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紙とインクがほしい

2003/12/1 天邪鬼、60代以上、自由業

「署名簿もう少しまってね」
「ああいいよ、頼むよ」
「写真集、もう少し貸しておいてほしいの」
「弱ったな、ほかの人に見せたいのだけど。まあいいよ、別に印刷 するから」
「ごめんね。あんまりすごい写真なので妹とお母さんに見せたら みんな怒ってたのよ、戦争はいやや。やったらあかんて。」
  「そうやろ、劣化ウランで赤ちゃんまでがあんな可哀そうになって生まれるれるなんて、ひどいよね」
「誰でも戦争なんかあかんと思わん人なんかおらへん筈やのになん で選挙で戦争に賛成する人ばっかり当選するんやろ」
  「わからん、選挙ってからくりやろ」
「写真集、友達が持って帰ったんやけど、別の友達が又持ってい ってしもたんやねん。」
「幸福の手紙みたいやな、署名をその人らにも頼んどいて」

 三冊作って一冊も手元にない。長壁さんの紹介してくれた劣化ウラン弾の放射能で奇形児になったイラクの赤ちゃんの写真集は衝撃の波をひろげています。荒波通信ですね。あいつにも、こいつにも送ってやりたいのにインクと紙、残り少なくなってしまった。
 「なー君、」
 なんやのん、気持ち悪いなー
 ちょっと貸してくれ
 なんぼやのん
 5000円
 いつ返すの
 15日
 利息1000円やよ
 サンキュウー、そのかわり
 なによ
 これに署名してんか

 戦争反対
 誰がなんと言おうとも
 それを言い張る
 あなたは
 正しい
 女に
 勝てる
 男はいない 
 女が戦わなかったら
 パリコンミューンは
 なかったんだって    

 今、ショパンのピアノが静かに消えました。美しい音楽は永遠の平和を求めます