、ばあいによってはその女性を廃人にしてしまうのだとまじめに説得ました。するとその組合役員は「実は」というのです。わたしの高二の娘がこの一年間学校に行けないのです。神経症で病院に見てもらっているのです。よくわかりました。全力で良子さんとともに戦いましょう。おそらくはっ彼の娘さんも学校でひどい差別を受けたのが心の病の原因でしょう。わたしはちょこ&みいたさんにたいする心ない大歩危氏の態度、長壁さんに対する彼の態度にも差別を見抜いています。
共産党幹部の筆坂のセクハラもおそらく自分の立場をかさに来て平党員の女性に性的な何らかの嫌がらせと思わせるようなことをしたのであろう。人格的に低いから、嫌われているからセクハラになるのであって、筆坂がその女性に好意をもたれていればそんなことになりません。これは深い愛情なしに女性との関係を持とうとするところに低劣な人間性があるのです。それは根の深い思想からきます。彼の自己批判が聞けないのは臭いものに蓋、党が人間に対する差別意識を内蔵していることの証明です。一コンビニの一家ですら恥ずかしいセクハラに対するこれ異常ない言葉で文面にして謝罪しているのです。
また党派今度の綱領改定案に労働者のろの字も書いていないが、リストラ首切りで急激に増加しつつある、派遣社員やパート労働者がわたしの娘と同じように生きていけないような低賃金と抑圧の下に無権利な状態になっていることに何の関心もはらわズ、国労では1045人労働者の解雇を反対して長年月闘ってきている組合に対して、組合破壊と1045人を路頭に放り出す立場にたっているのを見れば、日本共産党は労働者階級の敵になったのではないかと思います。だから今度の党大会は「党として」の存否にかかわるほど重要でしょう。
<管理人コメント>投稿中の個人名は変名です